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日本を代表するクリエイティブカンパニーが、次世代クリエイティブスクール「BAPA(バパ)」を開校!【@otozureproject】


[読了時間: 2分]

 日本を代表するクリエイティブカンパニー「バスキュール」(本社:東京都港区、代表取締役:朴正義)と「PARTY」(本社:東京都渋谷区、代表取締役:伊藤直樹)の2社は共同で、2014年3月よりクリエイティブスクール「Both Art and Programming Academy」(略称、BAPA)を開校すると発表した。今回は12月26日(木)、渋谷ヒカリエ8階COURTで行われた、スクールやプログラムの詳細に関する説明会のレポートをお届けしたい。

 「BAPA」は、デザインとプログラミングスキルを併せもった次世代クリエイターの育成を目的に、インタラクティブ・クリエイティブ・カンパニー「バスキュール」とクリエイティブラボ「PARTY」の両社に在籍するクリエイター陣や世界で活躍するクリエイターらを講師陣として迎えるもので、理論と実践を組み合わせた多彩なプログラムになる予定と伝えている。受講者は、29歳以下の学生、社会人を対象にしているという。

 12月26日(木)の説明会には、BAPA開校への期待が高まる中、100名以上の参加者が集まり両企業の代表者から企業説明会も行われた。続いて、開校宣言ではBAPAの趣旨が明かされ、カリキュラムや講師陣の発表では講座の詳細内容が発表された。受講料は88,000円(全10回)としている。

自分に化学変化を起こせる場所で、
その変化を楽しんでもらえたら

 PARTY代表の伊藤氏は、こう呼びかけた。「BAPAは基本的には「もの」をつくる学校です。アイデアだけを考え、その先ができないというのではなく、アイデアを考えフィニッシュまでできるという人を育てたい。そう考えています。」

 「英語でART&CODEという言葉があります。これは、アートディレクターとテクニカルディレクターやプログラマーがチームとして仕事をするというケースです。BAPAでは、今まで二人で行ってきたことを、一人でできたらいいんじゃないか。という考え方が根底にはありますが、基本的にはグループワークです。授業内外でも、お互いから学び合うという体験をしてもらえたらと思っています。」

 「グループワークをすることで、会話のエッセンスを共有してもらうというか。お互いに歩み寄ってもらう時間に出来たら」とバスキュール代表の朴氏は話す。

 エンジニアリングやプログラミングを学べる美術学校の誕生は、これまでにない表現の可能性を秘めている。一人で孤高の天才として立つだけでなく、互いに学び合う関係性の大切さも伝えていくことで、アイデアを形にするプロセスの品質を高めていく実践的な学びの場をつくろうという熱意を感じることができた。

世の中に無い仕事をつくる

 説明会の後半では、WIRED編集長である若林恵氏をモデレーターに迎えたパネルディスカッションも同時開催された。「これからの時代に必要な人材とは?」といった切り口でBAPA設立の背景に迫る内容となった。

 トークセッションでは、BAPA開校の背景にある熱のこもったメッセージが交わされた。

 「今、何をデザインするのか」という点では、これまでの様々な事情が業界をつくっていた背景がある。ビジネス視点ではなく、デザイナー視点で「何をどうやるといいのか」をどんどん考えていく必要に迫られていることも挙げられた。

 世界的に見て、文系と理系の間で分断は起きており、分かれてしまった道をひとつの道にして、もう一度やってみようという気持ちが全面に出ている取り組みでもあった。同じ目標を提示する人や機会が無かったことで、分断されてしまったとしたら、共通言語をつくるところからアプローチを始めようという考え方があるようだ。また、それぞれのパートには天才がいるが、デザインもプログラミングもできる高次元の人はまだ少ないことへの具体的な解決方法となるか今後も目が離せない。

 道を探している人に対して、「気づいているけれど、何をやったらいいかわからない人」に対しても希望を与えたいと考えているという声からは、やる気のある若者たちの参加を心から待ち望んでいる様子が感じられた。これまで、デザインとプログラミングの両方を学べる場所はあまり無かった。BAPAという学びの場の誕生により、デザインとテクノロジーの両方向に一度に働きかける希有な才能も増えていくのではないだろうか。

「天才」に機会を与えて、発揮させたい。

 BAPAは、既存の学校とは一線を画する点があった。それは「天才」を求めていると明言し、その出口も明るいものを目指しており、とにかく熱意を持って教えたいのだ。BAPA卒業時には渋谷ヒカリエにて卒業制作展が決定している。

