サイトアイコン TechWave(テックウェーブ)

僕がTechWaveの編集長を降りる理由【湯川鶴章】

[読了時間:3分]
 昨年末にご案内させていただいた通り、1月15日付で増田真樹さんにTechWaveの編集長に就任していただくことになりました。先日行われたTechWave3周年記念パーティーの席で「どうして?」「湯川さんは、これからどうするの?」という質問を多く受けました。昨年末の記事で説明したつもりだったのですが、あまりうまく説明できていなかったみたいです。なので、改めて考えていることをお話したいと思います。

 理由は2つあります。1つは、オカッパンこと本田正浩さん、マスキンこと増田真樹さんと、僕。その3人編集部体制が必ずしも最適の形ではなくなったからです。ブログメディアTechWaveは会社組織ではなく個人事業主の集合体です。個人事業主が自由に参加し、自由に脱退することのできる組織です。法人にしなかったのは、こうした個人事業主の集合体がこれからの社会の主な事業組織形態の1つとしてさらに普及すると思ったから。われわれ自らがそのあたらしい事業形態でいろいろ試してみたいと思ったからです。


 自由に参加、脱退できることがメリットの組織ですから、変化が当たり前。変化しないのであれば、その組織の強さは失われます。社会のニーズが変化し、参加メンバーのスキルや目標が変化すれば、当然TechWave編集部も変化すべきだと思います。

 なのでオカッパンが地方活性化という新しい目標を見つけ、写真による自己表現という彼本来の強みに回帰し、奥田浩美さんという事業展開を得意とする業務パートナーを得て、finderという姉妹サイトを立ち上げたことは、すばらしいことだ思って喜んでいます。

 マスキンも負けてはいません。仕事ぶりもますますパワフルになってきました。TechWaveというブログメディアを使って、やりたいことが山のように出てきているようです。彼の構想に関しては少しは話を聞いたことがあるのですが、実際に動き出して形がみえない現状では、正直僕にはよく分かりません。なので彼に思う存分、好き勝手にブログメディアTechWaveの舵を取ってもらおうと思いました。広告収入の管理から、その分配や用途までマスキンの采配にすべて委ねたいと思います。

 3人がバラバラに動いていた編集部を一度、解散し、マスキンを核にした編集部をもう一度作り直すのがいいだろうと思ったわけです。作り直しても、テクロノジーで世の中をよくしたい、地域を活性化したい、子供にプログラミングを覚えてもらって世界で通用するモノづくりができる日本にしたい、という思いは3人ともに共通しています。ですので、もちろんオカッパンは引き続きマスキン編集部を支援してくれるのだと思います。僕も、マスキンが僕を必要とする限り、ライターとしての活動はTechWaveをメインにしていくつもりです。

 マスキンが今後、彼を核にどのようなチームを作っていくのか、非常に楽しみです。

 時代の変化、個々人のやりたいことの変化に合わせて、自由に変化する組織でありたい。なので、編集部を作り直す。これが、僕が編集長を降りる1つ目の理由です。

 そして2つ目の理由。実はこちらのほうが大きな理由なんですが、僕自身いろいろなことに挑戦してみたいと思ったからです。今は何百年に1度の大変化のとき、と言われます。常識がひっくり返り、新しいビジネス、新しい生き方をいろいろと試せる時代です。せっかくこんな時代に生まれたのですから、いろいろと試さない手はないと思っています。

 具体的には、数年ぶりにいろいろ本を執筆してみたいと思っています。また引き続き少人数勉強会TechWave塾も運営していきます。TechWave塾は卒業生が200人を超え、パワフルな人たちが非常に活発なコミュニティーを形成しています。これからの社会は、家族、企業に加え、コミュニティーが非常に重要な構成要素になると思われます。その最先端のコミュニティーに関われるわけですから、このコミュニティーを通じていろいろと仕掛けていきたいと思っています。

 でもそれ以外は、実はあまり何も考えていないんです。半年後に自分が何をやっているのか、まったく分かりません。何も考えずに動き出したんです。

 僕のこれまでの人生で、自分の大事なもの、生活のベースになっているものを手放したら、それ以上に大きなものが手に入る、ということが何度かありました。特に自分の大事なものを、それを僕以上に必要とする別の人に無償で譲った場合、わくわくする何かが必ず手に入りました。

 逆にいうと、今あるものを勇気を持って手放さない限り、次のものは入ってこない。僕は経験則として、このことを知っています。

 ですので今回も、自分が大事に育ててきたTechWaveだからこそ、マスキンに譲ろうと思ったわけです。なんだかぽっかり穴があいたような喪失感があるのですが、その穴に次は何が埋まるのだろうというワクワク感のほうが大きい、というのが今の正直な気持ちです。

 これからもマスキンTechWave、オカッパンfinder、それと湯川鶴章をよろしくお願いします。

2013年1月15日 
TechWave副編集長 兼 自分探し中 
湯川鶴章

蛇足:オレはこう思う

 実はマスキンから「湯川さんには1つ上のポストに上がってもらわないと困ります。副編集長への降格は認めませんから」と怒られているんですが、あえて副編集長を名乗りたいというアマノジャクな自分。ww

お知らせ:この辺りの話も大阪の講演でお話したいと思います。
「経営戦略を考えるための、これからの事業と組織の在り方」
【開催日時】
2013年1月23日(水)18:30~20:30
受付開始18:00~

【開催会場】
中央会計セミナールーム
(大阪市中央区備後町3-6-2 大雅ビル3階)

【参加費】
¥2,000(懇親会費、別途)

詳しくはイベントページで。

モバイルバージョンを終了