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オフィスのホワイトボードを止めて「Trello」を使うべき理由【増田(@maskin)真樹】


[読了時間:2分]

 過去MicrosoftでExcellチームに所属し、StackOverFlowの協同設立者でもあるJoel Spolsky氏が経営する「Fog Creek Software」は北米時間の9月13日、業務などにおけるチーム向けのコラボレーション支援ツール「Trello」をローンチした。

 Trelloを使えばチームの誰が何をしているかといった、タスク管理や進捗管理、重要次項リストなどを確認したり、諸伝達を行うといったことができる。共同作業に必須の機能を、ボード型のインターフェイスに集約することで一度にチェックすることができるようになっている。登録は無料で、ログインはGoogleアカウントからでも可能。



 ログイン後表示されるのはホワイトボードのような画面。標準で提供されるWelcomeボードが表示されるが、自分で自由にボードを追加することができる。ここに「リスト」という名前のシートを貼り付けていくのが基本的使いかた。

 リストは以下のような項目で構成されたフォルダみたいなものを考えればいいだろう。適当なタイトルを決め、その中に「カード」という情報箱を追加していく。下の例では「TechWave」というリスト名で、やるべき作業や共有すべき情報を配置している。

 カードはとても機能が豊富で、単純な情報掲示から投票、タスク管理、画像などのファイル共有などが簡単に行うことができる。ここで投稿された情報やコメントは、全て記録されるだけでなく、ボードのトップにもストリーミング通知されていく仕組みだ。

 Trelloの最大の魅力は、ドラッグ・アンド・ドップでリストやカード、そしてメンバーを直感的にオーガイナイズできる点。特定のカードに対し「あの人には必ずチェックしてもらわないと」と思ったら、そのメンバーのアイコンをドロップすればいい。組み合わせや使い方に汎用性があるため多様な業務にフィットしやすく、オブジェクト単位で情報の流れを生み出せるため、必要な情報が埋もれてしまいにくく「このメーリングリストはとにかく重要なので社員全員みるように!」などという無茶なことをせず、スマートに共同作業をすることができる。

 プロジェクト単位の業務は、日々沢山のタスクや雑務との戦いともいえる。ホワイトボードにメモしたり、付箋紙を貼り付けるなどで情報共有をしようとしている人も多いと思うが、結局、外出先から事務所に電話して「あれってどうなってるんだっけ?」と聞くような無駄も多い。社内メーリングリストやSNS、掲示板、それ以外の情報共有ツールも多数あると思うが、面倒過ぎたりしっくり使いこなせない人もこのメタファー&優秀なUI/UXの上なら有効活用できるかもしれない。

【関連URL】
・Trello | Organize anything,together
http://trello.com/
・Announcing Trello – Joel on Software
http://www.joelonsoftware.com/items/2011/09/13.html
・Fog Creek Software
http://www.fogcreek.com/

蛇足:僕はこう思ったッス
情報共有を「会社が伝えたい情報を社員全員に強制的に読ませる」と勘違いしている人が少なからずいる。共同作業に役立つ情報共有は、人と人、タスクとチームの関係が柔軟であるべきだが、意外とそれがなかったように思える。結局、“社内の情報番”みたいな役割の人が出てきちゃったりするわけだが、それなら社員全員が情報番長”になるべきだと僕は思う。(お詫び:なぜかTrelloの「ll」が抜けてしまっていました)

著者プロフィール:TechWave副編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
 コードも書けるジャーナリスト。イベントオーガナイザー・DJ・作詞家。8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代は週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーでベンチャー起業に参画。帰国後、ネットエイジで複数のスタートアップに関与。フリーで関心空間、富裕層SNSのnileport、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。“IT業界なら地方で成功すべき”という信念で宇都宮市から子育てしながら全国・世界で活動中。 / ソーシャルアプリ部主宰。大手携帯キャリア公式ニュースポータルサイト編集デスク。
メール maskin(at)metamix.com | 書籍情報・詳しいプロフィールはこちら


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