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新興ベンチャーキャピタルのサムライ・インキュベートは、米シリコンバレーで「第1回Samurai Venture Summit in Silicon Valley」を開催した。会場となったSheraton Palo Altoホテルには日本人関係者など60人以上が詰めかけたほか、日本から17組のベンチャー企業がプレゼンテーションコンテストに参加、11人の地元投資家のジャッジの前で英語でのプレゼンテーションを披露した。
今回の記事では、プレゼンコンテスト自体もさることながら、その後の「日本のベンチャーが海外で資金を集めるには」と題する特別セッションが、非常に興味深かったので紹介したい。
この特別セッションでは11人のジャッジがまず順番に感想を述べた。最初に立った個人投資家のRichard Chen氏が「日本からわざわざシリコンバレーにまできて、慣れない英語でプレゼンテーションをしたことに対して心からの敬意を表したい」とまずはプレゼンターの労をねぎらったが、ほかの投資家からは「言っていることが分からなかった」「意味不明で途中で興味を失った」などという厳しい意見も出た。希望する出資金額を述べたプレゼンターに対しては「そんなに簡単にお金を貸す投資家などいない」とピシャリ。
日本のベンチャー企業にアドバイスを与える投資家のRichard Chen氏
とはいうものの非常に親身なアドバイスも多く出た。「やはり信頼が第一。CEOの人物像が分かるようなエピソードを交えて経歴を説明すべき」「どういう人とコネクションがあるのか、だれがバックアップしているのか、などの情報が必要」「地元で人脈を作るために2,3カ月は、Co-Working Spaceで働いたり、インキュベーターやアクセラレーターに世話になってはどうか」「アメリカの消費者向けのプロダクトなら、3カ月かけてアメリカ国内を周り、アメリカの消費者を理解すべき」などという意見が出た。
またプレゼンテーションの組み立て方に関しては、「恐らく日本とアメリカで効果的なプレゼンテーションの仕方は微妙に異なるはず。ネイティブスピーカーやシリコンバレーに詳しい人にプレゼンテーションを作り直してもらうべきだ」という意見があった。訪問するベンチャーキャピタルに関しては「シリコンバレーには何百というベンチャーキャピタルが存在する。社によって得意とする業界、技術領域、地理、ベンチャーの成長過程などが異なる。日本やアジアのベンチャーに興味のあるベンチャーキャピタルがどこなのか、今の自分の会社の成長過程を支援するのが最も得意なベンチャーキャピタルはどこなのか。十分下調べをしてから訪問しないと、まったく相手にされないだろう」と指摘された。。
希望する金額に関しては「1万ドル程度が必要なら、個人投資家に頼らずに、家族、友人にお金を貸してもらえ。10万ドルの出資が欲しいのなら製品をローンチしてからにしろ。50万ドル欲しいのなら売り上げを上げてからにしろ」という指摘があった。
プレゼンテーションコンテストでは、グランドプライズをデンノー株式会社が獲得。実現可能性部門では株式会社LisBが、プレゼンテーション部門では株式会社NAが、ブレークスルー部門は株式会社一人企業(Individual Company Inc.)がそれぞれ入賞した。
グランドプライズに選ばれたデンノー株式会社の梅田茂利さん、長山大介さんのお二人
プレゼンテーションコンテストに参加した企業は以下の通り。
①Caraquri:http://caraquri.com/
②Grow!:http://growbutton.com/
③Zawat:http://zawatt.com/
④Zkyunn entertainment:http://zkyuun.com/
⑤Miew:http://www.miew.co.jp/
⑥Johoplanet:http://en.synclogue.com/
⑦Sassor:http://www.sassor.jp/#
⑧Nagisa:http://nagisa-inc.jp/
⑨fanbook:http://www.fanbook.co.jp/english/
⑩trippece:http://trippiece.com/
⑪Stackful:http://stackful.com/
⑫appmom(ECnavi):https://market.android.com/details?id=jp.co.ecnavi.appmom
⑬Minamizato
⑭Metaps :http://www.metaps.net/
⑮Dennoo:http://www.facebook.com/l/iAQBbV7LsAQC7R1qXW25g2xvF4e8QgX1GMYBRAOPdjT9yUQ/angel.co/denno
⑯mode-Duo
⑰LisB:http://www.l-is-b.com/ja/index.html
⑱conit:http://www.conit.co.jp/index-en.html
⑲kotohaco:http://www.kotoha.co.jp/
シリコンバレー在住者に聞くと、ここ半年から1年でシリコンバレーに渡る日本のベンチャー企業が急増したのだという。今回のサムライ・ベンチャー・サミットには、来週開催の業界の大規模イベントTechCrunch Disruptへの出展に合わせて参加した人が多いようだ。
最近の若者は草食系が多いと言われるが、どうしてどうして。自分のプレゼンテーションのあとに「どうして僕には質問がなかったのか。何か問題があるからか」と食い下がるプレゼンターも。米国人ジャッジも「控え目と言われる日本文化の中にあって、あなたの積極性に敬意を表したい」と高く評価していた。
またmiepleというサービスを引っさげてシリコンバレーでデビューしたTAROとSUNNYの二人は、お金が無いので車で寝泊まりしていたら、見かねて声をかけてきたおばさんが自分の所有するモーテルに無料で宿泊させてくれたという。うーん、なかなかの猛者だなあ。
miepleのsunnyさん