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[結果まとめ] GSEA世界学生起業家コンテスト 日本決勝戦、全員法人設立済みの凄腕学生アントレープレナー4人のピッチ

EO GSEA 学生起業家

EO GSEA 学生起業家

年商1億円を超える企業を経営する若手起業家の世界的ネットワーク「EO]
- Entrepreneurs Organization(起業家機構)のグローバルチームが世界規模で展開する法人設立済み&売り上げが立っている学生起業家に限定したプレゼンテーション・コンテストイベント。

本日(2019年12月12日)東京で開催された日本決勝戦の優勝者は、2020年4月にアフリカ・ケープタウンで行われる世界大会決勝へと駒を進めることになる。

GSEA世界学生起業家コンテスト 日本決勝戦

審査員

審査はEO関係者および、前年度の優勝者から。オーディエンス投票も受け付けた。なお、審査はグローバル統一の基準があり、ビジネスモデルだけでなく、起業家精神が評価される仕組み。

・EO Tokyo 会長 株式会社メディアドゥホールディングス 代表取締役社長 CEO 藤田恭嗣 氏
・EO Tokyo 副会長 株式会社ファインドスターグループ 代表取締役 内藤真一郎 氏
・EO Osaka会長 株式会社GEETING WORKS 代表取締役 徳丸博之
・EO Fukuoka会長 株式会社あつまる 代表取締役 石井陽介 氏
・2018年度 GSEA FINAL 最終週小 株式会社タイミー 代表取締役 小川嶺 氏

1分ピッチのレビュー&コメント

まずは、ファイナリストにはなれなかった有望学生起業家の5人のプレゼンテーションから。

  1. VR曝露療法ソフトウェア開発販売事業
    株式会社魔法アプリ 福井健人(明治大学) 
  2. プロの音楽家の演奏をみて楽器を学べる
    株式会社NOIAB 川村北斗(東京藝術大学) 
  3. ペット共生型ペット共生型グループホーム事業。
    株式会社ねごと 大友玲奈(早稲田大学) 
  4. ホログラムで接客を行う
    株式会社ホロックス 鷲尾圭登(立教大学) 

ファイナリスト4社のレビュー&コメント

今回のEO GSEA 2019年度日本予選では、EO TokyoとEO Osakaの2拠点で募集と審査を行い19チームがエントリー。最終的に絞り込まれたファイナリスト4社のプレゼンテーションのサマリーとレビューがこちら。

  1. 遠隔地にいる人とコンテンツを共有、通話x画面共有アプリ「ぴかぶる」
    株式会社Picable 小島貴之(慶應義塾大学 修士1年)
    picable.co.jp

    古典芸能xデジタルアート制作などの経験を経て、離れてもコンテンツを共有型消費を実現するコミュニケーションプラットフォームを開発。画面共有により遠隔で同じコンテンツを再生できるスマホ向けサービス。余分な通知は共有されず、お互い操作したりすることもできるためテレプレゼンス効果を高めることができる。ソフトローンチ後数日、オーガニックで数千単位のユーザーを獲得。ヘビーユーザーは1日7時間54分使用、1時間以上するユーザーが400人以上。送客効果の高さや決済との相性の良さに期待。2019年春に藤田ファンド等からシード出資を受けている。

    蛇足)
    過去なんども浮上しては消えていったテレプレゼンス型コンテンツ消費プラットフォーム。ただ、この数年でスマホの普及率は、これまでのPC普及度合いとは全く違ったレベルに高まっているため、タイミングとしては最高か。ただ、著作権などの障壁は甘く見ない方がいいし、ライブアプリが同じ事をする可能性は充分にある。

  2. 日本が誇る靴磨き職人の技術でリユース事業を展開「SHOEBER」
    株式会社SHOEBER 村上友哉(兵庫県立大学 4年) 
    www.shoeber.co.jp

    靴磨き業界に入って3年。日本は世界トップの技術があるが業界は、売り上げが乏しく(一人当たり売り上げ30万円)厳しい状態。そこで中古靴のリサイクル事業を開始。使えなくなった靴を再生し販売することで利益率50%を達成。仕入れ額の5~6倍で売れるケースもあるという。中古靴市場は世界で2000億円。日本はアパレル18兆円のうちリユースは1.56%=2800億円。靴は234億円なるはず。靴磨きの技術がありウェブマーケッティング(SEO)の経験もある村上氏ならではの優位性があるという主張。

