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「COMSA」ICO調達額60億円突破、後続ICOは決まらず波乱の幕開け

仮想通貨を使った資金調達用ICOソリューションをうたうテックビューロ社の「COMSA」の初のICOが、2017年10月2日の14時から本格実施されています。対象となるのは「COMSA」本体。2017年10月3日の11時40分時点で、調達額はおよそ60億円を突破しています。

(なお、ICOとはInitial Coin Offeringの略語で、独自のトークン(仮想通貨の価値単位)を販売して資金を調達する方法です)。

2017年8月3日に発表されたCOMSAのICOについてのホワイトペーパー(目論見書)に“計画中”と記されていた2社のうち1社は削除され、残り1社は「計画段階」という波乱の幕開けながらその勢いは留まるところを知らない状況です。

第二弾以降のICO候補決まらず

テックビューロ社がICOソリューション「COMSA」を発表したのは2017年8月3日、発表文ではICOプロセス第一弾に「COMSA」、次いで第二弾として「プレミアムウォーターホールディングス」(東証第二部:2588)、第三弾としてクラウドファンディング運営の「CAMPFIRE」の社名が記載されていました。なお、プラミアムウォーターホールディング社からは同日「検討中であり確定情報は無い」という内容の公式声明(PDF)が発表されています。

その後、CAMPFIRE社については、2017年9月29日「ICOに関する一部報道につきまして。」という声明でCOMSAソリューションでのICOはしないことを名言。

一方のテックビューロ社は、COMSAのICO開始日2017年10月2日の早朝に「COMSAにおけるCAMPFIRE社のICOの中止の経緯について」といった内容の声明を公開。以降CAMPFIREからの反論、それにテックビューロ社の反論という応戦合戦が繰り広げられている状態です。

この流れを受け、CAMPFIRE社がテックビューロ社製システムのOEM供給を受け2017年3月27日から展開していたしていた仮想通貨取引所「Firex」は9月30日をもって閉鎖。CAMPFIRE社は、預託資金の返金手続きを開始すると共に、サービス再開に向け2017年9月27日に仮想通貨交換業者の登録申請書を関東財務局長へ提出したとのことです。

COMSAの行方

「COMSA」は、不透明で煩雑になりがちな仮想通貨によるICOについて、ホワイトペーパー(目論見書)の整備から、ブロックチェーン技術導入プラン、国内外へのPR、売り出しまでをワンストップでサポートするというものです。ブロークチェーンや仮想通貨取引所など技術力などで実績のあるテックビューロによる総合ソリューションとのことで注目を浴びました。

現在実施されている「COMSA」のICO=トークンセール(一般)は2017年11月6日まで実施される予定です。本募集開始からの1日たらずで60億円を突破する勢いですが、ICO前に認知されていた前述の問題の告知義務があったのではないかという声も聞かれます。日本最大規模のICO資金調達の行方から目が離せなくなりそうです。

【関連URL】
・COMSA
https://comsa.io/ja/

蛇足:僕はこう思ったッス
 株式上場などでもこうした問題はしばしば発生するもの。上場前の情報の扱いはどの企業も神経質になる。その一方で仮想通貨およびICOにはそういったガバナンスが機能している段階ではないため、仕組みが本格的かつ大規模になるとこうしたほころびが拡大していってしまう状況にあるように思う。悪意は無くしていく必要があると思うが、誤解や齟齬なら解消してさらに前向きなエコシステムの構築に貢献していってもられればと思うッス。
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