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三橋ゆか里
(@yukari77)
フリマアプリ「Fril」、出品率は20%
逆に、アイテムを探している女の子は、特定の人をフォローしたり、トップス・ワンピースといったカテゴリ、もしくはブランドや価格帯から欲しいアイテムを探せちゃう。ユーザ登録時に、服と靴のサイズ、好きなブランドを3つ登録してもらうことで近いテイストの女の子を提案。アプリを最初に開いた時からタイムラインが埋まった状態をつくってる。
FrilはFacebook、Mixi、Twitterでログインができるようにしているものの、ニックネーム、メールアドレス、パスワードを入力する独自登録を選ぶ人の方が多い。自分の持ち物を売るフリマ。あまり友達などに知られたくないというのが女の子の本音なんだって。東京都、大阪、福岡など大都市圏に住む、雑誌に載っているアイテムを買える女の子が持ち物を出品し、それを沖縄、北海道など地方の人が購入する。きっと女の子たちはこんなサービスを待ってたんだ。
女子向けアプリをつくる男子チーム
Frilを初めて見せてもらったのはまだリリース前の開発段階。ピンクを基調とした程よく可愛い、でもシンプルで使いやすそうなアプリというのが第一印象。アプリをつくっているのは男性ばかり。自分たちがユーザではないアプリを上手に形にしてるなと思ったけれど、それもそのはず。毎日ターゲットとなる女の子に話を聞き、これまでに100人以上の女の子にアプリを見てもらったり使ってみてもらったりしたそう。
Fablicのチームは全員VOYAGEの新卒で、エンジニアやデザイナーから成る25歳と27歳のチーム。同期の中でも仲が良く、プライベートで集まって「eventap」などのサービスをつくったり、一緒にTechCrunch Disruptに参加したりと志の高い人たちの集まり。そんなチームが腕試しを兼ねて受けたのがOpen Network Labだった。好調なスタートを切ったFrilだけれど、このサービスアイディアはプランBだったと話すFablic代表の堀井さん。
「まずひとつ重要視したのはすぐにマネタイズできることです。コマースなら、商品が売れれば売上が立つ。Frilには売れた商品金額の10%が入ります。もともとは、Whitelystのような広いCtoCのコマースをスマホアプリでやろうと考えていました。でもそこから絞って、大きくなった子どもの服のやり場に困る母親をターゲットにするなど検討しましたが、最終的に高校生から大学生くらいの若い女の子をターゲットに絞ったアプリをつくることに。前職の関係で女の子系メディアなどの知識があり、この世代にフリマ需要があることはわかっていたので。」
女の子たちが勝手に工夫
自分のお店に来てもらうためのもう一つの工夫が、自分のアイテムをいいねしてくれた人のページに行ってコメントを残すこと。アイテムをいいねすると、それが一種のウォッチリストの役割を果たす。いいねしてくれたユーザをみて、他にこんなアイテムもあるから見にきてくださいといった具合に直接コミュニケーションするんだって。売るための地道な努力も欠かさない。
また、頻繁に行われているのが専用出品。コレとコレとコレを3点一緒に買うから値段はこれくらいにして、といった交渉する子が少なくない。それが成立すると、「○○さんへの専用出品」や「○○さん購入済み」などのタイトルにして予約商品のような位置づけで出品する。バイト代が月末まで入らないので取り置きして!なんて場合も、それが他の人にわかるように工夫して対応してるそう。他にも、アイテムを組み合わせてコーディネートにして販売している子や、中身のわからない福袋のようにして出品する子も。サービスの使い方って、ユーザが編み出していくものなんだなとつくづく思う。
Frilの強みはユーザに紐づく購買データ
いちばん最近のアップデートは8月後半に追加した検索機能。商品数が多くないと検索が機能しないため外してリリースしたけれど、1万件近く商品がある今、検索ができない!と女の子たちから大量の苦情が発生した。今後は、前述した特定の人に売るための専用出品機能、お店の掲示板など女の子が求める機能を順次追加していく予定。出品をより手軽に、早く動くような改善は随時行っていく。
また、Frilが持つのは女の子のおしゃれに関する膨大なデータベース。彼女たちが買っている服、好きなブランドなど、ユーザにひもづくブランドの購買データがある。例えばいま一番出品されているのは、Lawry’s Farmだそう。これを強みにビジネスに繋げていきたいと話す堀井さん。このまま順調にサービスが拡大していけば、公式アカウントなどを設けてアパレルブランドが積極的にプロモーションを行う場になっていくのかも。
他のサービスで何とか工夫してやっていたことをすごくシンプルに簡単にしてくれるフリマ専用アプリ。自分たちがターゲットではないからこそ、ユーザに実際に会ってしっかり彼女たちの声を聞く。今後ユーザが増えた後もそれを続けることで、さらに素敵なサービスになっていくことを期待してます。
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