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ブシロードが資本業務提携を結んだバザール・エンターテインメント社はリアルP2P型ゲーム配信マーケットという未知の領域を切り開く

カードゲームやゲームタイトル等を展開するブシロードは2017年9月21日、シンガポールで2014年に創業した日本人スタートアップ「バザール・エンターテインメントホールディングス」(以下バザール)と資本業務提携を締結したと発表しました。

「バザール」社は、インターネット通信環境が整備されていない新興国をターゲットに、ユーザーが保有するスマートフォン同士で直接通信をするP2P型でゲームアプリを供給するプラットフォームを展開。

2015年末からテストマーケティングなどを展開してきたインドネシアの学生都市バンドン市では、ほとんどの学生にバザール社のプラットフォームが浸透するなど、リアルの人のネットワークでアプリを波及させる擬似マーケットを形成することに成功しています。

人から人へアプリを流通

バザールは、まず大学などでゲーム配信を行う元締め的ディストリビューターとなる人材を数名雇い、大学構内のカフェや食堂など人の集まる場所に専用のデバイスを持ち込んでゲームコンテンツを配信するモデルを構築しました。

ディストリビュータが火付け役となり専用デバイスまたは自分のスマホからゲームを供給していく

目の前にいるディストリビュータに現地の決済手段で料金を支払い、ゲームコンテンツをダウンロード。現在はゲーム自体は無料で、アイテム課金や対戦課金のためのトークンをやはりディストリビューターに料金を支払うことで入手できます。

2015年末にバンドン市で先行して行われたテストマーケティングの模様。どんなゲームがあるか、対戦ゲームなら誰がうまいか、と熱心に見入る学生達

このようなやりとりでゲーム好きのコミュニティが形成され、かつアプリを供給するネットワークを拡大するほど利益を得られるような構造とサービスを提供。人から人へ、2年たらずで10万人のリアルP2Pネットワークが形成されていったといいます。

すべての数値が既存のアプリマーケットより優れている

バザール・エンターテインメントホールディングス CEO大和田健人

「新興国40億人のマーケットはいまだに日本と比べてインターネットの通信速度が100倍遅く、50倍高い状態です。クレジットカードの普及率も5%まだまだといった状態です。

ところが、実際にP2P型のアプリ配信網と現地のリアルコミュニティにあうような対戦型のコンテンツを用意することでインストール率、継続率、ARPU、全てにおいて、一般的なアプリマーケットよりも高いパフォーマンスを発揮することができました。

人から人へと配信していく手法も確立しつつあり、ディストリビューターの中には一般の社会人の月収の40%近い収入を得る人も現れています。また、新たに大学を開拓するにしても、3ヶ月前後でほぼ全ての学生に浸透させることができるようになっています。

今回、ブシロードからの出資を受け、提供地域を拡大すると共にブシロードが持つ素晴らしいIPをコンテンツを私どものプラットフォームで展開していきたいと考えています」(バザールCEO大和田 氏)。

ブシロード創業者で現在はシンガポールで活動する木谷高明氏は「はじめはネズミ講のようなものか!?おもしろいなと思っていたんですが、実際にテストマーケティングを展開しているインドネシアに行ってみると、2億4000万人の活気溢れるインドネシアの若者がゲームアプリを通じて仲間を増やしているというビジネスモデルのおもしろさを実感しました」と話します。

ブシロード創業者 木谷高明 氏

「これまでの歴史の中で、新しいものは既存にあるものではなく周辺から生まれてきたと思います。既存のアプリマーケットには乗らないコンテンツが配信できる、だからブシロードとしても所有するIPやコンテンツをここにぶつけていきたい。

単純に今利益を出そうとするなら日本と中国、アメリカを押さえれば世界ゲームユーザーの80%-90%を相手にできるわけです。しかし、5年後10年後を考えたとき、こういった新しいものが必ずギューッとやってくるという時代がくるかなと思います。そこにブシロードも一緒に取り組ませていただけたらありがたいと思います」(ブシロード木谷氏)。

【関連URL】
・バザール・エンターテインメントホールディングス
http://www.bazaar.tokyo/ja/home-3/
・バザール・エンタテインメントホールディングス、株式会社ブシロードと業務提携・資本提携
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000028578.html
・新興国40億人に特化したモバイルゲーム配信プラットフォーム「Tokyo Game Network」が現地テスト事業を展開へ
http://techwave.jp/archives/32292.html

蛇足:僕はこう思ったッス
バザール創業者の大和田氏はソニー出身。プレイステーション初号機のマーケティング担当として10年にわたり中華圏で活動をしてきた人物。このモデルを聞いた2015年半ば、本当に普及するのか?ビジネスになるのか?わからないところだらけだったが、人づてアプリ配信ネットワークは10万人規模に成長した。人口が限定されたエリアに限定してこの数字なわけで、インドネシアの首都ジャカルタで展開したらどうなるかとワクワクする。今回の資金調達で得た100万ドルは地域拡大とブシロードIP展開のために使われるが、この未知のP2Pマーケットの波に日本のコンテンツがどのように乗りこなすのか注目したい。
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