- 「ソラコム」がスイングバイIPOを実現、東証グロース市場上場承認 - 2024-02-22
- (更新)結果速報 LAUNCHPAD SEED#IVS2023 #IVS #IVS @IVS_Official - 2023-03-09
- 「始動 Next Innovator 2022」締め切りは9月5日(月)正午ー経産省・JETRO主催のイノベーター育成プログラム #始動2022 - 2022-09-01
日本を代表するスタートアッププレゼンテーション(Pitch)イベントとして知られる「LaunchPad」の新潮流として本日(2021年6月25日)、「LAUNCHPAD Entertainment」が開催された。
このピッチイベントは投資家や経営者らによる審査(書類審査・プレゼンテーション・Q&A・メンタリング)を経て選ばれた14社が最終審査に挑む。
これまでにLaunchPad出場企業は22社が上場を果たしている。今回の「LAUNCHPAD Entertainment」ではどんなプレゼンがあったのか、その特徴は、そして優勝者は?登壇企業計14社による6分間のプレゼンテーションのサマリーとレビューをお伝えする。
「LAUNCHPAD Entertainment」審査員
審査員は、DMM.com会長 亀山敬司 氏、大和証券 専務取締役 金子好久 氏、East Ventures パートナー 金子剛士 氏、グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー 高宮慎一 氏、Gumi 取締役会長 國光宏尚 氏、WiL ジェネラルパートナー&Co-Founder 松本真尚 氏、DRONE FUND創業者/代表パートナー&千葉道場ファンドジェネラルパートナー 千葉功太郎 氏、投資家/DeNA共同創業者 川田尚吾 氏、KDDI 事業創造本部 KDDI∞Labo長 中馬和彦 氏、シニフィアン共同代表 朝倉祐介 氏、フリークアウト・ホールディングス 代表取締役社長Global CEO 本田謙 氏、Yazawa Ventures ファウンダー&CEO 矢澤麻里 氏、インキュベイトファンド代表パートナー Paul McInerney(ポールマクナーニ) 氏。
スポンサーである「Telecy」・「エンジャパン/AMBI」・「野村不動産」・「AWS」・「大和証券」・「freee」、各社から各種副賞が授与されます。
「LAUNCHPAD」 15社のレビュー&コメント
-
Radiotalk株式会社 井上佳央里
誰もが稼げるエンタメ産業創造を!手軽にできる音声配信サービス「Radiotalk(ラジオトーク)」スマホに向かって話すことで食べていける「トーカー」を支援するサービス。録音時、ジングル挿入や編集もスマホアプリかで行えるほか、ライブ配信では投げ銭や有料コメントを含めたリアルタイムでのコミュニケーションに重点を置いている。ホスティングコストが低いため、配信者に対する報酬は、動画に比べて倍ほどになるという。SpotifyやAmazon Musicへの配信が自動で行えことが功を奏して、月間50万MAUまで成長。日本国産の音声配信アプリでは売り上げ1位。800人が収益化。ライバーやYouTuberなどと違う世界観がある。
蛇足)
独特な世界観。この市場性をどう捉えたらいいのか。音声配信が新しいプラットフォームとして定着するのか、多くの人が興味を持っていると思う。日本という独特な市場にフォーカスするのではなく、いちはやく世界という舞台に立った方がいいように感じた。 -
株式会社クレイオ 神名秀紀
憧れの有名人からお祝いメッセージが届く「セレブレイトメッセージ」合計フォローワー数8000万人に上る有名人から、個別のお祝いメッセージを受け取ることができるというもの。キャスト&事務所は平均作業時間1分で、売り上げの70%を受け取ることが可能。キャストは平均で月に47件のオファーを受け取っているという。トップ層は年間2000万円以上の売り上げがあるという。キャストは現在200名で数千人単位に増やしていくという。
蛇足)
好きな有名人からプライベートなメッセージをもらえるのは特別な体験となるだろう。ちょっと気になったのは、誰にでも頼めるような世界になったとき、セレブリティの立ち位置はどんな案配になるのだろうというところ。 -
fansa LLC リチャード・ボーグ
世界にひとつだけのパーソナル動画メッセージ 「fansa」有名人に動画を注文できるサービス。誕生日やお祝いなどがあった時に、特定の有名人にメッセージのリクエストを依頼。手続きはLINEで行う。有名人には売り上げの80%を支払う形。2021年4月にローンチ。現在月に360万円の売り上げを上げていおり、年内1000人以上の有名人登録を目標としている。
