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2012年3月9日、ITと音楽、映画の祭典SXSW(South by Southwest)がテキサス州オースティンで開幕した。
元々音楽イベントであったSXSWにinteractiveというITに関するジャンルが出来、2007年のTwitter、2009年はFoursquareがここからブレーク。昨年はアワードを受賞したGroupMeがSkypeに買収されるなど、SXSWは話題に事欠かない。
特定のメディア主催でないこともあり、今年も各メディアが事前に下馬評を公開し、盛り上げに一役買っているのも注目される理由の一つである。
例えば、TechCrunchによると、GlanceeとHighlightがトップ2。一方、mashableは、HightlightとPixableを一押しに上げている。GlanceeとHighlightは、Facebookアカウントに紐付き、位置情報とインタレストを利用し出会いを提供するアプリだ。
また、ここ数日、SXSWを直前にしてYobongoやLooptが買収されるというニュースが伝えられた。TechCrunchはこれを、SXSWでより魅力的な競合が浮上する前にEXITしたのは賢い選択だと評しているように、SXSWは各社の戦略において重要なポイントに位置づけられている。
日本勢の活躍にも期待
その中で、日本勢も大挙してオースティン入りしている。昨年来からTechWaveでも紹介してきた通り、頓智ドットの井口尊仁さんを中心に展開された「1000人の日本人を連れていこう」構想に乗った企業約10数社が参加している。日本企業の動向については、今後別記事で取り上げる予定だ。
そして現地時間の9日朝、うれしいニュースが届いた。Compath.meが期間中に行われるTech Cocktail主催の「SXSW Startup Celebration 2012のShowcased Startup」のファイナリストとして、アジアから唯一選出。このコンペは過去には、FoodSpottingやTango といった注目のスタートアップも出場している。
その他、日本に関係するではイベントでは、アドタイのコラムで有名な佐々木康晴氏がモデレーターを務めるパネルディスカッション「The Frontline Report of Japanese Interactive Arts」(現地時間12日午前)が行われる。モバイル先進国日本におけるインタラクティブアートの展開や受容、そのマーケティング的な可能性について、数々の国際的な賞を受賞したパネリストによって議論される予定。
それは、全米、あるいは世界中からIT系の新しもの好きが結集する場所で、情報がカオスになっているからだ。これは意図的でさえある気がする。
公式サイトには多過ぎるほどのパネル(トークセッションやディスカッション)が掲載され、分厚いカタログも配られるが、誰も全てを読まない。また、会期中に突然発表になるものもある。(例:Sean Parker Interviewed by Al Gore on Monday, March 12)また、期間中は街全体がSXSW一色に染まり、ライブハウスを中心に夜は非公式イベントも同時多発的に行われる。しかし、それらを一元的に把握出来るメディアは存在せず、食事一つとっても確固たる情報は見つからない。
この凝縮された渇望感は、情報入手・共有サービスの真価を発揮するには最高のショーケースとなる。どこで面白いイベントが開催され、面白い人達は集まっているか。それはTwitterでは、それ自身のもつリアルタイム性やハッシュタグ、4sqではチェックインやTipsという仕組みが解決の糸口を提供し、近年は、ソーシャルグラフとインタレストグラフ(FacebookでLike!したページの一致度合いから、関連性を判定するなど)から、ユーザーにより精度の高い情報を入手させる。
SXSWはまるで実験室のような特殊な状況であることは間違いないが、ここで先進ユーザーの評価を勝ち得、スタートアップは次のステップへと進んでいく。
写真家、広義の編集者。TechWave副編集長
その髪型から「オカッパ」と呼ばれています。
技術やビジネスよりも人に興味があります。サービスやプロダクトを作った人は、その動機や思いを聞かせて下さい。取材時は結構しっかりと写真を撮ります。
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