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週末に福岡で開催されたテクノロジーとクリエイティビティの祭典「明星和楽2012」の会場で福岡市は、起業しやすい街「スタートアップ都市ふくおか」を目指して、(株)Movida Japanの孫泰蔵氏、(株)nomadの小笠原原治氏などの協力を得て「スタートアップ・サポーターズ」という組織を発足させたと発表した。具体的にはMovida Japanが運営するスタートアップ勉強会「Movida School」を福岡市でも開催するほか、明星和楽などとの連携も深めていくという。
Movida Schoolとは、Movida Japanがインターネット分野のスタートアップを支援するために東京で無料で開催している勉強会。先輩起業家や各種分野の専門家を講師に呼ぶことでスタートアップ運営に必要な知識を得るとこができるほか、スタートアップ同士の横のつながりを築くことが可能という。優秀なスタートアップにはMovidaを始めベンチャーキャピタルからの出資を受けることもある。(2012/9/10)
会見では福岡市の高島宗一郎市長自らが登壇し、福岡がテクノロジーの中心地になるための好条件をリストアップした。
movidaの伊藤さんが過去30年ぐらいのスパンで従来型起業は縮小の方向にあり新しく雇用を生んでいるのはテクノロジー関連の新興企業ばかりというデータを紹介していたが、本当にその通り。なのに日本の行政はネット産業に冷たい。行政だけじゃなくマスコミもそうだけど。
孫泰蔵さんも「自治体で協力を求められたのは福岡市が初めて」という。そういう意味で、福岡市ってやはり先見の明があるというか、時代の流れを分かっているというか、すばらしいと思う。
ただだからといって福岡市の目論見通りに福岡市がスタートアップシティになれるのかどうか。
最近でもLang8のように地方から東京に移転してこようとするネットベンチャーが後をたたない。やはり東京には情報も人材も資金も集中しているからだ。この一極集中の流れを止められるかどうか。
また一極集中を止めることがいいことなのかどうか。
世界的に見れば東京はテクノロジーセンターとしてはまだまだ発展途上。まだまだ集中が必要な段階なのに、地方に分散させていいものかどうか。
そのことを会見で孫泰蔵さんに聞いてみた。孫さんによると米国にはTechStarと呼ばれるベンチャーキャピタルがあって、米国中堅都市にスタートアップの集積地を作り、それなりのパフォーマンスを上げているのだとか。同じモデルが日本でも可能なのではないか、というのが孫さんの考えだ。
それも一理あるかな。
また東京にくると情報に流されてしまって同じような流行りのサービスばかりができてしまうという負の側面がある。「モバイルで新しい出会いを作ろう」というサービスが流行れば、少しだけ機能を変えた類似サービスが山のように出てくる。東京で開催されるスタートアップ審査イベントの審査員を頼まれてもお断りすることが多いのは、あまりに同じようなサービスばかり出てくるので正直嫌になっているからなんです。
その点、地方のIT企業のほうが情報の洪水に流されることなく独自の発想に基づく世界的なサービスを作れるかもしれない。京都の任天堂、福岡のレベルファイブなどがその好例。
とりあえず他の自治体にはまったくない見られない動きをする福岡市には心から敬意を表したいし、善意の塊のような泰蔵さんには微力ながらいろいろお手伝いしたいと思っています。