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米Facebookは7月6日(日本時間の7日午前2時)にFacebook本社でメディアイベントを開催する。Googleが独自SNSのGoogle+(グーグルプラス)を発表したのを受け、FacebookのCEOのMark Zuckerberg氏が6月29日に記者団に向かって「(Facebookも1週間以内に)something awesome(すげえこと)を発表する」と語ったとされるが、その言葉通り発表が行われるようだ。確かにこれまでの発表に比べPR会社からの連絡も丁寧で、今回の発表がこれまでにない大きな発表である可能性がありそうだ。
米国での報道やブログ、これまでのうわさを総合すると、可能性のある発表としては(1)Facebookフォン(2)Appleとの提携(3)写真アプリ(4)iPadアプリ(5)Skype機能の搭載、などが挙げられる。
ロイター通信によると、発表されるサービスは約40人で構成される同社のシアトルの開発チームが担当したという。
米TechCrunchのMichael Arrington氏が消息筋の情報として伝えたところによると、今回の発表はSkypeの技術を搭載したビデオチャット機能の発表になるという。
米国の報道関係者に送付されたメディアイベントへの招待状にはメッセージに関係ありそうな絵が書かれている。
また日本のPR代理店から日本の報道関係者に送ったメールのタイトルには「主要機能アップデートについての記者発表」と書かれている。
「主要機能アップデートについての記者発表」とあるので、アプリやスマートフォンなどの新製品の発表ではない。招待状の絵を見ても、やはりSkypeのビデオチャットの線が濃厚になってくる。
Google+にあってFacebookにない最大の機能はビデオチャット。Google+が注目を集める中でZuckerberg氏は「ビデオチャットならFacebookだってすぐに搭載するんだから」という思いで、つい「すげえ発表があるんだ」と漏らしてしまったのかもしれない。
Facebookにビデオチャットが搭載される。まあ「ビデオチャットがFacebookにあればいいんだけど」と何度か思ったことがあるので、いい話だとは思う。
でも重要なことはそこじゃない。ビデオチャット機能が搭載されることじゃなく、だれと組むのかということ。
もちろんSkypeと組むということなんだけど、Skypeの後ろにはMicrosoftがいる。5月にMicrosoftがSkypeを破格の85億ドルで買収した際に、どうしてそこまで高額を支払うんだ、って議論になったんだけど、そのときには既にFacebook、Skype連携のシナリオができていたのかもしれない。Facebook7億5000万人のユーザーがSkypeユーザーとなりMicrosoftの人気ゲーム機対応デバイスKinectに接続されたテレビにつながる。世界のパソコンとお茶の間がつながるわけだ。このシナリオのためなら85億ドルって決して高くないんじゃないか。
Skypeのビデオチャット技術とGoogleのビデオチャット技術の違いは、Skypeは中央にサーバーを必要としないピア・ツー・ピア型ということ。演算処理はユーザーのパソコンが行う。コストパホーマンスよくビデオチャットの仕組みが構築できるというメリットがある一方、会話する人数が10人以上になるとパソコンの処理能力を超えるので通話に遅れが生じるようになる。一方でGoogle技術の方は、中央サーバー群を巨大にすれば何人の会話でも技術的には対応可能。サーバーコストという資金競争になれば、そこはやはりGoogleが有利。そこでFacebookは、IT業界のもう一方の巨人Microsoftと組むことにしたのではないだろうか。
もし今回の発表がSkypeとの提携であるのなら、Facebook、Microsoft連合がさらに強固なものになることを意味する「すげえ発表」だと思う。