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国内スマホゲーム市場規模、2015年には2,550億円と予想【シード・プランニング金貞民】

[読了時間:3分]

シード・プランニングの金貞民(キムジョンミン)さんより、拡大する国内のスマホゲーム市場に関する調査レポートから、そのエッセンスを寄稿して頂きました。(本田)

金 貞民

 こんにちは。市場調査会社シード・プランニングの金貞民(キムジョンミン)と申します。今回、「スマートフォンゲーム市場動向分析調査」という調査レポートをまとめました。非常におもしろい調査結果になりましたので、その要点だけ解説させて下さい。

 近年、スマートフォン端末の急速な普及にあわせて、その上で展開されるゲーム市場が拡大を始めています。業界の皆さんの注目が集まっているこの市場について、弊社では国内関連事業者12社および海外(韓国)事業者2社へのヒアリング取材を実施しました。さらに、スマートフォンゲームユーザー500名へのアンケート調査を実施、ユーザーのスマートフォンゲーム利用実態を徹底解剖しました。

 このような調査分析を元に、2015年までのスマートフォンゲーム市場規模を以下のように展望しました。

2010年の国内スマートフォンゲーム市場は85億円と推計。
2015年には2010年の30倍の2,550億円と予想。

 また、ユーザーアンケート調査結果から、皆さんのご関心が最も高いと思われる要点を以下のようにまとめて見ました。

 スマートフォン端末が普及していくことにより、フィーチャーフォン向けゲーム市場や既存のゲーム市場(主にコンソールゲーム)にどのような影響を与えるのかが最も気になるところだと思います。

 まず、フィーチャーフォンゲーム市場への影響の側面から見てみます。端末市場動向を見ますと、ほぼ確実にフィーチャーフォンからスマートフォンへ端末市場がシフトしていくとの予測が出ている中、スマートフォンを購入したユーザー(買替えユーザー/2台持ち)に対し、スマートフォンを購入して後、ゲームの利用時間がどのように変わったのかを聞きました。

 2台持ちユーザーは「スマホのみでゲームを利用」が63.5%、また、両方でゲームを利用するユーザーの中でも「スマートフォンでより長い時間ゲームをする」が63.6%の結果となりました。買替えユーザーの場合は、フィーチャーフォンを使っていた頃は(携帯電話端末で)ゲームをしなかったが「スマートフォンに買い替えてから、初めてゲームをするようになった」が32.8%もいました。

 この結果から、スマートフォンゲーム市場は、これまで携帯電話端末でゲームを利用していなかったユーザーまで吸収していることが分かります。また、2台持ちユーザーのゲーム利用実態からみると、スマートフォンゲーム利用により長い時間を割いていることも分かります。

 つまり、スマートフォンゲームの普及は、ユーザーの流出の面で、既存のフィーチャーフォンゲーム市場に影響を与えていることが分かります。

 課金率についてのアンケート結果では、「スマートフォン利用歴が長いほど課金率が高い」結果となりました。つまり、最初は無料ゲームで楽しむが、時間が経過するにつれ徐々に課金するようになる傾向があると解釈できます。

 次に、スマートフォンゲームの普及による既存のゲーム市場への影響について、アンケート結果を説明します。

 スマートフォン購入後、ゲーム機でのゲーム利用時間について、「ゲーム機でゲームを利用する時間が減った」29.1%、「ゲーム機ではゲームをやらなくなった」14.5%で、43.6%のユーザーはスマートフォンを購入してから、ゲーム機利用が減少しています。つまり、スマートフォンゲームの普及は、既存のコンソールゲーム市場に影響を与えていることがわかります。

 以下からは、上記の話に関連するアンケート結果データです。

【買替えユーザー】スマホにしてからゲームをするようになった32.8%

【2台持ちユーザー】スマホのみでゲーム利用、あるいはより長い時間スマホでゲーム利用

【ゲーム機ユーザー】スマートフォンを購入してからゲーム機利用が減少

【スマホゲームの課金率】18%の課金率。また、スマホ利用歴が長いほど課金率も高い。

 スマートフォンでゲームをするユーザーの中で、約5人に一人はゲームに対価を支払っていることがわかました。また、スマートフォンの利用歴と課金率を見ると、利用歴が長いほど課金率が高い結果となりました。

 つまり、最初は無料ゲームで楽しむが、時間が経過するにつれ徐々に課金するようになる傾向があると解釈できます。

 本レポート「スマートフォンゲーム市場動向分析調査」の詳しい内容を知りたい方、レポートのご購入を希望される方は、以下のURLでご確認できます。
http://www.seedplanning.co.jp/report/03588.html
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著者プロフィール:金 貞民(キム ジョンミン)

株式会社 シード・プランニング 研究員
2006年東国大学(韓国ソウル)文学部日本語日本文学科卒業。
日本でテレビ局、ネット視聴率調査会社勤務後、2010年5月株式会社シード・プランニングに入社。
研究テーマはゲームを中心とするデジタルコンテンツ市場領域。
現在の関心は、スマートフォンなどの新しいディバイスにおけるコンテンツビジネス。

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