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「仮説は大枠ではずれていなかった」ー。札幌で開催中のInfinity Venture Summitで、グリーの青柳 直樹氏はそう語った。
グリーが米サンフランシスコに子会社を設立したのが2011年1月。日本はモバイルのソーシャルゲームで世界最先端。そのノウハウは世界で通用するはず。その「仮説」を持っての米国進出だった。
しかしその「仮説」が正しいのかどうか。「数字が出てくるまで実は分からなかった」と、青柳氏は当時を振り返る。
2年前、米国の開発者たちはFacebook上でゲームを開発することに夢中だった。日本でFacebookはまったく普及していなかったころだ。日本のゲーム開発者たちはほかに選択肢がないのでモバイル領域に精力を注いだ。日本がモバイルで先行した背景には、そうした特異な状況があった。「非常にラッキーだったと思います」と青柳氏は謙虚に認める。
そしてその幸運な状況はまだ今日も続いている。特に米国のモバイルのソーシャルゲームの領域では、ゲームのリリース直後のマーケティングにコストをかけるかどうかが、その後のゲームの売り上げに直結するケースが多い。資金力のあるゲームメーカーが有利だ。このため今後は買収による業界の合従連衡が急速に進むとみられる。潤沢な資金を持つ日本のゲームメーカーにとって有利な状況が続いていると青柳氏は指摘する。
しかしその有利な状況は、長くは続かない。米国のゲーム開発者たちがモバイル領域に本気になり始めたからだ。GREE InternationalのSenior Vice PresidentのShanti Bergel氏によると、ゲーム開発者にとってFacebookのプラットフォームが今後魅力的なものでなくなるとの認識が今年に入ってから米国の開発者コミュニティで広がってきたのだという。そこで米国の開発者はモバイルの領域に急速にシフトし始めた。あと半年もすれば米国のメーカーのノウハウは日本のメーカーのノウハウに追いつくことになる、と同氏は指摘する。
「まだマーケットは空いている。今は日本のメーカーにとって千載一遇のチャンスです」と青柳氏は強調している。
米国の大手ソーシャルゲーム会社が日本に上陸し日本のソーシャルゲーム業界が戦々恐々としたのはわずか2年前。わずか2年で状況は大きく変化し、日本のソーシャルゲーム会社が反対に米国で大活躍している。
世界で4000万人ユーザーを獲得したLINEといい、日本のネット企業が世界に大きく羽ばたき始めた。
これは正直、すごいことだと思う。