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もう一つのW杯 世界1位を狙う日本AI囲碁「Raynz」、テンセントが主宰するAI囲碁世界大会に挑戦

米グーグル傘下のDeepMind社が開発した人工知能「AlphaGo」が囲碁の世界トップ5の棋士に勝利してから2年。世界の人工知能研究者がその腕を競う世界大会「テンセント主催 AI囲碁世界大会2018」が明日2018年6月23日から6月24日にかけて中国・北京で開催されます。

日本から参戦するトリプルアイズはAI囲碁「Raynz」で世界1位を目指しているといいます。

トリプルアイズは過去2017年8月に開催された「中信証券杯 第1回 世界電脳囲碁オープン戦」で世界5位(この時、日本のドワンゴが関わるDeepZenGoが優勝しています)、2017年12月も開催された「囲碁AI国際大会 AI竜星戦 2017」で世界6位をマークしています。

AI囲碁「Raynz」はオープンソフトのRayをベースに分散処理やサーバ連結のモンテカルロシュミレーションの実装に取り組み(2017年8月の大会)、NUMAアーキテクチャーを取り入れ複数のCPUをより効率的に利用するなどして処理速度を向上する(2017年12月の大会)などの挑戦を続けてきました。

「技術で資金力を凌駕したい」

AI囲碁の世界は「アルゴリズムではなくサーバなどのハードウエアを中心に資金があるチームが優勢に立ってしまっている」(トリプルアイズ広報談)といいます。

そこで「弊社「Raynz」としては、お金で立ち向かうのではなく、アルゴリズムやリーラZEROのような分散ネットワークを構築するなど、技術力で資金を凌駕し勝っていきたい」と考えているとのことです。今回の挑戦では「サーバを変更しプレイアウト数を増やすなど、前回大会に比べ、更なる改善を加えました」とのことで、世界1位を本気で狙いにきているようです。

■2018テンセント囲碁AI世界大会 予選

〇会期   2018年6月23日〜24日
〇主催   中国囲棋協会、テンセント科学技術(深セン)有限会社
〇ルール

・6月23日〜24日(予選)  :スイスシステムで5〜7試合を行い、8位まではベスト8リーグ戦に入る
・7月上旬(ベスト8リーグ) :テンセント野狐囲碁にて7回のリーグ戦を行い、4位までは決勝戦に入る
・7月下旬(決勝戦)     :準決勝戦は5番勝負、決勝戦は7番勝負で行う

大会の模様は「野狐囲碁」というアプリで観戦可能。

【関連URL】
・[公式] 2018テンセント囲碁AI世界大会
・[ルール] 2018テンセント囲碁AI世界大会規則 – 野狐围棋
・[リリース] 2018テンセント囲碁AI世界大会 参戦のお知らせ

蛇足:僕はこう思ったッス
 日本の囲碁は過去の黄金時代を比較すればアジア勢に押されている状況だったが、世界最強の中国・柯潔さんを破り国民栄誉賞を受賞した井山裕太さんの奮闘など熱気に溢れている。ちなみに、昨年AlphaGOは柯潔さんとの対戦で初戦に勝利しており、人間対AIの戦いという意味でも囲碁の世界が面白くなっているように思う。なお、トリプルアイズは、2018年8月13日~15日に開催される「中国棋院主催 AI囲碁世界大会2018」への出場も決めているという。

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