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リリース翌日に取材を行ったが、「こんなのを自分で作りたかったんだ」という反響が届いたり、また取材の合間にも、彼らが所属するOpenNetworkLabの他のチームのエンジニアから熱心な要望が寄せられたりするなど、早速注目の高さを伺わせていた。Kobito開発の背景を同社の創業メンバー、海野弘成氏(CEO、エンジニア)、小西智也氏(デザイナー)、横井孝典氏(COO)に聞いた。
痒いところに手が届く、エンジニア向けのメモツール
昨年秋にオープンしたQiitaを運営する過程で、ユーザーであるエンジニアからのヒアリングを続けていた。その中で分かったことは、学んだことをあまりアウトプットしていない、したいけれども出来ていない人が多いことだそうだ。
理由の一つに、エンジニアがメモを記録するのに適したツールがないことが上がった。彼らがメモとして普段使っているツールの中で最も多かったEvernoteは万人向けであり、エンジニアにとっては痒いところに手が届かない。マウスを使わずキーボードだけで操作したいのが、エンジニアの心情。そこで、彼らの不便を解決するアプリを作ろうということに至ったという。
投稿の敷居を下げるためにも、まずは書くことをサポート
同社が一番達成したいことは、より効率よく開発できる環境をつくり、エンジニアたちの開発をより幸せにしたいということである。そのためにQiitaという、みんなが持っている知識を共有し合うwebサービスを提供してきた。
しかし、投稿を前提として書くには敷居が高いことも実感しているという。そのためには、まずは自分のアプリで自分のためだけに書くことから始めてもらえればいい。走り書き程度のメモで十分。人にも役立つはずだと思ったら、その時点で綺麗に書いて、アプリからすぐに投稿する。この一連のフローへの敷居を下げたかったことが、一つの大きな理由である。
webエンジニアがメインターゲットのQiitaは、macユーザーが6-7割を占める。KobitoがMac版なのは、彼らに喜んでもらえるものを最初に作りたかったからだそうだ。
はまった時も、上手くいった時もメモ
エンジニアでもある海野さんから、例として二通りの使い方を説明してくれた。エンジニアにとっては、すぐに勘所がつかめるはずだ。プログラムを書いていると、エラーが出たり書き方が分からなくなったときに検索することが多い。そこで見つけた情報を試してみて上手く動けば、それをメモする。
あるいは、プログラムを上手く書けたと思えた瞬間にもメモ。例えば、自分が以前書いたプログラムが首尾よく使い回せた時や、classの設計のノウハウなどを記録する。いわゆる「デザインパターン」をメモするということだ。
今後は情報共有面も強化
Kobitoは現状、非常にシンプルなデザイン・機能だ。デザインに関しては、エンジニアは、無駄がない、情報密度が高いデザインを好むことがヒアリング結果から分かったため、このような仕上がりになった。
機能面では、個人で使うには必要最低限の機能を揃えたと考えているそうだ。しかし現段階はまだ、自分が自分のためにメモするツールという側面が大きい。今後は情報共有の側面をさらに強化させる。その部分は、今はQiitaに上げるだけだが、第三者が作った知識もまとめてKobitoの中で再利用し、全員のメモからプログラムを書けるような、そんな共有を目指しているという。
写真家、広義の編集者。TechWave副編集長
その髪型から「オカッパ」と呼ばれています。
技術やビジネスよりも人に興味があります。サービスやプロダクトを作った人は、その動機や思いを聞かせて下さい。取材時は結構しっかりと写真を撮ります。
http://www.linkedin.com/in/okappan
iiyamaman[at]gmail.com