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Intelが後付け搭載可能の自動運転システムに参入、MobileEyeをイスラエルスタートアップシーン最高額1.75兆円で買収し自動運転部門を統合 @maskin

自動運転はもはや夢の技術ではありません。今後一般社会に浸透すべく着々と準備が進められている状態です。しかしながら、全ての自動車が自動運転可能となるのはいつのことでしょうか? 自動運転対応自動車への買い替えを待っていたら完全普及がいつになるのか予想すらできません。

ところが、先進運転支援システム(ADAS=advanced driver assistance system)の技術リーダーであるイスラエル「MobileEye」が開発するデバイスはスタンドアロン型、つまり単体の機器としていま使っている自動車に装着できるもなのです。チップを搭載し、カメラの映像を通じて車の周囲にある人や物体を認識し、安全を守るための回避行動などを行うというもの。いわば自動運転のために作られた専用のコンピュータといったところです。

この「MobileEye」を、米Intelが買収することが2017年3月13日に発表されました。総額は株式価値としては153億ドル、日本円で約1.75兆円。イスラエルのテックシーンにおける買収額としては過去最高となります。

Intelは、2016年12月に自動運転自動車部門(ADG=Automated Driving Group)を設立していました。今回のMobileEye買収により、そのADGをMobileEyeに統合するとのことです。MobileEyeのグローバル本社はイスラエルのまま、ブランド名も継続されるとのこと。MobileEyeには日本を含め世界に多くのパートナーがいますが、その関係は継続されます。

今回の買収&統合により、MobileEyeはIntelのコンピューティングパワーや通信、クラウド、各種デバイス技術を活用し、完全に自動化された自動運転システムを開発する計画です。

Intelは、チップのみならず、カメラなどのデバイスの高度化やIoT領域への進出に躍起になっています。2017年1月には詳細な地図データ提供を手がける独HERE(参考:独HEREとクルマメーカー連合がリアルタイム走行データの収集と通知サービスを2017年から開始 【@maskin】
)に出資をするなどハードウェア以外の領域への展開も活発化しています。

【関連URL】
・Intel Acquisition of Mobileye
http://intelandmobileye.transactionannouncement.com

蛇足:僕はこう思ったッス
 MobileEyeは自動運転の支援をするデバイスだが、インテルはこのカメラ&チップ搭載技術を進歩させ、完全に自律できる自動運転ソリューションへと進歩させようとしている。記事中で述べたドイツのHEREの高精細なマップデータの活用も視野に入っているだろう。気になるのは日本陣営の動き。世界自動車連合の取り組みに日本のメーカーもちらほら顔を見せているが、自動運転の分野でドミナントとなっているかというと、外から見る限りではそうはいえない状態。今後もTechWaceでは自動運転の技術、特に日本メーカーの取材を続けたいと思う。
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