蛇足)
前出セレブメイトとほぼ同じ内容。競争が頻発化して市場が過熱するのか注目したいところ。 -
エンゲート株式会社 城戸幸一郎
アスリートとファンを直接繋げる!ギフティングサービス「エンゲート」スポーツチーム経営を支援する大きなビジョン。ファンは選手やチームに有料のデジタルギフトを送付することができる。ギフトにはコメントを付与でき、選手はコメントに返事をすることができる。すでにプロスポーツのチームや学生チームにも導入済み。ベガルと仙台では1時間半の記者会見で133万円超の収益があるという。一人当たり平均月間7100円のギフティング収益があるという(選手・チームへの収益は70〜85%)。セゾンポイントやTポイントとの連携、地域活性企画、プロモーションなどの活用も展開中。NFTギフティングの展開も。
蛇足)
事業モデルとしてはさまざまな企業が展開してきた領域。今後突き抜ける要素がエンゲートにあるのか、今後に注目される -
株式会社TORIHADA 大社武
クリエイターのマネタイズを支援するファンクラブサービス「Fanme」TikTokerのMCNとして、クリエイター130人(フォロワー6000万人)を持つスタジオを運営中。ただ、限られた広告/PRでしか稼げてない状況で、それを打破するためにファンからの直接収益が得られる構造を作ろうとしているという。限定コンテンツやEC、クラウドファンディング、サブスク、ギフトなどをファン限定で提供する。フォロワーがファンになる転換率として0.1%を掲げ事業を展開している。中国のクリエイターエコノミーは3.2兆円なのに対して日本のインフルエンサー市場は500億円。
蛇足)
コンテンツ&サービスの提供を、ファンに限定することで価値を生もうというモデル。ファン=フォロワーなのだとしたら、現在のフォロワー数が多いネットタレントはなぜ同じモデルを実現てきないのだろうか?という疑問が生まれる -
ミーチュー株式会社 小泉拓学
手数料無料のファンコミュニティ「Mechu」COVID-19の万円によりエンターテインメントがオンラインサービスに移行するものの30〜50%という手数料の高さが負担になっている。ミーチューは0〜5%という手数料でその負担を軽減させる。他社との比較として収益が2.7倍に達するという。ファンとのコミュニケーションはチャットで、投げ銭スタンプなどが用意されている他、イベント機能などのアプリも用意されている。GMV300万円、一人当たりGMVは8000円を超えているという。今後、ファンコミュニティからサブスクリプションサービスへと進化する計画だという。
蛇足)
ファンコミュニティの価値を高めるという理念。手数料の戦いを超えて、体験価値をどう高めていくか注目される -
株式会社Sozi 宮村哲宏
クリエイターの持続的な創作活動を支援するエコシステム「pib/POTOFU/OFUSE」SNS上の影響力でクリエイティブが評価されてしまう問題に注目。フォロワー数の大きさで収益が評価に大きな影響を及ぼすことになる。評価されるべきクリエイティブが見過ごされている。このサービスでは、作品公開時からその問題を回避する一次作品だけを公開するマーケットを構築。登録クリエイターは2万2000人。現在はファンからの単発支援のみが収益だが、別の支援スキームも投入する計画。
蛇足)
クリエイターエコノミーにはまだまだ新しい世界観が構築できるのだと感じさせられた。 -
アトラクチャー株式会社 中村政義
学習・進化していく仮想生物(人工生命)を応用した「バーチャルキャラクター技術」自律的に進化する人工生命としてのバーチャルキャラクターを作れる技術セット&ツールを提供。遺伝子マーケットからDNAセットを購入し、バーチャルキャラクターを陸・海・空に分かれたシミュレーション空間の中で創造できる。自分で考えたキャラクターにDNAを適用して育てることも可能で、さまざまな生命体に適用できる。個人開発の技術をドワンゴに譲渡。
蛇足)
人工生命シミュレーションとしての意外な面白さを超えて、これが仮にキャラクタービジネスの中で付加価値向上のエンジンになるのならば?という期待値が未知数のように感じた。 -
株式会社VARK 加藤卓也
音楽ライブをDXする!バーチャルエンタメSNS「VARK」音楽ライブは様々なハードルがあるものの一発勝負という難しさがある上に、COVID-19蔓延下では10分の1にまで減少している。バーチャルライブならばその障壁を解消出来る。VARKは開催が難しいバーチャルライブを、アーティストが利用できるスタジオを提供することでより手軽に開催できるようにしている。VRだけで10万人のユーザーがあり、ユーザーの平均単価は1万円以上を誇る。誰でもライブができるサービスが展開済みで、コミュニティ形成の機能も提供する予定。
