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米TechCrunchのCEOが辞任か【湯川】+訂正とお詫び

[読了時間:1分]
【訂正とお詫び】Sarah Lace氏はCEOではありませんでした。退任すると噂されているCEOはHeather Harde氏のほうです。お詫びして訂正いたします。

 米TechCrunchのCEO、Sarah Lace氏は最新のTechCrunchの記事でTechCrunch退社の意向を明らかにした。

 やはり理由は親会社であるAOLとの軋轢のようで「TechCrunchはわたしのキャリアの中で長く続けることのできる場所だと思った。その後(創業者の)Mike(Arrington氏)が会社を売却した。最初の年は思ったよりうまくいった。しかし今年の秋になって地獄がひっくり返るような大変な騒動になった」と語っている。

 「大変な騒動」とは、Arrington氏がベンチャーキャピタル事業に乗り出すことを発表し、そのことがジャーナリズムの中立性の観点からNew York Timesなどから批判を受け、結局同氏はAOLから解雇されてしまったという一連の騒動のことを指すのだろう。この騒動でArrington氏の後を追うように、Paul Carr氏、MG Siegler氏といった優秀な書き手が次々とTechCrunchを去り、Heather Harde氏も退社するのではないかとうわさされている。

【追記】CEOのHeather Harde氏の退社のうわさはForbesが報じています。

蛇足:オレはこう思う

 世界的なスタートアップブームを作ったのは紛れもなくTechCrunchである。今年僕はサンフランシスコで開催されたTechCrunchのイベントTechCrunch Disruptを取材したのだが、シリコンバレーの投資家と起業家を結びつける生態系(エコシステム)の真ん中には、メディアとしてのTechCrunchがしっかりと存在していた。

 日本のIT業界関係者にとってTechCrunchは非常に重要な情報源になっている。僕自身、起業志望の若者には「本家のTechCrunchを英語で読めとまではいわないが、少なくとも日本語版くらいはすべての記事を読め」と勧めている。TechCrunchに取り上げられる情報は、IT業界の「常識」である、とも思う。

 また新しい時代の新しいメディアの形を模索するために独立した僕にとっても、TechCrunchは時代のフロンティアであり、ロールモデルであった。

 こういう形で有力メンバーがTechCrunchを離れることは非常に残念なことだと思う。

 出資を受けるということは、出資者と創業者の対立というリスクを受け入れるということでもある。TechCrunch自体、出資を受けたばかりに創業者の思い通りに進めなくなったスタートアップを何社も報じてきたはず。どうして自分たちも同じリスクを受け入れることにしたのだろうか。

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