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モバイルでポイント獲得さらに楽しく Checkpoints【堀井翔太】

[読了時間:2分]

 昔からあるサービスやアイデアでも、スマートフォン上ではまったく別物に変化するので、勝負は仕切り直しー。スマートフォンの急速普及を受けてよく耳にする話だ。

 ネット上で何かをすればポイントが貯まる。昔からあるアイデアだが、これをスマートフォン上で行えば意外に楽しいようだ。

 米Checkpointsというサービスは、iPhoneもしくはAndroid端末向けのアプリをダウンロードし、スーパーマーケットなどでチェクインすればポイントがもらえるという位置情報系サービス。スーパーマーケットに入ればいろいろな商品の宣伝が出るので、そのうちの商品の1つのバーコードをスマートフォンのカメラで撮影すればポイントがもらえたり、ゲームをプレーできるようになっている。ゲームに勝てばさらにポイントが貯まる。そしてその貯まったポイントをスーパーマーケットやレストランで換金したり、航空会社のマイレージポイントと交換できる。家庭用ゲーム機などの商品と交換したり、慈善団体に寄付したりもできるようだ。

 このアプリは実際に米国に行って使ってみなければ面白さが分からない。Zucks代表取締役の堀井翔太さんがシリコンバレーで実際に使ってみた感想を寄稿してくれた。

 Checkpointsは、サービススタートからわずか5ヶ月で100万人ユーザーが利用さるほどの人気サービスになっているらしい。利用しているのは、主に女性。その64%が25歳から44歳という。既にP&GやLevi’sなどの大手広告主が利用しているというから驚きだ。


堀井 翔太

 こちらもadtechSFのstartupspotrightに登壇していたので、資料を共有します。
 CheckPointsについては書きたい事がたくさんあって、まず、事前にサンフランシスコへの出張にあたって、こっちでしか使えないアプリをリストアップして、現地で使ってサービスを体感して行こうと思ってた。

 CheckPointsももちろんその内の一つやったけど、正直その中でも一番期待していなかったアプリで、ポイントを貯めて商品還元ができるという部分ではECナビやネットマイルに近いし、そこに興味があったものの、他にもっと使ってみたいサービスの方が魅力的だった。

 しかし実際はサンフランシスコに滞在中もっとも利用していたサービスはCheckPointsと言っても過言ではなかった。最後にはほとんど全てのページのキャプチャを撮って帰ってきたぐらいだ。

まずは資料を共有しよう。

 サービス内容は大体スライドを見ればわかると思うので省略します。

 このサービスのどこにはまったかと言うと、シンプルにポイントが貯まるところ。
 ECナビのサービスでもいかにユーザーにポイントを貯めさせ、中毒性を高くしていけれるかは重要な要素になってるけど、CheckPointsもそれに漏れずがんがんポイントが貯めれる。

 実際にチェックインすると近くの提携店がズラズラ出てくるのだが、まずチェックインするだけでポイントが貯まる。しかもお店だけなのかと思っていたら、ホテルとか他の建物でもチェックインしてポイントが貯まる。
 ちなみにあんまり離れた距離や連続チェックインすると場所が遠過ぎるとか、そんなに早く移動できないだろと怒られる。

 残念ながらwifiが飛んでないと使えなかったので、大きなショッピングセンターとかでしかスキャンまでできなかったが、最初はこんな面倒くさい事、本当にやるのかなと思ってたけど、UIが素晴らしかったからかそこはほどんど気にならなかった。
 自然に、店にチェックイン→商品を探す→バーコードスキャンの流れが進めれる。

 その他、ポイントは毎日ログインや他のアプリをDLしてのリワード、それとポイントとコインという概念があって、コインを使えばスロットゲームやLottoゲームなどポイントが増やせるゲームもあった。
 基本的にスキャンすれば両方貯まり、2種類ある意味がわからなかったが、ここはモバコイン、モバGみたいなものかと解釈。
 あとコインはキャンペーンやプロモーションっぽいことでも使うのかな。コインはアプリDLのリワードとか、ハードルの高い指令をクリアするとたくさん貰えた。

