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地元大好きブログメディア「ロケタッチ新聞」β版スタート モバイルアプリと連携し現在地周辺のローカル情報配信【湯川】

[読了時間:2分]
 「全国ニュースはすぐ読めるのに、身近なニュースは意外と見つからない」-。そんな声に応えるため株式会社ライブドアは、全国のローカル情報を扱うブログを集めたブログメディア「ロケタッチ新聞」のβ版をスタートした。正式スタートは11月21日で、最終的は全国47都道府県や生活圏ごとのローカル情報を扱う統合情報サイトを目指す。また同社の位置情報系の人気モバイルアプリ「ロケタッチ」と連携、自分の現在地に関連するニュースがロケタッチのタイムラインに流れるようにもするという。

 ロケタッチ新聞のプロジェクトマネージャーを務める同社の佐々木大輔氏は、米国の先行事例を研究した結果、米国のローカル情報ポータルのPatch.comでは人口10万人程度を1つの生活圏と認識してローカル情報をまとめていることが分かった。これを参考に、ロケタッチでも47都道府県の「新聞」を創刊したあとは、大都市を幾つかの生活圏に細分化することを検討しているという。

 また位置情報系アプリとの連携の先行事例としては、米国の人気アプリ「foursquare」が地方新聞社と連携、現在地周辺のニュースを受信できるというサービスを展開している。ただ日本の場合、新聞社などの報道機関からのローカル情報で、位置情報系アプリ向けに利用できるものが意外に少ないことが判明。そこで代わりに地元の情報ブログを束ねることを思いついたという。


 ライブドアではこれまで日本のブログの活性化を目指し、ブログ奨学金ブログメディア新人賞などのプロジェクトを推進してきた。その結果「全国ネタにはならないかもしれないけど、地元情報としては非常におもしろい情報を扱っているブログが山のようにあることが分かった」(佐々木氏)と言う。今回そうしたブログに声をかけ、各地の情報を増やしていく考え。β版は、まず秋田、新潟、東京、長野、沖縄からスタート。正式版スタートまでに他県のブログも集めていきたいという。1県当たり5から10のブログの情報を集める計画。

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 最後にロケタッチ新聞創刊の際の宣言文がすばらしいので、ここでも紹介したい。

全国のみんなにとってはどうでもいいかもしれない。だけど自分と自分の身の回りにとってはとても大事な出来事があります。それらを集め、そのニュースを待ちわびている人に届けるのが「ロケタッチ新聞」です。

ロケタッチ新聞では、ブログやTwitterなどの個人メディアから、その人ならではのニュースを集めます。そこに、位置コミュニケーションサービス「ロケタッチ」に集まった場所やイベントに関するみんなの声を加えて、他では読めない「ジモトで話題の誰得ニュース」をお届けします。

遠くの世界の出来事ではなく、身近な出来事から大切にしていきたい。大好きなジモトを盛り上げたい。
そういう希望をもった人たちといつも共にあるメディアを、ロケタッチ新聞は目指します。

蛇足:オレはこう思う

 われわれが普段重要なニュースとみなしている情報は、本当に重要なニュースなんだろうか。日本の権力者層にとっての重要情報を、国民みんなの重要情報と決めつけてはいないだろうか。「いや永田町や霞が関で起こっていることは間接的であっても国民に影響を与えるのだから知っておくべきだ」と言う人がいるが、くだらない政権争いの詳細まで知る必要があるのだろうか。一方で国民生活に影響を与えるような海外の情報で報道されないものは山のようにあるというのに。

 永田町の細かな情報が無意味だとは言わないが、もっと一人ひとりにとって重要な情報をコンパクトにまとめて表示してくれるサービスがあってもいいんじゃないだろうか。幕の内弁当的なニュースではなく、自分にとっての大きなニュースが配信される仕組みがあっていいのではないだろうか。

 ただそうした細かなニーズに答えるには、まずよりニッチな情報が数多く必要になる。現状の報道機関の高コスト体制で、これ以上細分化された情報をより多く集めることは困難だろう。新聞の購読者数、広告収入の減少傾向を考えれば、今後さらに困難になっていくだろう。

 そこで期待されるのが低コスト体制、かつ熱意を持ったブログだ。ライブドアでは「日記以上、地方紙未満」のブログメディアを「ロケタッチ新聞」に誘っていきたいとしている。私自身も、ニュースの未来のかなりの部分はこうしたブログが担っていくことになるのだと思っている。これは断言してもいい。

 一方で、集まったニッチな情報を効率よく配信する仕組みも必要。ライブドアは今回、位置情報という切り口で情報をフィルタリングして配信する仕組みに挑戦するわけだ。果たしてこれが最適解かどうかはまだ分からないが、1つの重要な試みだと思っている。

 今回、「ロケタッチ新聞」を企画、運営するのは、わたしが主催する少人数勉強会TechWave塾の塾生OBたちだと言う。勉強会の仲間が、社会を進化させる新しい仕組み作りに挑戦してくれているのは何よりもうれしいことだ。

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