 また、入学審査課題についても発表された。気になるお題は『卵を描いて、その卵を動かしてください』。表現方法は自由、ただし注意点として応募点数は1人3作品までとのこと。選考は、バスキュール、PARTYの両企業で行われる(合否の結果は通過者にのみ連絡)。作品提出・応募締め切りは2014年1月31日(金)24時00分まで。

入試に関する応募方法は、専用WEBページでのエントリーを受け付けるとのことなので、気になる方はこの機会にチャレンジしてみてはいかがだろうか。

企業プロフィール

【株式会社バスキュール】
言語や世代を超え、多くの人に楽しんでもらえるコンテンツを生み出すことを目標に、2000年に設立されたインタラクテ ィブ・クリエイティブ・カンパニー。創業時から、企画・デザイン・技術が三つ巴になった企画開発体制を整え、数多くの 企業やブランドのデジタルプロモーションを担当。国内外の広告賞やクリエイティブ賞を数多く受賞している。2011年よ り次世代のインタラクティブクリエイティブ領域を開拓するため、テレビ各局とマス×インタラクティブを切り口とした番組 企画・広告企画・システム提供を開始している。代表事例として、自ら番組提供をした「BLOODY TUBE」のほか、日本 テレビJoinTV「ヱヴァンゲリヲン新劇場版TV版 ムーヴィシンクロナイザ」、WOWOW「金曜カーソル」などがある。

【株式会社パーティー】
PARTYは、クリエイティブラボです。インターネットの進化による社会の「ネットワーク化」と「グローバル化」に対応した、 ビジュアル、コミュニケーション、プロダクト、サービス、イベント、コンテンツ、空間など、 デジタルの技術を活用したデ ザインをおこなっています。現在では、東京とニューヨークにオフィスを構え、 日本のみならず、世界の様々な課題や クライアントのニーズに対応しています。またクリエイティブラボとしてプロトタイプの研究開発をおこなっています。 デ ザインとアートの垣根を超えて、国内外の展覧会などで積極的に発表していきます。 「知らない人と知らないモノをつくろう。」 通常のクリエイティブ・プロセスにとらわれることなく、 よく「知らない」業界や才能を持った人々をよく知り、まだ 世の中が「知らない」表現をつくりたいと考えています。PARTYは、テクノロジーとデザインの可能性を信じています。

【問合先】
BAPA事務局(株式会社ベンチ)
メール:info@bapa.ac
電話:03-6434-0015
※課題作品の提出は応募フォームをご利用ください。
インターネット上に配置し、URLを応募フォーム (http://goo.gl/egerp4)に記載、送付すること。
※パスワード設定可。直接メールでの受付は選考できませんのでご留意ください。

【関連URL】
・Both Art and Programming Academy (略称、BAPA)
http://bapa.ac/
https://www.facebook.com/bapa.info

蛇足:fujimonはこう思います!
デザインエンジニアリングを主体とした企業も少しずつ増えている中で、BAPAの取り組みはデジタルやアートといったそれぞれの垣根を取り払い、今までに無い働き方を実現できる可能性に満ちていると感じました。「天才」を育てたいというBAPAの声は、日本のクリエイティブ教育に一石を投じることになるのではないでしょうか。多くの企業が社内外に優秀な作り手との繋がりを持つ中で、その可能性を閉じること無く「教育」や「学びの場」の創設も視野に入れながら次の時代へと繋げていただけたら幸いです。今後もテクノロジーとデザインの融合から、どのような革新がもたらされるのか気になります。
著者プロフィール:藤本 彩/fujimon 【otozure project】フリーランスディレクター
広島出身。鎌倉市在住フリーランスディレクター。広告・デザイン業界を経て、クラウドソーシング企業Lancersで新しい働き方を創出するプロジェクトへ夢中でコミット。人や場づくりが好きなコミュニケーター資質であることから「高エネルギー体」と呼称され、社内外のコミュニケーション温度をあげる役割を担い貢献する。2013年6月より、IT・ものづくり企業が多く集う鎌倉にてフリーランスとして独立。NPO企業、職人をエンパワーメントするなど、ものづくりにも深く関わる日々を送っている。関心領域は、ものづくり/働き方/地域コミュニティ/イベント/教育/グローカル。日本/世界のものづくりと、新しい働き方、熱量の感じられる取り組みを取材していきたい。現在「時間と場所にとらわれない働き方」を体現中。

メール:aya.fujimoto.8(at)gmail.com
チャットワーク:http://chatwork.com/fujimon (音声・ビデオ)
Twitter:http://twitter.com/otozureproject
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