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メルカリ上場記者会見(前編)、CEO山田進太郞 氏が語るメルカリの誕生とこれから

着席している左からメルカリ 代表取締役社長兼CEO 山田進太郎氏、取締役社長兼COO 小泉文明氏、取締役CBO兼US CEO ジョン・ラーゲリン氏、質疑にのみ出席した執行役員CFO 長澤啓氏

2018年6月19日、東京証券取引所マザーズへ新規上場を行ったメルカリは、上場にあたっての記者会見を開催しこれから成し遂げたいことなどについて思いを述べました。

メルカリ 代表取締役社長兼CEO 山田進太郎氏


「ユーザーのみなさん、パートナーのみなさんに深く感謝しています」という一言から始まった代表取締役社長兼CEO 山田進太郞 氏の会見はメルカリが誕生した経緯やその思い、そして今後の展開について幅広い内容となりました。

「上場を通じて成し遂げたいことは、テックカンパニーとして世界を目指すということです。
サービスをより満足度が高いものへと改善することで国内マーケット拡大してきました。
これからAIによってカテゴリ・価格などを推薦するようなテクノロジーに力をいれています。
これにより現在力を入れている世界展開に効果を発揮すると考えています」(山田進太郞氏)。

メルカリ誕生秘話

ウノウという会社でモバイルゲーム開発をしていた山田氏は米Zyngaに会社を売却。もともと旅好きな彼は、この機会に世界一周の旅に出ます。そこでの体験が「メルカリ」への発想へとつながります。

「沢山の新興国をみる中で、みんなが豊かになろうと努力しているにもかかわらず、資源が限られていて難しいと感じました。

その後、2012年の秋に帰国したところ、日本ではスマートフォンが流行していました。新興国でもパワフルなツール=スマートフォンを利用するようになると確信しました。スマホで個人と個人をつなぐことができれば、もっと資源を大切にすることができれば、みんなが豊かなくらしをすることができると思いました。それで個人間取引に特化したマーケットプレースを作ることにしました。

こうして生まれたのがメリカリです」(山田氏)。

世界的なマーケットプレースを目指す

「メルカリのミッションは新たな価値を生み出す世界的マーケットプレースをつくる。

メルカリでは家で眠っていた洋服や、いらないからといって捨てていたものなどが沢山取引されています。自分にとって価値がなくなってしまったものでも、他の誰かにとっては価値があるものが沢山があります。これが新たな価値を生み出す、といういみます。

メルカリは、日本とアメリカ、イギリスでサービスを提供しています。世界十の国に進出し、まずはローカルでマーケットプレースをつくりますが、最終的にはすべての国と国をまたいで取引ができるようにしたいと考えています。これが世界規模のマーケットプレースを作る、という意味です」(山田氏)。

スライドをみておわかりの通り、メルカリはサービス開始から5年弱で飛躍的な成長を遂げ、2018年3月末現在で日本国内では1000万月間ユニークユーザー、300億円以上の流通額にまで成長しています。

配送会社との提携や周辺アプリのリリースなどプロダクト改善を継続的に行ってきたことで大きく成長に寄与してきたと考えています。

KPIの観点でメルカリの成長を表現すると、高い成長力と協力なユーザーエンゲージメント、ということになります。メルカリの流通額の成長率は、この規模になっても年率50%を超え、アリババのTモールやタオバオに匹敵します。また、ユーザーエンゲージメントが高いことも大きな特徴です。

利用者あたりの平均利用時間は5.3時間となっており、Facebookなどよりも高い数字で、以下にメルカリが日本に根付いているかがわかります」(山田氏)。

メルカリが投資する3つの分野

「今後、メルカリは3つの分野に投資をしていきます。

1つめは「人」への通りです。現在メルカリにはさまざまなプロフェッショナルや優秀なエンジニアが数多く在籍しています。今後も国内外を問わず優秀な人材を採用し、次々とイノベーションをおこし続けます。

2つめは「テクノロジー」への投資です。市場の競争はますます激しくなり、テクノロジーで差別化ができなければ生き残れなくなります。メルカリはAI/VR/AR/ブロックチェーンなど積極的な投資を続けていきます。

3つめは「海外」への投資です。インターネットオークションだけをみても、海外市場は日本の10倍以上の市場があります。すこしでも便利な社会を実現するため、できるだけ多くの人に役に立ちたい。そういう思いを突き詰めていくと、日本だけではなく世界が舞台となります。

このように短期的な収益を高めるのではなく、中長期的により大きな成長を続けていきます」(山田氏)。

【関連URL】
・[リリース] 上場のお知らせ

蛇足:僕はこう思ったッス
。山田氏のサービス造りをもう20年近くみている。彼は常にユーザーによりそったプロダクト開発を続けいた。そこにCtoCとスマートフォンという要素がはいり急拡大に至った。上場により資金でいよいよ世界に拡大するフェーズに入ったわけだが、会見を聞く限りではテクノロジーに依存するようにも感じた。しかしそれは、あくまでよりよいプロダクト開発の一手段似すぎず、これまで効果を発揮してきたテレビCMやUSでのカルチャライズなどさまざまな施策を同時に展開していくというのが真実のようだ。山田氏は「よりよい製品を作ることで、お客さんがつき成長すると信じている」という。たしかにそれがITであり、究極の客商売ともいえるスマートフォンアプリの世界なのだと思う。

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