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米シンギュラリティ大学、公式イベントを日本で初開催

シンギュラリティは近い」という本のタイトルを聞いたことがあるTechWave読者はかなり多いと思います。2005年に出版されたこの本では、2045年にAIが人類の知性を上回るという技術的特異点=シンギュラリティの到来を予見しています。この書籍を書いた人工知能の世界的権威レイ・カーツワイル氏と起業家 ピーター・ディアマンディス氏によって2008年に設立された教育機関がシリコンバレーにあるNASAリサーチパークに本部を置く「シンギュラリティ大学」です。

この大学の日本で初となるイベント「シンギュラリティ大学ジャパンサミット」が2017年9月6日・7日・8日の3日間に渡って東京・お台場の日本科学未来館で開催されます。300人に限り参加可能で、公式サイトではリクエストを受け付けている状態です。

世界トップ層が世界の課題に挑む

この大学のミッションは「エクスポネンシャルに変化する = 指数関数的に飛躍するテクノロジーを活用して、地球上に暮らす全ての人々に影響を与える世界の最も重大な課題の解決をし、より豊かな未来を構築すること」です(公式サイトより原文まま)。大学のカリキュラムの門は狭く、エグゼクティブプログラムは1週間の集中プログラムで$14000の授業料ながら定員以上の応募があるといいます。

今回日本で開催される「シンギュラリティ大学ジャパンサミット」は、大学が行うエクゼクティブプログラムのエッセンスを日本にいながら体験できるというもので、シンギュラリティ大学本部などから世界トップクラスの先端技術専門家や著名人がスピーカーとして集まる予定です。

 今回のジャパンサミットの開催目的は、参加者がエクスポネンシャル(指数関数的、飛躍的)に変化するテクノロジーの現状を理解し、「クリエイティブ・コレクティブ・インテリジェンス(創造的な集団知)」を形成しインサイトの共有を可能にする、日本のオープンイノベーションの場を構築することです。参加者は、ラボエキシビションでの最先端のテクノロジーの体験や、セッション中のディープラーニングを活用したオンライン投票システムを使うことにより、共同設立パートナー10社との相乗効果が見込めるテクノロジーの分野を探ります。ジャパンサミットには、共同設立パートナー、政府機関に所属するリーダー、学術機関の研究室などが一堂に会し、「未来の探求」が行なわれます。また、ジャパンサミットでは、デザインシンキングやアクティブラーニングのセッションを通して、急激に広がりつつあるシンギュラリティ大学コミュニティが、より明るい日本の未来と変化に対応するためのマインドセットを「共に形づくる」ための機会を促進します。

現時点では選考方法や参加費などは明らかになっていませんが、来たるべきエクスポネンシャルに立ち向かうスキルセット・マインドセットを揃えるための貴重な機会となるのは間違いなさそうです。

【関連URL】
・SingularityU Japan
https://www.singularityujapan.org

蛇足:僕はこう思ったッス
 30年後の未来には何が起こるだろうと考える際、直近の過去の出来事から推論してもおおよそにおいて正しい答えは出てこない。特に、今後の30年間というのは情報技術においても生命科学などにおいても予想すらできなかったことが起こりうると考えられているからだ。未来にある以上、すべては夢物語と言い切ることもできるが、実際、私たちの生活の中ではたった1日が人の人生や企業の行く末を180度変化させるようなことがしばしば起こっている。だからこそ、この猛烈な変化の中で、この流れとともに自らが変容し続けることが不可欠なのだろうと思う。
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