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[まとめ] 67億円分のビットコイン等流出、テックビューロの仮想通貨取引所「Zaif」

テックビューロ社は2018年9月18日、運営する仮想通貨取引所「Zaif」で管理していたビットコイン(BTC)・モナコイン(MONA)・ビットコインキャッシュ(BCH)あわせて日本円で約67億円相当の仮想通貨が損失したことを発表しました。

顧客の仮想通貨資産を管理する最重要要素である暗号キーを保管してあるウォレットが、外部から不正侵入されたとのことです。同社によれば、このウォレットは、インタネット経由で接続可能な“ホットウォレット”だったことが明らかになっています。

テックビューロは2017年9月29日に仮想通貨交換業者として登録しているものの、システムリスクに対する実効性のある管理体制が不十分だと2018年6月に金融庁から二度目の業務改善命令を受けていました(参考「[まとめ] 金融庁が仮想通貨交換業者 6社に業務改善命令」

現時点で、明らかになっている被害額はビットコインが5966BTCで、MONAとBCHについてはサーバー群が停止しているため実数が確認できていないとのこと。流出した67億円相当の仮想通貨のうち、顧客からの預かり資産は約45億円。

BTC、MONA、BCHそれぞれの入出金が停止している状態で、あわせて決済サービスZaifPaymentoも停止。Zaifで取り扱っているトークン「ZAIF/XCP/BCY/SJCX/FSCC/PEPECASH/CICC/NCXC」の出金も停止してしています。

同社は、金融庁及び捜査当局への届出等を行い、弁済のための財源確保に動いている状態とのことです。

これまでの経緯

2014年6月16日:テックビューロ創業
2017年9月29日:仮想通貨交換業者として登録
2018年6月22日:二度目の業務改善命令
2018年9月14日:17-19時ごろにハッキング被害。BTC・MONA・BCHが不正送金される。また、仮想通貨の入出金など一部の機能が停止状態に
2018年9月17日:サーバー異常を検知
2018年9月18日:ハッキング被害確認
2018年9月20日:午前2時過ぎにプレスリリースを発行

今後の展開

テックビューロ社は、損失資産の埋め合わせや技術基盤の確立、経営改善支援要請を行い、2018年9月20日にフィスコ社のグループ会社であるフィスコデジタルアセットグループの子会社を通じて50億円の金融支援ならびに、テックビューロ社の株式の過半数を取得する資本提携や取締役や監査役の派遣を検討する基本契約を締結しています。

・株式会社フィスコによるリリース[PDF]

2018年9月14日から停止している入出金については、カイカ社による技術サポートを受けながら、システムの安全性を確認できしだい再開するとのことです。

・株式会社カイカによるリリース[PDF]

なお、同社関連会社が展開するICOソリューション「COMSA」の運営についても、今後の方針については再検討をすることを発表しています。

【関連URL】
・[公式] 仮想通貨取引所・販売所 – Zaif(ザイフ)
・[リリース] 仮想通貨の入出金停止に関するご報告、及び弊社対応について

蛇足:僕はこう思ったッス
「Zaifなら安心・安全!万全のセキュリティ」と主張していたテックビューロ社。金融庁が業務改善命令で指摘していた「システムリスク管理体制」がどこからどこまでの範囲か仔細は不明だが、たびたびZaif上で発生していたシステム面でのトラブルはテックビューロに内在する組織的問題を露呈していたのだろう。今回の事件のタイムラインをみていると、実態確認までに混乱していたことが見受けられる。また、当該トークン以外にも影響がでていることから、システムのリスク回避策や冗長性対策も完全ではなかったのではないかという見方も出そうだ。

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