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三橋ゆか里
(@yukari77)
世界市場規模が今年約2,800億に到達することが見込まれ、2013年には米国最大手「Kickstarter」内の流通額が約240億円を突破すると言われるクラウドファンディング。国内で、「Campfire」や「Readyfor!」に並んで、「”かわいい”をみんなで実現しよう」をコンセプトに運営される「GREEN GIRL」。これまで成立したプロジェクト数は50件以上、チケット枚数にして800枚。モデルの酒井景都さんがデザインするアクセサリーを作るプロジェクトなど、“ならでは”のプロジェクトを手掛けてきた。
どちらかというと、女性の個人クリエイターやアーティストによるプロジェクトを多く扱ってきたGREENGIRL。今回のリニューアルを受けて、女性向けサービスを展開する団体・企業や、女性に支持されるコンテンツホルダーへも積極的に門戸を開放していくそう。現在、GREENGIRLのサイトには、温泉の楽しみ方を伝える「湯女子大学」や、モードなエシカルファッション誌を創刊する「Ethical Fashion Japan」といったプロジェクトが並んでいる。
また同時に、GREEN GIRLのシステムを事業者に提供する日本初のクラウドファンディングASPサービス「GREEN funding」を公開。サービス提供開始は8月末。特にデジタル化の影響を受けて新たな課題に直面する出版・音楽・スポーツなどの既存コンテンツホルダーによる新規事業、メーカーが仕掛ける新商品開発分野においてサービスを提供していく。既に「NYLON Japan」、「タイムアウト東京」など5社が導入を決めている。GREEN fundingの初期導入費用は50万円~、月額固定費なしの成果報酬型。2015年までに計100社への導入を目指す。
また米国では電子化の流れもあって、プレオーダーのような形でコアなファンに支持されるコンテンツで起案する出版系プロジェクトが加速化しているという。電子出版との組み合わせだけでなく、NYLON Japanでは「Visionaire」のような取次や書店では扱いにくい特殊な形態の雑誌を創るためにクラウドファンディングを活用する構想もある。将来的には、クライアントと共同でオリジナル商品を開発するプロジェクトも実現しうる。また、タイムアウト東京は、ライブ音楽を提供する箱と組むことで音源の再販プロジェクトなどを検討中だ。
株式会社ワンモアの代表取締役CEOの沼田健彦氏は以下のようにコメントする。
「クラウドファンディングって、単なるビジネスのツールではなくて、ソーシャルメディア時代が生んだ「知性」と「情報」と「人や社会を思う良心」を可視化する仕組みだと思っています。例え運営者や起案者にお金やマンパワーがあっても、「知性」、「情報」、「人や社会を思う良心」がないとプロジェクトは成立しないし上手くいかないんです。
そういう意味で、クラウドファンディングはワンモアが企業理念として掲げる『良心を持って「情報」と「知」を選り分け、「人」と「人」の縁を通じて共創のビジネスを行う』そのものだと思います。使命を持ってこの仕組みを広げ、より良い社会の実現に貢献したいと思います」。
米国では、オバマ大統領も支持し、連邦議会に申請中の「Entrepreneur Access to Capital Act」という法令がある。通れば、クラウドファンディングの投資のリターンとしてストックオプションの提供が可能になる。Power of the peopleで、発案者の夢を叶えたり「あったらいいな」を形にしてくれるクラウドファンディング。今回のGREEN funding ASPサービスの登場で日本のクラウドファンディングがどう発展していくのか。またリニューアルしたGREENGIRLが今後どう進化していくのか。乞うご期待。
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