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遠隔農場「Ragri(ラグリ)」で野菜を買ってみて感動した話

食への関心が高まる昨今。都市生活者でありながら農業に従事する人も目立つようになりました。そこで、楽天と愛媛のテレファームが2017年4月5日からスタートした消費者と農家をつなぐサービス「Ragri(ラグリ)」を試してみました。

スマートフォンなどから日本各地の農家に農作物の栽培を依賴し、育成から収穫、発送までしてもらえるというものです。記事執筆時点で依賴できるのは40種類以上。料金は収穫時の送料を含むと月々1000~2000円程度です。

Ragriに登録されている農家は、無農薬や減農薬などの農作物を育てる生産者。このサービスの最大のポイントは、消費者が生産者に農作物の育成を前払いで依賴するというもの。農家は天候や市場動向などに振り回されること無く、計画的に良質な農作物の育成に注力することができます。消費者は、依賴する作物と農家を選ぶことができ、育成の過程を楽しみながら、健康的な農作物を手に入れることができるという魅力があります。

成長と出荷

Ragriのサイトで、作りたい作物を選び、生産者を選ぶと自分の仮想農場ができあがります。もちろん、実際は、日本各地の農家の農場の一角に植えられているのですが、その生育状況は逐次アップデートされスマートフォンやPCで確認することができます。

農家はそれぞれの意気込みや個性があり、彼らの思いを聞いているだけでどんな作物ができるか期待で胸が膨らみます。発芽やその後の生育、天候不順時の対応状況など逐次送付されてくるレポートは、あくまで遠隔の農場での出来事ですが、自分が育てている畑のように感じられます。

Ragriはピカピカの野菜を決められた個数購入するというサービスではありません。もちろん最低数量などは定義されていますが、環境条件などの変容で生育期間が短くなることもあります。

そうしたやりとりも生産者さんと一緒に農場を運営しているという気にさせられます。大きな写真に見ただけでも健康そうな作物の姿が写っていると感動すら覚えます。

筆者は、土と水にこだわりのある生産者さんに「ほうれん草」をお願いしました。およそ一ヶ月、登録しておいた住所にテレファーム名のダンボールが冷凍便で届きました。

箱を上げると無農薬栽培であることの証明書と今回の出来高ほうれん草7袋が入っていました。

作物の仕上がりは事前に報告されていた写真よりも美しく、葉っぱ一枚をとってみてもとても丁寧に育てられてきたことが感じられました。

初めに作った料理は、良質のオリーブオイルを使った炒め物でした。あえて、前茹でせず、ベーコンとにんにくスライスでさっと炒めました。驚くことに雑味はゼロ。甘みすら感じたのです。

【関連URL】
・Ragri(ラグリ)
https://agriculture.rakuten.co.jp
・楽天とテレファーム、地域支援型農業(CSA)サービス「Ragri」を開始
https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2017/0405_01.html

蛇足:僕はこう思ったッス
 僕は栃木県宇都宮市に住んでいる。酪農は全国で北海道に次ぐ2番めの規模。それ以外の農業も盛んで、周囲には農家直営のスーパーがいくつもある。農家直営店では、当然全国大手スーパーには並ばないような作物を安価で購入できるのだが、結局のところスーパーと同じ経済システムの上で生産されたいわば競争の中で脱落した型落ち品などが並ぶこともあるのが現実。無農薬野菜のパック販売も利用しているが、これも結局同じ品質のように感じる。

Ragriで依賴した農作物の出来は、こんな地方生活者にとっても十分感動できる仕上がりだった。愛を感じられた。Ragriは、愛媛のテレファームがベースに、楽天が2016年6月に出資したことで生まれたサービス。コンセプトは生産物の発注を前払いの形で受けてから作付をすることで、計画的な生産と収入の安定化を図る地域支援型農業(CSA:Community Supported Agriculture)というスタイルを理念に掲げている。また、テレファームは、拠点のある愛媛県で新規就農者の採用、研修を開始するなど農業に新しい流れを作ろうとしているとのこと。

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