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米Facebookは、ユーザーが「いいね!」表明した情報などをベースにFacebook上の情報を検索できるサービス「グラフサーチ」のベータ版をリリースすると発表した。まずは一部英語ユーザーから利用が可能になり、日本語ユーザーが同機能を利用できるようになるまでは、しばらく時間がかかりそうだ。
Googleの検索エンジンが、ほかのページからリンクされているページを重要とみなす考え方をベースに検索結果の表示順序を決めているのに対し、Facebookの検索機能はFacebookユーザーが「いいね!」を押した情報をベースに検索結果を表示する。自分の友人が「いいね!」を押した情報が優先されることから、ソーシャル検索とみなすことができる。
発表によると、次のような情報を検索できるようになるという。
友人
「友達の中で、自分と同じ町に住んでいる人」「同じ郷里の出身者でハイキングが好きな人」「友人の友人までの範囲で、この観光名所に行ったことのある人」「サンフランシスコに住むエンジニアでスキーが趣味の人」「この商品にいいね!を押した人」「近くに住む人でテニスが好きな人」
写真
「家族の写真」「友人の写真で1999年以前のもの」「ニューヨークで撮影された友人の写真」「エッフェル塔の写真」
場所
「サンフランシスコのレストラン」「家族が訪れた町」「インド人の友人がお気に入りのインド料理店」「イタリアの観光名所で友人が訪れたところ」「コックがいいね!しているニューヨークのレストラン」「友人が訪れた外国」
興味
「友人が好きな音楽」「僕が好きな映画を好きと表明している人が好きなほかの映画」「友人が話すことのできる外国語」「映画監督がいいね!している映画」「経営者が読んだ本」
検索結果はFacebook上の情報が優先されるもようで、Facebookページを持つ店舗や商品が有利になるものとみられる。Facebook上の情報に加えWeb上の一般情報も検索が可能で、web上の情報検索にはMicrosoftの検索エンジンbingが使われるという。
米ブログメディアInside Facebookは、グラフサーチがマーケッターにとって有効なツールになると指摘。例えばNikeに「いいね!」ボタンを押したユーザーが好きな運動選手を検索することで、どの選手に広告に出てもらうかを決めることができる、というような使い方もできそうだ。
FacebookのCEO、Mark Zuckerburg氏は、グラフサーチを、ニュースフィード、タイムラインと並ぶFacebookの3本の柱だと発言しており、Facebookが今後の機能拡充に相当注力することは間違いなさそうだ。
検索できるのは、ユーザーが一般「公開」に設定している情報か、自分の友人が「友達」限定に設定している情報だけ。グラフサーチは既に自分が見ることができる情報を見やすくまとめているだけので、プライバシーの観点からも問題ない、というのがFacebookの主張。ただプライバシーに関しては慎重に対処しないといけないという考え方から、グラフサーチのリリースを少数の米国ユーザーから始め、フィードバックを見ながらリリースするユーザー数をゆっくりと増やしていくことにしているという。
Facebookが普及し始めたた時から、その可能性がとりざたされてきたソーシャル検索がようやくリリースされる。世間一般の情報ではなく、自分のソーシャルサークルの中での情報なので、検索結果がより自分に合ったものになるとみられている。
特にアメリカのように多様な民族・文化・ライフスタイルが寄り集まった国家では、世間一般の情報の中からの検索結果よりも、自分のソーシャルサークルの中での検索結果のほうが価値があるのは分かる。
でも日本のように比較的均質な社会だと、世間一般の情報検索結果でも、まあ役に立つ。それに多くの友人が多くの情報をFacebook上にアップするようになり、検索対象の母数が拡大しないかぎり、検索結果がしょぼいままだと思うなあ。
果たして日本でも、Facebookが社会インフラになって、ありとあらゆる情報がアップされるようになるんだろうか。
時代がモバイルに移行せずにPC全盛期が続いていれば、いずれFacebookの天下になったことは間違いない。でもLINE、WeChat、comm、カカオトークとかが急速に力をつけ始めたからなあ。モバイル・ソーシャルが急速に普及する中で、Facebookが唯一のソーシャルインフラになるのは正直難しいと思うよ。情報が各サービスに分散されているようでは、検索の価値がでない。
となるとどこかの時点で、ソーシャルサービスが集まってデータを統合しようという動きが出てくるんだと思う。