サイトアイコン TechWave(テックウェーブ)

20歳起業家の新たなスタート…まず手がけるのは時間割のソーシャル化【増田(@maskin)真樹】


[読了時間:2分]


R0010711

(左)新生ネットエイジ:代表取締役社長 西川潔氏、(中央)もっちことLabit代表取締役社長 鶴田浩之氏、(右)ネットエイジ副社長:金澤 朝海氏。3人が初めて対面した時の写真。

 大きな反響を呼んだ「16歳で起業して4年間やってきて思うこと」を執筆した弱冠20歳の大学生もっちこと鶴田浩之氏。記事掲載時は “起業の準備中” と宣言していたが、その後、日本ITベンチャーの草分け的存在 西川潔氏率いるネットエイジから出資を受けLabitを創業した。「2年半後、日本を少しでも面白くしておきます」とささやかながらも明確な目標意識を持ち、「アプリやウェブサービスを毎月1本ずつくらいローンチしたい」(鶴田氏本人談)とすでにフルスロットル状態に入っている。





  そもそも彼は小学5、6年で簡単なビジネスを初め、中学生の時はコンピュータの能力を活用した技術の必要性を認識していた。「0から1へと、1から10へは違う」と感じていた彼は、創る側に立ち、16歳で親の扶養を外れ個人事業主として起業。

 現在学生の彼ではあるが通学に使えるアプリ「SFCBUS.com」を作成したり、3月11日に栃木県で被災した際に咄嗟の判断で「prayforjapan.jp」を立ち上げるなどの脚光を浴びている。そういった活動とは別に、以前から第2の起業準備を進めていた彼は、日本のITスタートアップ界で知らぬもののいないカリスマ西川潔氏に見とめられ「Labit」を立ち上げることとなった。

Labitの名前の由来は「Labit(Lab+bit)」。名前のとおり色々なことを実験しながら、世界にチャレンジしていきたいと思っています。まず、iPhone上で、大学の時間割やスケジュールを友だちと共有できる学生向けのソーシャルネットワーキングアプリを近日中にリリースします

こういったアプリやサービスは、毎月リリースしていく考えで、もうすでに次リリースする予定のWebサービスの設計と開発にとりかかっています(鶴田氏)

 既に競合がいる分野にも果敢に挑戦するのが鶴田氏の姿勢。「でもまだ決定打が出ていない分野でもあると思っています」と切り返す。それぞれのアプリやサービスに一貫性がないように見える点も「半年ほどは、まだ事業領域を絞らず、色々とやりながら成功した事例を残していくような体制を取ろうと思っています」と説明。このスタイルこそが鶴田氏のパワーの源泉といえるが、このようなスタイルの起業を支援できるのは投資家・西川潔氏の力量というか、奇跡的なコラボといえるのかもしれない。

 とはいえ「Labitが手がけるサービスは、設計思想やコンセプトが繋がっている部分が多い
いです」と鶴田氏は話す。

現時点で作る予定のものは、ほとんどが人と人とを繋ぐサービスになっています。一方で「ひとりで使っていても便利である」という視点を大事にしています。

 ソーシャルグラフと個における利便性。意図してか、到来するソーシャルメディア趨勢期に不可欠な要素をしっかり抑えていることには感心する。彼の熱意は着実に何かを変えようとしているような気がしてならない。

【参考URL】
●株式会社Labit
http://www.labit.co.jp/

蛇足:僕はこう思ったッス
初めて鶴田氏に会ったのは偶然だった。ネットエイジのオフィスにいる時、西川潔氏に「この後、おもしろいヤツがくる」と強く勧められて残ったからだった。鶴田氏が部屋に入ってから、部屋の空気が変化した。彼のエピソード、優しい表情から想像もできない熱意。そして0から1を創ろうとする意欲。「日本のザッカーバーグ」としたのは容姿からだけではない。学校という混沌とするも多様な人間がひしめきあう“世界”で、ソーシャルグラフと利便性にフォーカスし、誰よりも早いスピードで良質なサービスを誕生させる手腕は、本当に日本から世界を変えるだけの求心力を持つのではないかと感じたからだ。
(追記) 彼から「ザッカーバーグとの比較はやめて~」というメールを頂き、いろいろと考えた。彼は別に今やっていることで世界に出るとかいってないし、ライバル視もしていない。今一番ホットな学生出身起業家であるザッカーバーグを、僕が勝手に彷彿としただけ。ただ、彼みたいな繊細な感覚を持った人は、もうちょっと突出してもらってもいいんじゃないかと感じてる。

著者プロフィール:TechWave副編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
 コードも書けるジャーナリスト。イベントオーガナイザー・DJ・作詞家。8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代は週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーでベンチャー起業に参画。帰国後、ネットエイジで複数のスタートアップに関与。フリーで関心空間、富裕層SNSのnileport、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。“IT業界なら地方で成功すべき”という信念で宇都宮市から子育てしながら全国・世界で活動中。 / ソーシャルアプリ部主宰。大手携帯キャリア公式ニュースポータルサイト編集デスク。
メール maskin(at)metamix.com | 書籍情報・詳しいプロフィールはこちら


モバイルバージョンを終了