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香港デモ、FireChatでP2P通信網を確立か【@maskin】


[読了時間: 2分]

 香港で2017年を予定されている行政長官の選挙における民主化を求める抗議行動が拡大している。報道によると、香港の金融街・Central(中環)などに、9月30日未明に抗議に参加する人々は約10万人に上ったという。

 参加者は武器を持っていないことだが、機動隊は催涙弾のようなものを発泡している模様。これに対し、参加者はFacebook傘下のInstagramを使用して「#occupycentral」といったハッシュタグで多数の写真を投稿。これも、中国政府によるインターネット遮断で中国本土からは見られないようになってしまう。

(画面はinstagramユーザー luvytp 氏が投稿したもの)

 ご存知の通り、中国本土ではLINEやYouTube、Facebook、Twitterといった世界規模のソーシャルメディヤやCGMが遮断されている(2014年9月30日時点)。

 香港は特別行政区につき通信の自由が認められているが、抗議に参加する人々は、Wi-Fi接続ポイントや携帯通信ネットワークといった一般のインターネット網ではなく、端末同士を接続して通信するP2P(ピア・ツー・ピア)型を利用しはじめている。

 多くは米OpenGardegの「FireChat」を使用している模様。iOSとAndroidに対応したアプリをインストールするだけで、近隣にいる人とメッセージのやりとりが可能になるというもの。通信距離は10m程度とのことだが、数珠つなぎ的に連鎖可能で、参加者が多い野外音楽フェスで使用するという話もある。

 なぜ、FireChatを使用するか?という点について、現時点で3GやWi-Fi接続ポイントによるインターネット接続の可否は解りかねるが、実際FireChatを使用して現地から投稿している人の発言をみる限りでは「一般のインターネットがいつ中国本土と同じように取り締まられるかわからない」「監視される懸念があるからFireChatを使用する時も位置情報はOFFに!」などと不安感によるものと考えられる。



【関連URL】
・Open Garden | /firechat
https://opengarden.com/firechat
・WhatBlocked – Dashboard monitoring popular sites blocked by the Great Firewall of China
http://whatblocked.com/



蛇足:僕はこう思ったッス
日本ではあまり話題とならないが、世界中で通信の秘匿性が焦点となっている。いかに通信を第三者に監視されず、自由にやりとりできるようにするか。FireChatの利用は、結局中央管理型に成り下がってしまったインターネット網に対する反旗のように思える。

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