    蛇足)
    本人も主張していたけど、確かに世界どこいっても「人を見るなら靴をみろ」という話がある。それが起業のきっかけということで、これをリサイクルで世界に展開するという話。ちょっとプロセスが複雑で長いため、どんなリスクがあるか見えない部分もあるが、要はコストパフォーマンス+未知の価値が生まれれば市場自体は想定値よりも大きいかもしれない。

  3. ファンド型遊牧民キャンプ場
    株式会社Eifer 野尻悠貴(ICU/MIT Micromasters 修士1年) 
    www.eifer.online

    モンゴル遊牧民40万人の約8割が貧困に陥っている。そこでゲルを使ったファンド型キャップ場の運営を開始し、課題を解決するだけでなく持続的に次の世代に継承できる事業へと育てるという考え。チームはモンゴル人の共同創業者に始まり、途上国の資源を効果的に使った建築を展開する建築家ら。宿泊料の10%が遊牧民の収益となる。現在展開していのはウランバートル空港から1時間の東京ドーム2個分の場所(モンゴル人の共同創業者の親が提供)。2019年夏に実施されたプレキャンプは売り上げ180万円、客単価20万円。参加者の80%が来年も使用することを希望しているという。この事業ですべてのモンゴル遊牧民全てを雇用したいという。なお、野尻氏が50か国を旅した中で最も親日だったのがモンゴルだっという。

    蛇足)
    地域の課題を吸い上げインバウンド型で事業を育て雇用を生み、IT教育などへの投資を経て環境改善のインフラを構築するという壮大な野望。これをモンゴルだけで無く、世界各地に繋げていくという。とても夢がある、しびれるプレゼンだった。

  4. 衛星データを用いた途上国の金融サポート事業
    SAGRI株式会社 坪井俊輔(横浜国立大学 3年) 
    sagri.tokyo

    創業者である坪井氏が2016年8月にルワンダで教育に従事ている際に、子どもが労働力として扱われていることに課題を感じスタートした事業。世界の農業就業人口25億人のうち、ターゲットとなる小規模農家は84%の21億人で、そのほとんどは資金にあえいでいるにも関わらず、年利30-50%という金利でしか融資が受けられない状況がある。これに対し人工衛星からのデータによる農地評定を行い、区画分析や地質分析により何がどれくらい育てられるかを判断、そこで作付けし収穫できる農作物を把握して融資額算定に応用する仕組み。インドではこれにより数%~程度の低金利融資を展開中。日印スタートアップハブの第一号企業に採択。今後、タイの財閥CPグループとの対話する予定。チームは国内外10名で編成。創業は2016年からやっている事業の切り出して2018年に実施。売り上げは国内外さまざまな事業を併せて今年度5000万円。

    蛇足)
    世界十のさまざまな国でさまざまなチャレンジを行い、事業まで展開するスーパー学生起業家。もはや学生かどうかは関係なく、話に聞き入ってしまった。TechWaveでも何度か取り上げているAGGURYBUDDYの高度技術版というイメージだが、金融にフォーカスしている点で異なる。坪井氏は農業と機械の融合などさまざまな事業を展開。今も丹波市に2つの事業を抱えているが現在はSAGRIにフォーカスしている。

優勝は・・・

いよいよ、オーディエンス(投票)賞と準優勝、優勝の順で発表です。

オーディエンス賞  

・衛星データを用いた途上国の金融サポート事業
SAGRI株式会社 坪井俊輔氏(横浜国立大学 3年) 

準優勝  

・通話x画面共有アプリ「ぴかぶる」
株式会社Picable 小島貴之氏(慶應義塾大学 修士1年)



優勝  

衛星データを用いた途上国の金融サポート事業
SAGRI株式会社 坪井俊輔氏(横浜国立大学 3年) 

「世界を本気で取りに行く」という受賞メッセージに会場中が感動で包まれました。

おめでとうございます!

【関連URL】
・[公式] GSEA世界学生起業家コンテスト 日本決勝戦

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