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米Googleは、Google版おサイフケータイとも呼ぶべきAndroidスマートフォンの新機能「Google Wallet」が米国の一部店舗で利用可能になったと発表した。日本の消費者にとっては珍しくない機能だし、今のところ同機能を搭載しているのは米通信キャリアSprint Nextelと契約しているSamsung製の端末「Nexus S 4G」だけ。ただGoogleにモバイル決済を独占させてはなるものかと世界中の大手金融やIT企業がこの領域に一斉に参入する構えを見せており、激しい競争の結果、モバイル決済領域のイノベーションが一気に加速、その結果、日本にも大きな影響を与える可能性がある。
Googleの公式ページによると、タッチするだけで支払いが可能になるリーダーを設置する企業には、飲料大手のCocaCola Company、靴のFoot Locker、薬品・雑貨小売チェーンのCVS、コーヒーのPeets、電子機器小売店チェーンのRadioShackなど。支払いに加えクーポンなども利用できるリーダーを設置する企業にはToysRus、OfficeMax、JambaJuiceなどが名乗りを上げている。今後は大手デパートのMacy’sやbloomingdalesなども参加するという。
Google WalletはAndroidスマートフォン向けのアプリで、決済方法はローンチ時にはCitiのMastercardが搭載されているが、Visa、American Expressなどのクレジットカードも技術仕様を公開していることから次期以降のバージョンのGoogle Walletには搭載されるという。またギフトカードと呼ばれるプリペイドカードも搭載されるという。このアプリは決済だけではなく、リーダー端末を装備している店舗や、現在地周辺のクーポン発行店舗の情報なども検索できるもようだ。
Mastercardは、リーダーにかざすだけで決済が完了するマイクロチップ搭載のPaypassカードと呼ばれるタイプのクレジットカードと、Paypassリーダー端末を既に全米で展開しており、Google WalletはこのPaypassの技術仕様に準拠することでMastercardのPaypass対応店舗での決済が可能になるという。
このところIT業界内では「Googleの時代が終わり、次はFacebookの時代になった」という論調が中心になってきているが、とはいうもののGoogleってやっぱりすごいと思う。モバイル端末のOSというプラットフォームを抑えたことがよかったんだろうと思う。前CEOのEric Schmidさんは以前、「モバイルが大事なことは分かるけど、Androidってお金にならないし、どうなっていくかよく分からないんだ」というようなことを言ってたけど、プラットフォームを押さえればビジネスモデルなんて周辺にいくらでも現れるという好例だと思う。
日本のおサイフケータイは、各チェーン店やブランドが自分たちのアプリを作っているけど、Google Walletはそれ自体がアプリで、クレジットカードやチェーン店やブランドがそれに搭載されるという形。それでGoogle Wallet自体は、「foursquare」や「Where」のような位置情報系アプリに進化していくような感じだ。Google Mapという音声入力で操作できる機能とも連携していくだろうし、位置情報系アプリの覇権を握るかもしれない。