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ロシアのスタートアップ事情:FinTech系ハッカソンQIWI Universe

 

[読了時間: 8分]

日本でも FinTech というキーワードが頻繁に聞かれるようになったが、ここロシアでも徐々に熱は高まっている。今日は昨年参加した FinTech 系ハッカソン QIWI Universe についてご紹介します。

ロシアのハッカソン賞金王からのお呼び出し

QIWI Universe は、オンライン決済端末で収集したビッグデータの活用に関する2日間のハッカソン群。主催者の QIWI は、ロシアの街角ではおなじみの決済端末の運営会社だ。そこで暗号化し保管しているトランザクションデータ活用のアイディアやツールを、スタートアップや学生などに提供してもらい、その成果を競うという形をとっている。モスクワだけでなくカザン(ロシア)、ノヴォシビルスク(ロシア)、ミンスク(ベラルーシ)などの都市でも開催されている。この日は約150人33チームが参加しており、QIWI Universe シリーズの中でも最大級とのこと。

ここ1年ほど、ロシアでは FinTech に関連したハッカソンが徐々に増えている。昨年からロシア最大の銀行 Сбербанк (ズベルバンク)主催のハッカソン Хакатон Сбербанка(ズベルバンク ハッカソン)等が開催されており、業界内の関心が高いことがうかがえる。

ハッカソン情報の入手はまだしも、参加となるとハードルは高かったが、この時は友人で自称・ロシアのハッカソン賞金王のイゴール・バリノフ氏が自身のチームに招いてくれた。

とはいえ、当日は Yandex.Map と Yandex.Metro を見ながら地下鉄を1時間ほど乗り継ぎ、хакатон (ハッカソン)の素っ気ない張り紙だけを頼りに、ようやくモスクワ郊外の住宅街の一角の会場に辿りついた。

1日目のこの日は実装作業とプロダクトの提出、パーティ。2日目に各チームからのプロダクトに関するプレゼンテーションと結果発表という構成だった。成果物の権利はいずれも QIWI に属すため詳細のご紹介はできないが、ロシアの商習慣に即したもの、海外サービスの仕組みをベースにしたものなどが多かった(ちなみに、イゴール氏のチームは入賞を逃した)。

主催者・参加者と会うだけでも、参加の価値は十分にある。ロシアのスタートアップコミュニティの運営者やテックメディアのファウンダー、Digital October の運営者、DI Telegraph に出入りするスタートアップなど、モスクワ界隈のメインプレイヤーが集まるからだ。

ロシアのTECH系スタートアップはいま

業界に詳しいロシア人は「応募の時点で優勝するスタートアップは決まっている」と言う。ロシア国内で身に着けられる技術力とアイデアには限界があり、積極的に英語を学び、オライリーの原書で技術を学び、アメリカのハッカソンに参加している人に集中するとのこと。
ただロシア人自身が、ロシアで学びロシアで働く Коллеги (同僚)や Ребят (仲間)の中からハッとするようなプロダクトが生まれることを期待していることも添えておきたい。

QIWI Universe の主催者からは「日本からの参加も大歓迎!」と言っていただけたので、ご興味のある方はコンタクトしてみてはいかがでしょうか?

【関連URL】
QIWI Universe http://universe.qiwi.com/

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