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ビルコム株式会社はFacebook上にeコマースページを簡単に開設できるアプリ「ReBuy」を企業顧客向けに提供開始したと発表した。「いいね!」ボタンに加え「ほしい」「かっこいい」「めずらしい」など29個のボタンを用意して、より表現力豊かな口コミを促進するほか、Facebook上で影響力の高いユーザーを把握できるなどの特徴があるという。
発表によるとリリースと同時に、ローソンや東急ハンズなど約30社が、同アプリを導入するという。
同アプリを導入して構築したFacebookページでは、各商品ごとに29個の「いい!」ボタンが付いていて、例えば「ほしい」というボタンを押すと、そのユーザーのウォールと友人のニュースフィードに、商品の写真とリンクに加え「〇〇さんが〇〇という商品をほしいと言っています」と書き込まれることになる。また「友達に相談」というボタンを押すと、同様に「相談しています」という書き込みが友達のニュースフィードに流れ、その商品について友達の意見を集めることができるようになっている。
Facebookページはひな形が用意されており、ブログを開設するような手軽さでだれでも簡単に作成できるという。
またデータの解析ツールもついており、商品の購入履歴や推薦履歴などから影響力の高いユーザーを把握できるとしている。
一般のECサイト向けの解析ツールでもソーシャルメディア経由のアクセスの流れはある程度把握できるが、Facebook上で公開範囲を「友達」に限定された「いいね!」は一般ECサイト向け解析ツールでは把握できない。友達以外には非公開になるからだ。その点ReBuyはFacebookアプリなので、最初にデータ連携の許可を取ることで、友達しか見ることのできない「いいね!」でもデータを取ることができるという。
ビルコムでは、夏までに英語、中国語、韓国語に対応させるほか、モバイル対応も進めていきたいとしている。
Facebookは交流の場なので商品は売れない、という意見がある。僕は、そんなことはないと思う。今でもだれかが誕生日になればその人のウォールがお祝いのメッセージで埋まることがよくあるが、もし「今日は〇〇さんの誕生日です」というメッセージの下にお花やバースデーカードのECボタンがついていればどうだろう。押す人って結構多いんじゃないだろうか。
なのでソーシャルメディア上でのECって絶対に成立すると思う。
それとこうした誕生日のギフトに加え、今後はウイッシュリストのようなサービスに可能性があると思う。
ウィッシュリストってアメリカなどではデパートが仕掛けているのをよく見かけるけど、結婚のお祝いにどんなものが欲しいのかを新郎新婦がリストアップして地元のデパートなどに提出するもの。結婚して新居に引っ越すことになるわけだから新しい家具や家電製品が必要になる。それら必要なものをリストアップして地元のデパートに提出。親戚、友人たちに「〇〇デパートにウィッシュリストを出しておいたから」と伝えておくと、親戚、友人たちはそのデパートに出かけて、リストの中から自分が送るプレゼントを決める、という仕組みになっている。このリストのおかげでプレゼントが重複することがないし、確実に必要なものを贈ることができるというメリットがある。
このウイッシュリストのようなサービスってソーシャルメディア上でできないだろうか。友人たちで横の連絡を取りながらプレゼントするって形は絶対にユーザーメリットがあると思う。
つまりリアルに存在するショッピングの形を超えた新しいショッピングの形が、ソーシャルメディア上では可能になるのではないか、ということだ。リアルを超えたショッピングの形が次々と登場すれば、ソーシャルコマースの市場って結構大きいものになる気がする。そこまで行って初めてソーシャルコマースと呼べるものになるのだと思う。
もちろんReBuyはまだそこまでできるわけじゃない。現時点ではECサイトをFacebook上に構築する、という程度のことでしかない。でもここからがスタート。これから広がるソーシャルコマースのノウハウをつかむ意味でも、とりあえず実験的に参入する意義はあると思う。