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「先進的な企業や生産性の高い企業は、多くの場合、オフィスや地域、オペレーティングシステムにまたがります。しかし残念ながらツールはそうした働き方に見あっていません」。
Dropbox Business Blog掲載された「A revolutionary new way to access all your files」という記事に共感する人は多いだろう。ファイル共有サービスのDropboxはその不便さを解消する解の一つであり、その中でも秀でているといえるにもかかわらず、「現状は旧来型の社内ファイルサーバーやブラウザベースのソリューンが使われている」と厳しい目を向ける。
確かにDropboxは、個人が使用するストレージをクラウドや複数のデバイスで同期するには最強とも言えるツールだが、組織全体が所有する巨大なストレージを共有するには十分な機能がない。プロジェクト単位のフォルダなら既存の共有機能で十分だが、巨大なファイル容量の社内フォルダを同期したら大変なことになる。
そこでDropboxは、新たに開設されたイギリスのロンドンの拠点をベースとした「Project Infinite」を発表した。
公式記事によるとポイントは3つ。
1. ダウンロード不要でフォルダをブラウズできる
例えば会社にあるファイルサーバーの中身を、ローカルストレージをブラウズしているかのようにブラウズできるようになる。ファイルはダウンロードされていないので、ストレージ容量を圧迫することもない。
2. ファイルはクラウド上だけど、ローカルにあるように操作できる
ファイルはクラウド上に保管される。ただ、ダブルクリックすれば、すぐに同期されファイルをオープンすることができるし、保存すればすぐにクラウドに同期される。ドラッグ・アンド・ドロップももちろん可能だ。
3. クロスプラットフォーム
対応するプラットフォームはWindows7以上、Mac OS Xの場合は10.9以降と現在使用されているOSバージョンのほとんどをカバーできる見込みだ。
実際の使用感は、Dropboxと変化ないようだ。Project Infiniteで共有された組織内フォルダ ーつまりクラウドにあるけどローカルにはないー にはクラウドアイコンが付与されるようになり、メニューには「ローカルで保存」という項目も追加される。
【関連URL】
・A revolutionary new way to access all your files
https://blogs.dropbox.com/business/2016/04/announcing-project-infinite/
ツール系のビジネス魅力にあふれる。僕自身ツール系サービスやプロダクトの開発に携わった経験があるが、ストイックかつ地味で客商売のようなきめ細やかさが求められるものの、斬新なアイディアがすぐ現場に反映され満足度につながるという勢いがある。
Dropboxチームの素晴らしいところは、技術者としての軸がぶれていない点にあるように思う。こうしたサービスは、顧客らの意見を取り入れる流れの中で、開発姿勢を崩しがちなのだ。「あの人が言っているから」と新サービスを投入し、本流までも揺るがす会社は恐ろしく多い。
Project Infiniteのポイントは、いくつかのシンプルな機能を追加することでDroboxの使用感を逸脱することなく全体の価値を高める役割を果たす取り組みをしている点にある。