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生まれてはじめて「献本」を頂いた。本をもらったこと自体もうれしいけれど、それが尊敬する加藤崇氏からだったというのはとても光栄なことだ。
世界一の2足歩行ロボットベンチャー「SCHAFT」を生み出し、自身の腕ひとつでGoogleへの売却を成し遂げた加藤崇さんだが、インターネット界隈には彼を知る人が意外なほど少ない。その理由は明快で加藤さん自身がインターネット界隈のスタートアップに興味がないからである。以前話を聞いたときには「インターネットの起業なら、他の投資家が積極的にお金を出してくれるから、自分がそこをやる必要はないんです」と説明してくれた。
だからといって彼の本がインターネットでの起業を目指す若者に無関係かというと決してそうではない。さまざまの分野で活躍してきた彼だからこそ語ることのできる起業に関するコアなノウハウが詰まった本なのだ。
実は今回の本は数年前に出版された「Think Big」という著書がベースになっていて、そこにSCHAFT社を通して作り出したシンデレラストーリーが読み物&実例として盛り込まれた形となっている。そういう意味では成功者が過去を振り返ってドヤ顔で自画自賛するような物語ではなくて「自分が書き綴ったノウハウを自分で実践した結果、ありえないほどの成功事例を作っちゃいましたよ」という話である。
本書「はじめに」の中からいくつか印象的だったメッセージを引用したいと思う。
“技術の世界では10年に1回しか起こらないようなことがあります。浦田君の作った回路はそれに該当すると僕は思っているんです。こういうことをイノベーションというのだと思います”
“僕は唸りながら頭の中で何度も何度も2つの相反する考えの間を行き来した。何が正しいのだろうか?自分はどうしたいのだろうか?彼らに何をしてあげたいのだろうか?この問いに、そもそも正しい答えなどあるのだろうか?”
そして章立ても紹介しておこう。
・はじめに
・第一章 いつ始めるのか?なぜ始めるのか?
・第二章 誰と作るのか?何を作るのか?
・第三章 誰に、どうやって売るのか?
・第四章 どうやって会社を大きくするのか?
・第五章 いつも覚えておきたいこと
・おわりに
本の中には加藤さんの考え方だけではなくて、世界的な起業家たちの残した言葉や考え方が随所にちりばめられているので、シリコンバレーの歴史を知るにもよい本だと思う。
興味をもった方は是非読んでみて欲しい。
蛇足:僕はこう思いましたー。
1978年生まれということで僕と同い年の加藤さんだが、とても同い年とは思えないほどの実績を持っている。まるで僕の目には見えない階段をスゴいスピードで駆け上がっていくようだ。
実際の彼に会うととてもパワフルで話も面白い。本のどこかに「人を勇気づける才能がある」と書いてあった気がするけれど、まったくその通りで、まるでマンガに出てくるようなキャラクターだと感じる。「ワンピース」あたりのノリが彼に似合っていると思う。