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繊維商社大手のファッションテックファンドが「 XZ(クローゼット)」運営会社に出資

繊維専門商社大手の豊島が出資するファンドが、ファッションコーディネート提案アプリ「XZ(クローゼット)」を運営するSTANDING OVATION社に出資をしたことが明らかになりました。

豊島は年商約1800億円の繊維商社大手で、ブランドや店舗向けのODM(クライアントブランドの企画生産)事業を主力とする会社です。このファンドを通じ、ファッションに関連する素材や加工技術ではなく、人工知能や流通サービス、アプリなど先端技術を活用したファッションテックにマイノリティー投資をする考えです。

今回の出資は総額1億8000万円。豊島系列のファンド「ファッション& テクノロジー1 号投資事業組合」の他、既存株主であるコスメサイト「@cosme」運営のアイスタイルグループによる追加出資に始まり、新規投資家としてD4V 1号投資事業有限責任組合(Design for Ventures:世界的デザインコンサルティング会社IDEOと Genuine Startupsの合弁VC)、 ボルテージ、メサイアキャピタル、エンジェル投資家などが引受先として名を連ねています。

XZ(クローゼット)の魅力

アプリ「XZ(クローゼット)」は、文字通りアプリの中にオンラインクローゼットを作り、女性が所有するファッションアイテムとのコーディネートのアイディアの提案などの経済的需要を創出していこうという狙いがあります。

アプリはまず自分の所有するアイテムを登録する仕組みになっており、そのアイテムを使った新たなコーディネートアイディアを発見したり、ユーザー同士でコーディネートの情報や意見を公開することができるというもの。

アプリは、iOS/Android向けに無料で公開されており、現時点の発表値ではダウンロード数は43万で、ユーザーが登録したアイテムは200万点以上。ユーザーが提案したコーディネートのアイディアはおよそ60万点、Q&Aコーナーの質問は4万件(回答は12万件)まで達成するなどかなりの人気です。

「XZ(クローゼット)」の狙いは日常的に使えるファッション実践ツールという位置づけ。ユーザーの手持ちを服のコーディネットを発展することで、中古及び新品アイテムの売買やBtoBへの発展させようという考えです。

【関連URL】
・XZ days
https://xz-days.jp/
・株式会社 STANDING OVATION
http://www.s-ovation.jp/

蛇足:僕はこう思ったッス
 熱気を増しているファッションテックの領域。あらゆる産業で、既存の有力企業がオープンイノベーション型プロジェクトへと駒を進め始めている中で、ファッションテックはあらゆるIT系テクノロジーやECなどと連携しやすいせいか、先端技術活用の事例が多いように思う。1.8億円というと大きな額だが、マス訴求フェーズかというとそうではなく、チームの体制強化やウェブメディアの立ち上げなどの段階。コーディネートからの需要喚起のトラクション(牽引要素)を得て収益化へどう短期間でつなげられるかが勝負といったところだろうか。注目したい。
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