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北米で1番成長してるカンファレンスCollision 2019 速報ハイライト

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世界120ヵ国から約25,000名が参加するテクノロジーカンファレンスCollision 2019。日本ではまだ認知度が低いですが、北米史上最速の成長率を誇り、SXSWの最大の脅威といわれている。日本人参加率は0.04%。その中で、過去数年参加し続けた日本人最多参加者がお届けする速報レポート。

Collision(コリジョン)とは

世界7万人が集結する世界最大級のテクノロジーカンファレンス、ウェブサミットの北米版。世界120カ国から25,000名が参加する。大企業、スタートアップ、政府関係者、メディアなどが参加している。役職も様々だが、テクノロジーや社会問題についてきちんと語れるハイスペックな参加者が多い。カンファレンスステージは14あり、データ、AI、自動運転、ヘルス、マーケティング、クリエイティブなど各業界を網羅している。
ウェブサミットは2014年からグローバル展開を始め、アジア版RISEと北米版Collisionをローンチ。コリジョンは、初年度にラスベガスで開催されてから、米ニューオーリンズへ移動。2年前にカナダ政府が誘致を打診。満を期して3年間の開催権を獲得。経済効果は、147Mカナダドルといわれいてる。北米史上最速の成長率を誇り、2018年から2019年の1年間だけでも7倍規模が拡大している。

上が2018年。下が2019年。

コリジョンがカナダに移った理由は色々ありますが、現米国の政権の影響もあり他国からの参加者にビザが降りにくくなったこと、ネクスト・シリコンバレーといわれるトロントのエコシステムがかなり発展してきたことがあげられている。

2019年度 開催概要
日程:2019年5月20日-23日
開催地:トロント(カナダ)
会場:Enercare Centre
参加予定者数:25,000名+
スタートアップ:1000社+
スピーカー:500名+
メディア関係者:750名+

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キーワードは、トラスト、コンテンツ、スケールアップ

コリジョンには事前に決められたイベントテーマはないが、カンファレンスを聞いていると世界のトップがどのステージでも口にするキーワードがある。今年は「企業はトラスト(信頼)を得なければいけない」と考え、それに注力している企業が多い。既存の大企業の問題というだけではなく、スタートアップでも起業するタイミングでどうやって信頼を得られるか、そのためにどういう行動をすればよいか考える必要があるという。
米フェイスブックの元CSOアレックス・スタモス氏は、Recodeのカーラ・スウィッシャー氏のパネルで「フェイスブックは民主主義を脅かす企業」と述べた。スウィッシャー氏はフェイスブックのせいではなく人間のせいだと主張したが、スタモス氏は、企業として存在する以上、データをどうやって使っているのか、ましては政治キャンペーンでどのようなターゲティングをして票を集めているかは開示していないのは信頼に値しないと述べた。
マーケティングのステージでは、PUMAのグローバル・ブランドマーケティング・ディレクターを務めるアダム・ペトリック氏は、「消費者は、これまで以上に企業がどういう社会的視点を持っていて、どういう風に世界に貢献しているかを見ている。」と述べた。また、NIKEやアンダーアーマーなどのブランドが政治的メッセージを発信しているトレンドについての質問が出ると、「ブランドにとって大切なのは、一時的に何かメッセージを発信するのではなく、その発信したことをやり続けることが信頼につながる」と述べ、P&Gなどが取り組む女性を支援するキャンペーンなどを好例にあげた。

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各ステージでは、モデレーターがスケールアップについての質問をする場面が多く見受けられた。スケールアップの話題では、資金の話もあるがマーケティングの話が上がる。スタートアップがスケールアップする中でマーケティングは不可欠。ただ、米国でも経験を積んだプロのマーケターはやはり貴重な存在のようだ。これまでコリジョンやウェブサミットでも多くのマーケティング・ディレクターやCMOを見てきたが、ここにきて毎回登壇するのはやはり業界で経験を積んだベテラン達だ。
世界で最も影響力のあるCMOランキング2位にランクインするGEのCMOリンダ・ボフ氏、IABの世界トップCMOに選出されているWells FargoのCMOジェイミー・モルダフスキー氏など。リンダ・ボフ氏は、「これからのスケールアップにテクノロジーは欠かせない。デジタル社員教育も必須。テレビ・新聞だけでなく様々なチャンネルがある中で、自分のブランドに合うベストなチャンネルを探さなければならない。これまでスケールアップのため、顧客とエンゲージメントを図るため、プラットフォームは全て試してきた。今思うと、試すのが早すぎたものもある。VRや3Dなど。時期を間違えたものはそれなりな痛手となるが、でもそのリスクも取らねばいけないことも多い」と述べた。

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とにかくカナダが熱い!

ネクスト・シリコンバレーといわれるカナダ。2018年には半年で178件13憶ドルがカナダのスタートアップに投資された。そのうち40%は米国のVCファンドからの投資だ。この動きは2012年からあり、ここ数年で加速している。2018年にはGoogleの元CFOがカナダのVC、iNoviaに参画、その他セコイアキャピタル、グレイロックパートナーズなどのシリコンバレーの有力ファンドがカナダへの投資を増やしている。目を付けているのは米国だけではない。中国テンセントホールディングスは51MドルをカナダのスタートアップWattpadに投資している。Uber, マイクロソフト、サムスン、など多くのグローバル企業がカナダへ新規投資部門、研究ハブなどを設立している。
カナダに人や企業が集まるのは、国を挙げた主体的な政策があるからだ。コリジョンのオープニングナイトでは、カナダ首相自ら登壇し、カナダの可能性と魅力を語った。「カナダが世界に貢献できることは、優秀な人材を提供することだと考えている」と述べたが、カナダはテクノロジー人材の宝庫といわれている。小学校からプログラミング教育があり、トロント市内でもコーディングなどが学べるスクールが実に多い。
移民が住みやすいこともカナダの魅力だ。優秀な人材には、最速2週間でビザを降りるというスピーディーな対応。「移民が多いことは、物事を色んな方面からみることができるということ。それは相乗効果を生む」と首相がいうとおり、移民がニッチな市場を開拓し起業していたりする。コリジョンの会場でも目立っていた。

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世界25,000名の中で日本人はたった10名程。0.04%しかいない。香港や韓国からはもっと参加しているので、日本からも来年からは少しずつ増えればよいと思う。興味がある方は、7月にアジア版RISE,11月には本家ウェブサミットがリスボンで開催されるのでぜひ。
コリジョンのほぼリアルタイムレポートは、こちらです。

あとがき
コリジョンの魅力は、大企業、スタートアップ、政府、メディアとそれぞれから参加者がやってきて、より良い世界を作ろうというメッセージが溢れていることかと思います。ひとりではできないけれど、みんなでやれば世界は変えられる。カンファレンスというくくりではありますが、ここは未来の世界の縮図をよく表していると思います。これが他のイベントと違う最高の魅力ではないかと思います。カナダの首相が「テクノロジーの発展で成功した人だけではいい世界は作れない。皆を連れていくんだ」と述べていたのが印象的でした。英語、できなくてもいいんです。できるひととやれば。みんなでやりましょう!

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