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「エコシステム」とはもともと「生態系」という意味だが、米シリコンバレーのようにベンチャー企業を多く生み出すことのできる地域には「スタートアップのエコシステムが存在する」と言われる。
多くの企業を生み出すのに必要な起業家、技術者などの若き人材に加え、そうした人たちを財務、法務などの業務面で支援する人たち、そして起業に成功し、今度は投資家として後進を育成する人たちー。そういった人、カネ、知恵が、回っていく生態系ができていることが、その地域や国の今後の競争力に大きく影響する、といわれている。
問題はシリコンバレーのようなエコシステムが日本にはまだ存在しないこと、だ。
ただシリコンバレーでも、そういったエコシステムが確立するまで20年、30年とかかったわけだから、日本も同様のエコシステムが確立するまでに同様の時間がかかるだけで、そう心配する必要はない、ともいわれてきた。
ところが日本以外の地域ではエコシステムが急速に拡大している。2月に取材したインドの個人投資家のグループも、インドのスタートアップ・エコシステムの拡大を自慢していた。
実際に世界各地のエコシステムをランキングしているプロジェクトがある。StartupGenomeという米国のプロジェクトで、ベンチャー企業数や、成功例の数、投資総額、創出雇用件数などを考慮してランク付けしているようだ。そのランキングの結果、次のような結果になっている。
- Silicon Valley (San Francisco, Palo Alto, San Jose, Oakland)
- New York City
- London
- Toronto
- Tel Aviv
- Los Angeles
- Singapore
- Sao Paulo
- Bangalore
- Moscow
- Paris
- Santiago
- Seattle
- Madrid
- Chicago
- Vancouver
- Berlin
- Boston
- Austin
- Mumbai
- Sydney
- Melbourne
- Warsaw
- Washington D.C.
- Montreal
地図で見ても、やはり米国の西海岸、東海岸、ヨーロッパにエコシステムが集中しているのが分かる。イスラエル、シンガポール、ブラジル、インドなどのエコシステムも大きそうだ。
翻って日本のエコシステムの存在感はかなり低い。ランキングでは25位にも入っていない。
もちろんインド、シンガポールなどは英語でビジネスが可能なので、シリコンバレーなどの先行するエコシステムと連携できて、その分、成長も早いのだと思うが、サンパウロなども上位にランクインしているので、言語だけの問題でもないと思う。
ただ日本でも、昨年くらいからスタートアップを応援するような取り組みが幾つも生まれてきたし、最初から英語でアプリを開発するようなスタートアップも出てきたので今後に期待、というところだろうか。
正直、この調査がどれくらい正確なのかは分からない。日本の情報を十分に取得できているのかどうか。
とはいえ、僕自身、インドを取材した限りでは、若い人たちの間でもスタートアップに挑戦する機運が高まっているみたいだし、マスコミもスタートアップのことをニュースとして取り上げることが多いという話も聞いた。印象としては、日本より先を行ってる感じが確かにした。
またスタートアップのニュースの扱い方に関する日米の違いを見ても、実際全然違う。それはもう何年も前からそう。
でも日本でも最近はテレビでもIT関連のニュースを取り上げることが増えてきたので、期待が持てるかも。つい先日もFacebookによるInstagramの買収のニュースを朝の番組でやっていた。Instagramの名前を朝のニュースで聞く日がくるとは思ってもいなかったから、ちょっとびっくりした。