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勢い止まらないGoogle+、背景にFacebook疲れ?【湯川】

[読了時間:4分]

 Googleが新しくリリースしたGoogle+が絶好調だ。ユーザー数が「驚異的な伸び」を示しており、「450万人を既に超えたもよう」、「史上最速で1億人を超えるのではないか」という推測まで飛び出した。絶好調の理由として、使い勝手のよさを挙げる人が多いが、背景にFacebook疲れがあるという見方もある。

 Ancestry.comの創業者のPaul Allen氏(Microsoftの共同創業者のPaul Allen氏とは同姓同名の別人)の推計によると、Google+のユーザー数は「脅威的な成長」を続けているという。同氏は特定の姓のユーザー登録数と米国の国勢調査の結果をベースにユーザー数を推計しており、それによるとユーザー数は450万人を既に超えたもよう。米国外のユーザー数は考慮されていないなど完璧な数字ではないと断ったうえで、「驚異的な成長を続けている」としている。この推計は、幾つかの米メディアで取り上げられるなど大きな話題になっている。

 また著名投資家のBill Gross氏は「サービスはすばらしく」、またユーザーの要望に対するGoogle+のチームの対応も速い、と絶賛、このペースでいくと「史上最速でユーザー数が1億人を超えるだろう」と予測している


 確かにGoogle+チームの動きは速いようで、チームメンバーのVic Gundotra氏は、同氏のGoogle+のページに「たくさんの批判をいただいた。われわれはこれらに耳を傾け、対応を始めています。今週中にも幾つか修正します」と書いている。

gmailとの融合も

 米TechCrunchによると、Googleは人気メールサービスgmailとGoogle+を融合させる考えのようで、融合に向けた数件の開発案件に既に取り組んでいるという。またGoogle+のグループチャット機能を使ってユーザーからの意見を組み上げる考えのようだ。

 Googleのgmailエンジニアリング・マネジャーのMark Striebeck氏は次のような質問をユーザーに投げかけている。

人間関係のリセット

 マサチューセッツ工科大学のブログ「technology review」は、Google+の人気の理由をFacebookに疲れたユーザーが人間関係をリセットできることが最大の魅力であると分析している。

 Facebookに限らず、同じSNSを長年使っているとユーザーの人間関係の変化に伴ってSNS内の人間関係が必ずしも現状の人間関係を忠実に反映してものではなくなってくる。

 大学卒業後まったく会わなくなった友人や、前の会社の同僚が流す情報など、興味のない情報でページが埋め尽くされるようになる。とはいえ友人関係を解除するのも気がひける。そうなるとSNS利用が楽しくなるなる、というわけだ。

 そこでFacebookに疲れたユーザーが、現状の人間関係を忠実に反映した空間を再構築する目的でGoogle+を利用するケースが多いのではないか、とtechnology reviewは分析している。

 またGoogle+では、友達申請をする、友達関係を解除する、というコンセプトはなく、自分で自分の友達を「サークル」に加えるという形を取る。サークルに加えたり、サークルから外しても、そのことが先方のユーザーには公開されないという基本的な設計も、SNSの人間関係を常にリアルな人間関係を忠実に反映したものに保つことができる要因になっているという。

蛇足:オレはこう思う

ユーザーにとって心地良い人間関係の空間作りをテクノロジーでどのように支援するのか、ということが今後のソーシャルメディアの課題だとは以前からよく言われていること。

僕ならメッセージやメールに対する返信する頻度や、返信メッセージの長さ、返信までにかかる時間などを考慮して、だれが僕にとって重要な人物なのかをシステム側が自動的に決めてくれるようになれば楽でいい、と思う。

あまりやり取りしない人が自然とサークルから消滅するという形ならありがたい。

ただあまりやり取りしない人の中にも、自分にとって重要な人がいる。情報が一切取れなくなっては困る人がいる。その場合は「交流がしばらくないので、この人は数日後には自然に削除されます」というアラートが表示され「キープしたい場合はここをクリック」みたいな形で、友人関係をキープできるようになれば、いいと思う。

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