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GMOインターネットが仮想通貨採掘に参入 最新チップ採用

GMOインターネット2017年9月7日、仮想通貨の採掘(マイニング)事業に参入することを発表しました。採掘する仮想通貨としてビットコインを挙げており、次世代型の7nmプロセスを利用した半導体を導入することで高効率の採掘システムを構築したい考えです。事業の開始は、2018年上半期を予定しているとのことです。

GMOインターネットは、インターネットの発展により情報の境界線がなくなり、その次に「価値」の境界線を無くす時代が来たと述べており、「これまで培ってきたネットインフラ事業およびネット金融事業のノウハウを活かし本事業に参入することで、「世界共通の新通貨」であるビットコインの健全な運用を支えてまいります」という声明を発表しています。

仮想通貨採掘(マイニング)事業

GMOインターネットは接続サービスに始まり、最近ではサーバーなどインフラ周りの事業で成長するほか、ネット金融領域に注力してきました。仮想通貨関連では2017年5月に仮想通貨交換事業「GMOコイン」(旧名:Z.comコイン byGMO)で参入を果たしています。

採掘事業は仮想通貨の根幹に関係するもので、莫大なプロセッサの計算能力を提供する変わりに、そこから生まれた仮想通貨の価値の一部を報酬をして受け取るものです。詳細の内容は以下の通り(原文ママ)

■次世代マイニングセンターの運営(2018年上半期)

 仮想通貨(ビットコイン)のマイニング事業を行うためには、高度かつ膨大な計算処理が可能なコンピューターと、その稼働と冷却を行うための安定した電力の確保が必要となります。マイニングを行う高性能のコンピューター(マイニングボード)を実現するため、半導体設計技術を持つパートナー企業とともに、最先端の7nmプロセス技術を活用した半導体チップ(マイニングチップ)の研究開発を行います。電力供給の面では、再生可能エネルギーの豊富な北欧に「次世代マイニングセンター」を設置し、クリーンで安価な電力を調達することで、コストを抑えた施設の運営を可能にします。

<「次世代マイニングセンター」(構想)>
ハードウェア
(概算) 単体スペック    :計算性能 10TH/s
           消費電力 500W以下
投入マイニングチップ:50,000チップから段階的に増強
計算総パワー    :500PH/s
設備 ラック、冷房、配電、消防、セキュリティ
電力 再生可能エネルギー(地熱、水力)

■今後の展開(時期未定)

(1) クラウドマイニング事業
 個人や事業者の方が手軽にマイニングに参入していただけるサービスです。
 「次世代マイニングセンター」の設備資金をユーザーから調達するとともに、その収益を配分するクラウドマイニングサービスを提供する予定です。マイニングを行うための設備投資・運用が難しい個人や事業者でも、小額を投資していただくことで、「次世代マイニングセンター」がマイニングに成功して報酬のビットコインを得られた場合、参画していただいているユーザーへ分配いたします。

(2) 次世代マイニングボードの販売
 マイニングチップを搭載したマイニングボードは製造後、「次世代マイニングセンター」で使用するだけでなく、一部外部への販売を行うことを検討しております。

(3) GMOコイン株式会社への仮想通貨供給
 当社連結グループ会社であるGMOコイン株式会社(仮想通貨交換業登録申請中)に対し、マイニングされたビットコインをはじめとする仮想通貨を供給する予定です。これにより、GMOインターネットグループとして、仮想通貨市場の多様性やリクイディティ向上に貢献をしてまいります。

【関連URL】
・GMOインターネット株式会社 仮想通貨の採掘(ビットコインマイニング)事業に参入
https://gmo.jp/news/article/?id=5775

蛇足:僕はこう思ったッス
 7nmプロセスのチップがどのメーカーのものか、もしくはマイニング事業で多く使われているFPGA
(field-programmable gate array)なのか明らかになっていない。浮き沈みの変動が激しい領域なので、高効率で展開しないと成長は難しいもの。国内外に採掘拠点を設置すると思われるが、すでに中国・欧米では多数の企業・個人が参入しており、手放しで「利益になる」といえる状況ではないことから、今後の勝算をどう描いているか気になるところ。
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