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許 直人(旧姓:岡村)
世の中で、「Facebookをビジネスに活用する!」と言った場合、それが「Facebookページの開設と運用」を指しているケースは少なくありません。間違いではないのですが、それだけで全てではないと思います。Facebookページを開設し、運用する以外の観点とはどのようなものがあるのでしょうか。
4つの施策エリア
機能的な観点から見ると、Facebookの施策エリアは大きく以下の4つに分類されます。
Facebookページ(以下、FBページ)
いわゆるファンページです。Facebookはオウンドメディア・ペイドメディア・アーンドメディア(用語説明は記事最下部)3つの要素を兼ね備えたプラットフォームですが、FBページは自社で管理・運用できるためオウンド要素の強い施策になります。(Facebook自体はソーシャルメディア、アーンドメディアだと言われていると思います。多分。)
Facebook Ads(Facebook広告)
Facebookが持つ機能の中ではペイド要素の強い施策エリアです。セルフアドとは、広告主が代理店などの仲介業者を挟まず、直接出向できるインターネット広告を指します。Facebookには数百万円以上から出稿できるプレミアム広告もあるのですがそれとは別物です。
Social Plugins(ソーシャルプラグイン)
Facebook外のサイトが、Facebookのソーシャルグラフや各種データを簡単に使えるようJavaScriptでウィジェット化したものです。Facebook側で簡単な登録作業が必要になるケースがありますが、基本的にはコードを貼り付けるだけで自社サイトでFacebookの機能が利用できます(処理はFacebookのサーバ内で行われるため、自社のリソースは不要ですが、逆に自由に扱うこともできません)。※Social Pluginsのより詳細な記事(2010年4月)
Graph API(Facebookアプリを支える要素)
Graph APIはFacebookのソーシャルグラフやデータを、外部サイトでも扱えるようにする仕組みです。ソーシャルプラグインもこのGraph APIをJavaScriptでラップすることによって実装されています(XFBMLのように表現されることもあります)。利用するにはFacebookに開発者登録が必要です。※Graph APIのより詳細な記事(2010年4月)
必ずしもこれら全ての要素を使う必要はありませんが、うまく組み合わせることでFacebookが持つポテンシャルを最大限に引き出すことができます。
各施策エリアの特徴
それぞれの要素の特徴を以下の表にまとめました。
細かい部分は色々ありますが、施策検討の際に理解しておきたいのが赤線で囲った部分、「必要な知識」です。Facebookの機能は多く多岐に渡るため、施策を検討する際には担当者が自分の得意な領域でのみ設計を進めてしまう傾向があります。コミュニティ運営者であれば「Facebookページの作成と運用」、エンジニアであれば「Facebookアプリ(Graph API)と自社システムを組み合わせてどんなことができるのか」と言った具合です。施策を検討するリーダーは、Facebook活用にこのような複数の分野があることを理解し、組み合わせを意識し、必要な人材・リソースの調達、予算の確保などを行った上でビジネスのゴールに繋げるための道筋を見出さなければなりません。
それぞれの領域については、それぞれ別のエントリで説明させていただきたいと思います。
少し宣伝(大阪でセミナーやります)
これまで私も様々な場所で講演、セミナー等開催させていただきましたが、市場のニーズを鑑みると「Facebookビジネス活用とはそもそもどんなことか」という点で悩んでおられる方が多いようで、どうしても一番わかりやすい「Facebookページ開設」を詳しく説明する必要がありました。ただ、参加者の中には既にFacebookページを運営していらっしゃる方などもおり、そういった方には物足りない内容だったのではないかと思います。
そこで、Facebookページの開設よりもう少し深い部分を知りたい方を対象として、この度大阪でセミナーを開催することになりました。
実戦向けFacebookページ構築・運用セミナー 2011年6月24日(金)
■昼の部 14:00開場~17:00まで
■夜の部 18:30開場~21:00まで
