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約55億円 ASUSファンド誕生、Fenox VCと共同で先端技術ベンチャー発掘

シリコンバレーのベンチャーキャピタル「Fenox Venture Capital」(以下Fenox VC)は2017年9月14日、PCやモバイル関連製品を展開する台湾大手メーカー「ASUSTeK Computer」(以下ASUS)と共同で、約55億円のベンチャーキャピタルファンドを設立したと発表しました。

AIやAR/VR、Iotなどアメリカや日本を集中的にウォッチ

ASUSは、1989年に設立された台湾を拠点とするコンピュータやスマートフォン、家電などを手がける総合メーカーです。PC用マザーボードでは世界No1、PC出荷台数ランキングでは米Appleをおさえ世界第4位(Gartner社による2016年調査)。スマートフォンでも「ASUS ZenFone」シリーズ、そのほかホームロボットやVR用製品などでも注目されています。世界にR&D部門を含め1万7000人の従業員を抱え、台湾を代表するグローバルブランドとして評価されています。

今回のFenox VCとASUSとのパートナーシップによるCVC設立の狙いは、ASUSが持つ幅広い資産と先端技術を持つベンチャー企業との相乗効果の発掘です。ASUSはR&D部門を抱え、さまざまな技術領域で特許を取得するなどアジア地域発の技術リードとして注目を浴びていますが、アジアのみならず北米、EUにベンチャーのネットワークを持つFenox VCと共同展開することで、より広い範囲の投資および事業連携が可能になるとみています。

日本との関わりも深いFenox VCの共同代表パートナー兼CEOのアニス・ウッザマン(Anis Uzzaman)氏は「ASUSファンドでは、世界中のAI、AR/VR、ビッグデータ、IoT、ロボティクスなどの最先端技術分野をメインに、アメリカや日本の投資も集中的に見ていきます」と話しています。

Fenox Venture Capitalは、シリコンバレーに本社を構えグローバル投資をおこなっています。日本では2016年3月に上場したエボラブルアジアやメタップス、ディー・エル・イーテラモーターズ、マネーフォワード、FiNC、ジーニー等へ投資をっています。

【関連URL】
・ASUSTeK Computer
http://www.asus.com/
・Fenox VC
http://www.fenoxvc.com/

蛇足:僕はこう思ったッス
 グローバルイノベーションのためのファンド。国をまたがり積極的に投資・事業連携するというスキームは意外と少ない。ASUSのような幅広いスマート製品を展開している企業が、日本の技術スタートアップに連携しようと目を向けているという事実だけでもワクワクする。
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