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仮想通貨「ビットコイン」の大手取引所「MTGOX」(マウントゴックス)が2014年4月26日に破綻したことは、ビットコインそのものやその技術基盤であるブロックチェーンの価値を低下させたのか? それは断言できないものの、その余波は世界中に拡大し特に国内ではネガティブな印象が蔓延したのは事実だろう。
昨今、大手銀行グループの三菱UFJ銀行が独自にMUFGコインを実験開始するというニュースもあり、FinTech(金融テクノロジー)へのブロックチェーン活用に新たな活路が見出せる期待もあったが、実際とのころは行内の仮想通貨として使用するという手数料削減止まりという限定的な用途に留まっている。
シンガポールを中心に東南アジアで複数のプロジェクトを推進する起業家 小林慎和 氏は言う。
「使われなければ本当の通貨としては浸透しない。通貨を持ち、それが使われる環境があって初めて利用者は増加する」
いわゆるITアーリーアダプターや投機目的の投資家が使う仮想通貨ではなく、一般消費者が利用できるもの。それを目指したのがブロックチェーンベースの仮想通貨「c0ban(コバン)」だ。2016年秋にリリース予定となっている。
「c0ban(コバン)」は、その名の通り、江戸時代初期より広まった当時の通貨をモチーフにしている。単位は両。財布の名前は千両箱。運営会社は、LastRoots(東京)で、小林慎和 氏はCEOに就任する。
「ビットコインは、通貨がスタートした2009年当初に保有した層を中心にトップ20%が、流通量の大半を保有している状況。実際に商取引に使用されているかというとそうではなく、投機の場としての利用が目立ちます。そもそも送金確認までに20分以上かかったり、使い方が難し過ぎたり、一般消費者が使うことを前提とされているとは思えません。
ですから「c0ban(コバン)」では、1円単位から低コストで送金できるブロクチェーン技術の利点を活用しつつ、消費者および店舗や事業者間で通貨のやりとりが頻繁に生まれるような取り組みを始めから展開します。ライバル視しているのは、ビザやマスター、ユニオンペイといった国際的な決済手段。そういうった通貨基軸を日本発で展開していきたいんです」(LastRoots CEO 小林慎和 氏)
LastRootsは、これまで海外向けに「HOLD」という仮想通貨を展開。そのノウハウを活かし、実店舗などでも手軽に利用できる、より利便性の高い仮想通貨サービスを構築中だ。関連サービスも続々投入計画中で、その目玉の一つが「c0ban 広告」だ。
動画の広告を見たら所定のc0banがもらえる仕組みで、例えばECサイトや実店舗でc0banを導入している企業はPRをすると同時に、店舗で決済に使えるc0banを直接送付することができるというもの。将来的には、スマートフォンのGPS情報を活用し、位置情報に基づきc0banが得れるサービスも計画中だ。これにより一斉にc0ban利用者(消費者&企業)が拡大できると考えられる。
「c0ban広告」によって消費者が得られるc0banは「時給で考えると日本円で2000円程度を目指す」(小林氏)としており、それが実現できると相当なインパクトが起きそうだ。
【関連URL】
・c0ban(コバン)
http://www.c0ban.com/
・LastRoots
http://www.lastroots.com