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「CASHは質屋ではありません。買い取りアプリなんです」バンク社 光本CEOが語る

自分が所有するグッズをものの十数秒でキャッシュにすることができるアプリ「CASH」を本日2017年6月28日に立ち上げたバンク社 代表取締役兼CEO 光本勇介 氏との対話中、手元のスマートフォンのアラートが一瞬たりとも止まることはありませんでした。

通知は「CASH」を使ってユーザー自分のアイテムをキャッシュにした瞬間に送られるもの。鳴り止まない通知は、時代の変容を告げる鐘の音のようにも感じました。

「CASH」は、自分のアイテムを使って現金を借りる、あたかも質屋のようなアプリです。しかし光本氏は「この事業は貸金業としてやっているものではないんです」といいます、では何か、実は「中古品の買い取り事業」として機能しているのです。

中古アイテムの買い取り業

「CASHでやっていることは、ファッションなど中古品の二次流通が確立しているアイテムを買い取るビジネスです。このアプリでやっていることは、瞬間でアイテムを買い取り、その代金をお客様に支払っているということなんです。

2か月後、お客様はアイテムを送品するか、受け取ったお金を返金するかという選択をすることになりますが、もし返金する場合は、15%のキャンセル手数料を支払っていただく形です。私たちとしては現金化の次点で買い取りが成立していることになり、もしアイテムを送品しない場合は買い取りキャンセルの手数料を頂戴するというモデルなんです。

送付してもらったアイテムは中古品の二次流通市場で売却しますが、私はスタートトゥデイに一時所属し中古品マーケットのことを学びましたが十分にニーズがあるアイテムを適切な価格で売却して利益を出すモデルをこの事業のロジックとして組み込んだんです」(バンク 代表取締役兼CEO 光本氏)。

マイクロファイナンスを独自モデルで日本に浸透させたい

「ただ、方法論として買い取りというモデルでCASHを展開していますが、買い取りサービスをやろうとしているわけではありません。

私たちが狙っているのは少額で与信の必要がないマイクロファイナンスの領域です。限度額は低いですが、消費者金融ではカバーしていないこのマーケットは相当な規模のマス向けサービスになると考えています。

実際のところ与信なしモデルはリスクが伴います。CASHにしても基本は性善説に基づいてサービスを設計しています。今後は、給料を前払いする「Pay.Day」というサービスを計画していますが、これは買い取りとはまた別のロジックで「与信なし」「少額融資」のモデルを実現しようと考えています」(光本氏)

【関連URL】
・cash
https://cash.jp/
・瞬間着金するスマホ質屋「CASH」登場、Stores.jp運営ブラケット創業者 光本勇介氏の新会社
http://techwave.jp/archives/introducing-cash-from-storesjp-founder-mr-mitsumoto.html

蛇足:僕はこう思ったッス
 買い取りのスキームを少額融資の代替としてサービス化した光本氏。100%自己資本でのトライ。次なるPay.Dayはまだサービス設計中とのことだけど、さまざまな事業ロジックを駆使してマイクロファイナンスのマス化を狙うとのこと。これはインドなど新興国のマイクロファイナンスと異なり、日本で何かやろうとしている人、たとえばイベントにいきたいとか、レッスンを受けたいとか、小さな衝動を支えるサービスとして進化していくことになりそうだ。
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