 また、上のスライドにデモグラデータが少し公開されてたけど、憎い事にポイントを貯めた完了ページでさりげなく、アンケートが出現し答えさせられるのだ。
 例えば『犬飼ってる?』『兄弟はいる?』みたいな。これには自然と回答させられて、なるほどなーと感心した。ちなみにポイントは付かなかったw

 それと、ボーナスコードというものが設定でき、自分のボーナスコードを入力して友達が登録してくれると、ポイントが貯まる常套手段の友達紹介と、ソーシャルメディアと連携しておくことでポイントが貯まる毎に自動でつぶやいたり、シェアされてそこにはボーナスコードが記載してあるというサービスの巧みさもあった。
 もちろん評価コメント欄はボーナスコードの晒し合いで1,000件越えしていた。

 友達紹介もソーシャルメディアから友達を引っ張ってきて全員に案内もできる。それにボーナスコード経由で登録したユーザーがログインしてくれる毎にいつでもボーナスポイントが貰えるという徹底っぷり。
 プロモーションやユーザーメリットのためにソーシャルメディアをどう使っていくかは、アイデア次第で色々できるなぁと勉強になった。

 あとは、この広告手法ではEngagementという言葉が何回か取り上げられていて、このEngagementという言葉は他のセッションでもたくさん使われており、ユーザーをいかにEngegementさせるかというのがトレンドワードだと感じた。直訳すると約束。

 ブースではSenior Vice Presidentの方と話をする機会があり、もちろん日本での展開を聞いてみたけど、この方もこちらのマーケットが大きいからこっちて規模を大きくしてからとのこと。あと人数も少ないしねと答えてくれた。
 名刺交換して、実は同じように商品を購入してポイントが貯めれて還元できるサービスをやってるから、日本で展開するときには声かけてよと伝えておいた。

 最後にやっぱり、スマートフォンというデバイスでリアルにポイントが貯まる感覚。そしてがんがんポイントが貯まるという感覚が何より楽しかった。しかも、もらえる商品の中に300ポイントで日本の地震に寄付できるという商品があって、それと交換するために必死に貯めたw

 日本では店が表示されなくて使えないのが残念やけど、広告主からしてもインセンティブはあるものの広告をインタラクティブに見せれて、商品への認知もバーコードスキャンで印象づけれる。
 日本でもおもしろい広告手法になるんじゃないかと思えた。食品メーカーさんとかが出稿すると良さそう。

 あとはサービス側としてお店との提携は必須だと思うので、日本やとTSUTAYAと提携したりして進めれるといいんじゃないかと思えた。

 このサービスについては引き続き、サービス創る目線でも研究を続けていきたいと思う。

著者プロフィール:堀井 翔太

1985年、京都生まれ京都育ち。兄も同じ会社で働く双子の弟。

大学3年時に東京でのインターンシップに参加するため初めて上京。
そのまま東京在住。営業のインターンシップを1年ほど経験し、サイバーエージェントグループの株式会社ECナビに07年度新卒として入社。twitterアカウントは@shota

ECナビにてモバイルメディア事業、ECナビモバイル、朝日新聞社との共同事業『kotobank』、ディレクトリ検索事業、子会社adingoのモバイル部門等の立ち上げを経て、現在はスマートフォン広告事業を展開するECナビの子会社、Zucks代表取締役(@Zucks_PR)。adingoのモバイル担当取締役も兼任。

個人的にイベントの予定を友達とシェアできるサービス『eventap』作ってます。【http://eventap.net/

Blog URL:http://shotahorii.com twitter:http://twitter.com/shota

蛇足:オレはこう思う

スマートフォン向けアプリやサービスが雨後の竹の子のように登場している。どれもアイデアが似通ったものばかり。恐らくその9割以上はいずれだめになっていくのだと思う。

しかし、広告主や店舗向けに明白なメリットを打ち出しているサービスは生き残るのじゃないかなと思う。すぐにでも収益が発生するからだ。大手広告主の中には、共同でキャンペーンを展開してくれるところもあるだろうし、アプリ自体のプロモーションにつながるから。この辺りが1つの勝負の別れ目になるような気がする。

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