蛇足)
何度かバーチャルライブを体験したことがあるが、リアルのライブとは異なる距離感、むしろ大きなホールで姿が見えないくらいなら、バーチャルの方がいい!と感じることも多い。 -
Graffity株式会社 森本俊亨
友達と体を動かし、リアルに汗をかけ!ARシューティングゲーム「Leap Trigger」2018年2月にリリースしたアプリ「ペチャバト」はARマルチプレイのゲームとして20万ダウンロードを達成。これを発展したのがこのゲーム。マーカー無しで、現実者会で身体を動かして最大8人まで対戦できる運用型ゲームとして米KickStarterに出品。評価する声も多い。年内DAU2万人を目指す。
蛇足)
ARエンタメの追求。ARが社会に浸透し始めてからしばらく経過するがまだその本領は発揮されていないし、まだまだ追求する余地があるように感じた。 -
株式会社URAKATA 山田慎也
アウトドアライフの新しい選択肢「ソトリスト」キャンプ道具の購入と使用後の管理を軽減することで、より気軽にキャンプを楽しめるサービスを提供。使用していない道具を預け、預けている間はレンタルはシェアされるというもの。その際のレンタル料の20%が収益となる。預けるのは提携店舗か送付で受付可能。レンタルユーザーは使用後メンテ無しで返却できる。今後、グッズユーザーが売却できる仕組みやキャンプ場予約機能などを提供予定。
蛇足)
買い始めると結局高額になるキャンプ道具。そもそも何を使ったらいいのかわからないことも多く、そうした観点からはニーズをキャッチしているように思う。 -
株式会社カウシェ 門奈剣平
1人だと買い物できないECアプリ「カウシェ」複数人で共同購入することで5〜30%割引になる。中国で急成長している事業モデルを踏襲。販売事業者は3か月利用後も95%が継続するという。
蛇足)
過去のグルーポンと同じような共同購入モデルに近い様に感じたが、グループ形成が基本となるなどの現代ならではの新しい購買体験となっている。利用者の8割が東京以外。事業者の手数料は11%。来年までに月間購入者数10万人を目指す。新規購入者の単価は1678円(既存ECからすると3〜5倍)、総合ECにしていく考え。 -
株式会社ネオンテトラ 赤崎湧生
競馬ファンが集まる予想のSNS「ウマスマ」初心者にとっては難しい競馬の予想。それを上級者の予想を参考にする形で敷居を下げるというもの。さまざまな機能を提供することで、熱量が高いユーザーに支えられている。市場は2.9兆円、オンラインの売り上げが急増している。予想に対するユーザー当たりの支払い額が1万円を超えているなど単価が高い。それらの予想ニーズを束ねて有料サブスクや有料予想配信、広告等の展開を考えているという。
蛇足)
想像以上に大きな競馬市場。若い世代の参入も増えており、今後、このマーケットをどう掴んでいくか興味深い。 -
ジャングルX株式会社 直江文忠
日本初のスポーツベッティング・カンパニー「ジャングルBet」COVID-19下でニーズが拡大しているスポーツベッティング。日本発でイギリス国内での免許を取得済み。試合中にさまざまなお題が出され、リアルタイムで都度ベットしていく「インプレイベッティング」の特許を強みとする。1試合中に45回の賭け機会を生む新しいかけ方を提供する。日本でもフリープレイ型(広告モデル)であれば適法となるという。
蛇足)
試合中のさまざまなベッティング機会が提供される仕組みに興奮。確かにどのスポーツでも見所ごとの熱量があがるわけで、そのタイミングでリアルタイムにベッティングできるのであれば楽しさは倍増するように感じた。
結果発表
5位 ジャングルX株式会社 直江文忠
日本初のスポーツベッティング・カンパニー「ジャングルBet」
4位 株式会社TORIHADA 大社武
クリエイターのマネタイズを支援するファンクラブサービス「Fanme」
3位 株式会社VARK 加藤卓也
音楽ライブをDXする!バーチャルエンタメSNS「VARK」
なんと、今回は1位タイ
・
・
・
・
・
同点1位 エンゲート株式会社 城戸幸一郎
アスリートとファンを直接繋げる!ギフティングサービス「エンゲート」
同点1位 株式会社カウシェ 門奈剣平
1人だと買い物できないECアプリ「カウシェ」
おめでとうございます!
【関連URL】
・[記事] IVS LAUNCHPAD Entertainment