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米Wall Street Journal紙のブログメディア「All Things D」は関係者の話として、Facebookがスマートフォンを開発中と報じた。Facebookはこれまで長期間に渡りモバイル戦略を慎重に検討してきたが、Facebook機能を核にしたスマートフォンのメーカーとして台湾のケータイメーカーHTCを選んだという。
Facebookが、Facebook機能の搭載で端末メーカーに協力することはこれまでにもあったが,Facebook主導でスマートフォンを開発するのは今回が初めて。
基本ソフトは、Google製のオープンソースOS「Andoroid」を採用するが、かなり大幅に改良するもよう。また次世代ウェブ表記言語として注目を集める「HTML5」を核にした設計になるようで、AppleのAppStoreを通さずにアプリを販売、普及させる仕組みを構築する考えのようだ。
Wall Street Journal紙の報道が事実であれば、IT業界の主戦場がパソコンからスマートフォンへと移行する中で、FacebookはApple、Googleへの対抗姿勢を明らかにすることになる。
同紙によると、今回のスマートフォンのFacebook社内での開発コードは「Buffy」。テレビの人気番組の吸血鬼の名前から取ったものだという。Facebookは製造業者として韓国のサムスンなども検討していたが、ここにきてHTCに決めたもよう。メーカーが決まったばかりなので、発売は1年から1年後になる見通し。Buffyプロジェクトは、CTOのBret Taylor氏が責任者という。
Facebookがスマートフォンを開発しているといううわさは、これまでに何度もあった。
ただスマートフォンは、AppleやGoogleなどIT業界の有力企業が激しく衝突し合う激戦区。後発がシェアを奪うのは並大抵のことではない。そこでFacebookは、Apple、Googleなどと等距離にいい協業関係を維持しようと努力を続けてきた。
しかしAppleが、iPhone、iPadのソーシャル機能を強化するために選んだ提携相手は、FacebookではなくTwitterだった。Appleは、iPhone、iPad上の課金システムも自社のAppStoreを前に強く押し出し、Facebookの課金システムであるFacebookポイントのモバイル上での普及を困難にしている。
一方のGoogleは、ソーシャルメディア「Google+」をスタートさせるなど、Facebookとの対立の構図が明確になってきている。
Facebookは、両社との「いい関係」の維持がいよいよ困難になったと判断したのかもしれない。
電話、SNSは、ともにコミュニケーションツール。なので相性がいいのは当たり前。つまりスマートフォンのソーシャル化は当然の流れと言える。電話とSNSが1つになろうとする中で、電話側が主導権を握るのか、SNS側が主導権を握るのか。いずれ衝突する運命にあるのだと思う。
そのことは昨年9月の「Facebookがケータイを開発中=米TechCrunch【湯川】」という記事の「蛇足」の中で書いた。「断言しよう。100%間違いなく、Facebookはケータイ事業に乗り出してくる」とまで書いた。
その理由は、「Facebookがケータイを開発しなければならない理由【湯川】」という記事にまとめている。