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どのように世の中を変えられるか?ブロックチェーンハッカソン@東京理科大学レポート

模索続くブロックチェーン活用
編集チョのマスキンです。ブロックチェーンに注目が集まる一方、用途や実用性の検証についてはまだ模索状態といっていいと思います。そこで、ブロックチェーンの可能性を広げるために、オープンソースの分散型ブロックチェーンプラットフォーム「Cardano(カルダノ)」を開発するEMURGO(エマーゴ)社がメインスポンサーとなり、東京理科⼤学インベストメント・マネジメントおよび東京理科大学、TEICが協力して「ブロックチェーンハッカソン@東京理科大学2018」が開催されました。賞金総額は200万円、参加者約50名が10チームに分かれ、約1週間かけて練り上げたプロジェクトのアイディアと技術を競いました。このイベントに参加した、グローバル起業家 FutuRocketの美谷広海氏にレポートしていただきました!

ブロックチェーンハッカソン@東京理科大学レポート

東京理科大学の富士見キャンパスで2018年10月27日(金)と、11月3日(土)~4日(日)と1週間に跨り、「ブロックチェーンハッカソン@東京理科大学2018」というイベントが開催されました。

筆者は多くのハッカソンに参加した経験がありますが、ブロックチェーンをテーマとしたものを見学したのは今回が初めてで、一般的にもまだ珍しいかと思います。

こちらのイベントの趣旨としては、ブロックチェーンに注目が集まる一方、その用途に関しては依然として手探りの状況の中、様々な試みがなされている中、可能性を広げるため、より多くの人にブロックチェーンの魅力を知ってもらい、ユニークで柔軟な発想、技術を持つ人々が繋がるきっかけとして開催されたとのこと。

どんなプロトタイプがハッカソンの結果から生まれ、受賞したのかをお伝えしたいと思います。

【2位】 あまった電力を活かしたスマートグリッドソリューション

残念ながら、今回、1位については該当なしで、最高の2位を受賞したのが、チームMets温泉による余った太陽光発電の電気を取引するためのスマートコントラクトを活用した電力小売り会社。

現状では、太陽光によって発電される電力が需要を上回っていることが多く、そのため送電の出力抑制支持が多く行われているとのこと。出力が抑制されてしまうと、売電を行いたい太陽光発電事業者は大きな減収となります。

そこで電力取引市場をブロックチェーンにより構築し、気象情報などを元に翌日必要とされる電力需要を予測し、その電力需要を太陽光発電事業者と需要家により入札によって取り決めるというもの。

エネルギーコントロールの問題を課題設定にした点や中間搾取をなくすビジネスということが評価されました。

【3位】 休眠資産を活かす「WillChain」

3位となったのは、チームchallengeによる『WillChain』で、高齢者の休眠資産をブロックチェーン技術を使って、ヘルスケア系のベンチャーへの投資に回すというもの。

こちらは、高齢者という対象の絞り込みと課題設定と解決方法がマッチングしており、的を得ているという点が評価されました。

【EMURGO_SBCloud賞】 BCH支払いでキャッシュバックを受けられるサービス「LOTCASH」

今回のイベントのメインスポンサーである株式会社EMURGOから選出されたのが、チーム放課後揺れる猫のLotCash。

ビットコインキャッシュによる決済は、送金時の手数料が0.1円と非常に安価ではあるものの、ユーザー側にポイントがもらえるといった恩恵がないため、広がっていないのでは、と考え、支払額の1%をプールし、それを抽選で利用者にキャッシュバックしようというサービス。

こちらは、小売店の決済手数料という課題に対して、ど真ん中に取り組んでいる仮想通貨ソリューションであるということと、影響範囲が大きいサービスであるということが評価されました。

その他に、受賞には至りませんでしたが、Bit転職チームにより、ブロックチェーン技術を利用した信頼できる職務経歴書サービス、Medicチームからは、医薬品の安全性を行政、製薬会社、医療機関、患者の間でブロックチェーン技術を使って、効率的に共有する仕組みが提案されました。

(了)

【関連URL】
・[公式] ブロックチェーンハッカソン@東京理科大学2018

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