「岡村直人氏来たる!」とか超恥ずかしいんですが、それはおいといて内容はこんな感じです。
前半「ソーシャルメディアに取り組む意義のおさらい」
- ソーシャルメディアに取り組む理由
- 情報伝達を支配するルールとアルゴリズム
- ソーシャルメディアが持つ2つの側面
・短期施策・長期施策、それぞれの目的と測定指標の違い- 戦略のアウトライン
- Facebook上コミュニケーション基礎の基礎
後半「1歩進んだFacebook利用」
- Facebook Page
・効果的なコンテンツ配信のポイント
・Facebookインサイトで見るべき指標- Social Plugins
・Open Graph Protocol対応で効果アップ
・動作確認(URL Linter)と効果測定(ウェブサイトのインサイト)- Facebook アプリ
・ゲームだけじゃない、Facebookアプリ
・どんなジャンルが多いのか
・領域の話(ドメイン内・ドメイン外、PC・モバイル)
・SDKの種類と実装領域
・FQL、FBML、Graph APIの用語説明- Facebook Ads
・種類と特徴
・管理画面のざっくりとした紹介
※講演内容は若干変更となる可能性もございます。ご了承ください。
一応目次を公開していますが、これまでのセミナーの経験から、参加される方の属性によって知りたい内容・聞きたい内容に大きくバラつきがあることが分かってきました。前述ように施策エリアがまちまちなので、参加者の方々が知りたいポイントがそもそも複数あるのです(実装面について知りたい方、広告も含めたマーケ寄りの内容に興味がある方、部門長を務めていてリスクや運用について知りたい方、など)。
そこで、今回のセミナーでは200ページを超えるどでかい資料を作り、参加者の方の興味関心を聞きながらその場で内容をアレンジする、という方法を取ってみたいと思います。200ページのスライドにはFacebookページ構築の基礎的な部分から30を超える事例、APIの話など盛り込めるだけ盛り込みました。参加者の方が知っている情報ばかりであれば前半の説明は半分でいいかもしれません。
それと、運用の裏側についてご興味のある方も多いとは思いますが、基本的に守秘義務契約があるため顧客の運用状況やそのサマリを公開することはできません(ただ、お問い合わせの多いFacebookインサイトの実績値と、Facebook Adsの運用実績・傾向は資料に少し入れました)。ただ、守秘義務に抵触しない範囲で、口頭で何かお伝えできる部分はあるかと思いますので、色々聞いていただければと思います。
また、ループスではソーシャルメディアに関する様々な講演、勉強会等を行なっております。お気軽に naoto@looops.net 、もしくは 090-3960-2770 までお問い合わせください。
原典は多分Forresterだと思います。
ペイドメディア(Paid media)
広告を買うメディア。マス媒体の広告枠のほか、アフィリエイト広告や検索連動型広告なども。伝統的な広告宣伝活動の手法。
アーンドメディア(Earned media)
評判を獲得するメディア。ソーシャルメディアを使った口コミの拡散など。報道によるパブリシティと同様の機能で、企業の広報活動の領域に近い。
オウンドメディア(Owned media)
企業が自社で所有するメディア。企業が運営する自社サイトを中心に、店頭・SPツール・営業担当者自身も該当する。営業・販促の領域に近い。
日本でも一般的になってきているこの考え方は、実態をうまく説明できないのではないかと思っています。システム屋的な発想ですが、メディアというオブジェクト(モノ)とプロパティ(性質)を1対1で紐付けて分類する必要性を感じません。「class Media implements Paid,Owned」みたいな方がしっくり来ます。そのため、本エントリでは「オウンド要素」とか、「ペイド要素」などといった特殊な使い方をしています。メディアとは分離されているため、「オウンド要素を持ったソーシャルメディア」のような書き方も可能です。
株式会社ループス・コミュニケーションズ開発部部長
「失敗は成功のもと」を信じて自分の失敗体験や恐怖体験、そこから学んだ事などを書いていきたいと思います。まだまだ未熟ものですが、少しでも皆さまのお役に立てれば幸甚です。
Twitterアカウント looops_naoto
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