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米Appleは2011年10ー12月期の決算を発表した。アナリストの予想を超える絶好調の決算発表となり、特にiPhoneの売り上げが好調で、アナリストの3020万台の予測に対し実際の売上台数は3704万台だった。サムスンの同時期のスマートフォンの売上台数は3500万台だったので、サムスンを抜いて世界一のスマートフォンメーカーの座に返り咲いた。(ソース:Apple Just Beat Samsung To Become The Number One Smartphone Maker On The Planet)
一方iPadは1320万台の予測に対し1540万台の売上台数を記録した。一部アナリストはAmazonの199ドルのKindle Fireに代表されるような競合タブレットの攻勢を受けiPadの売れ行きが鈍化すると予測していたが、iPadの売れ行きは引き続き順調だったようだ。(ソース:iPad demand said to be fading as competition heats up)
iOS搭載デバイスはのべ3億1500万台が売れたことになる。(ソース:Apple: 315 million cumulative iOS device sales; more than 85 million iCloud users)
(ソース:Business Insider)
売り上げは463億3000万ドル、利益は131億ドルだった。同時期のGoogleの売り上げが106億ドルだから、AppleはGoogleの売り上げ以上の利益を上げたことになる。(ソース:Apple’s Profit Was Higher Than Google’s Revenue Last Quarter)
1月19日に発表された教育関係事業に関しては、わずか5日間でiTunes Uアプリが300万ダウンロード、iBooks Autherソフトが60万ダウンロードを記録した。(ソース:Apple: 3 million iTunes U, 600,000 iBooks Author app downloads in 5 days)
またクラウド上にデータを保存するiCloudのサービスのユーザーは8500万人を超えたという。同様のサービスを提供するDropboxのユーザー数は、11月7日付の米Forbes誌の記事によると5000万人前後なので、Dropboxのユーザー数を一気に超えたことになる。(ソース:Apple: iCloud Now Has 85 Million Users、Dropbox: The Inside Story Of Tech’s Hottest Startup)
Appleの快進撃が続いている。
ハードからソフトまで1社ですべて作るというやり方と、ハードはハードメーカー、ソフトはソフトメーカーと分担するやり方。後者のやり方のほうが、いろいろなメーカーが参入できてコストパフォーマンスの優れた製品ができる、と一般的には考えられている。クローズドなアーキテクチャより、オープンなプラットフォームのほうが有利だというのが、IT業界内での支配的な意見だ。少なくともPC業界では、OSとパソコンの両方を自社で開発したAppleではなく、あらゆるパソコンメーカーにWindowsというOSの搭載を認めたMicrosoftが勝った。
なのでスマートフォンやタブレットといったスマートデバイスの領域でも、ハードとソフトを1社で担うAppleは、AndroidをあらゆるメーカーにライセンスするGoogleにいずれ敗退する、という意見がある。
ところが今のところその兆しはまったく見えてこない。
今後予測されるシナリオは二通り。
最初のシナリオ。スマートデバイスはまだ一般消費者に普及し始めたばかり。最初はブランド力のあるApple製品が好まれるが、いずれ2台目、3台目と消費者が買い換えるようになると、Androidが有利になる。
もう1つのシナリオ。パソコンは仕事のツールであり、スマートデバイスは家電。企業は仕事のツールにコストパフォーマンスを求めるが、消費者は家電に対してコストパフォーマンスよりも簡単な操作性を求める。なので今後もAppleが有利。
さてどちらの展開になるのだろうか。