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LINEのゲートウェイ戦略と4つの新サービス、そして今後の未成年者対応とは【@aco220】


[読了時間: 3分]

8月21日(水)、舞浜アンフィシアターにておこなわれたLINEのカンファレンス「Hello, Friends in Tokyo 2013」に参加してきました。

今回注目された発表としては「LINE STORE」および「3C戦略(Communication, Contents, Commerce)」でした。

後者の3C戦略とは3G/Wi-Fi環境で利用可能な「ビデオコール」と音楽配信「LINE Music」という本体の機能追加、そして「LINE MALL」というECです。

3C戦略に関してはこれらサービスの開始直前にあらためて詳細な情報を展開するとのことで、今回は展開予定として告知をおこなうのみとなりました。

LINEが構想する今後の「ゲートウェイ戦略」とは

現在は占いやマンガ、ゲームなどを展開しているLINE。コミュニケーションをベースとした新たなゲートウェイとしての役割を担っていくという宣言が昨年もありましたが、いわゆるこれが「ゲートウェイ戦略(ゲートウェイ構想)」。

小さなアプリのプラットフォームを構築するということではなく、今後も規模や国籍を問わずさまざまなパートナーと協力していくことでゲートウェイ化を加速していくと、責務であると、あらためて宣言がありました。

展開されたスライドを参照すると、TV, Kids, E-Learningなどの文字が並びます。個人的に気になるのはE-Learningの分野です。

後述しますが、若年層をメインターゲットとしているLINEとして、あらゆるプラットフォームとして成長するだけでなくその利用者の利用方法に対しても取り組みをおこなってきているようですので、さらにそこからLINEがどのように教育という分野にアプローチしていくのか期待できる点だと感じています。

「LINE STORE」と「LINE MALL」その概要と相違点

まず区別しておくと、「LINE STORE」はLINEの公式ECであり、有料スタンプはもちろんLINE公式グッズなども取り扱う予定となっています。

そして「LINE MALL」はあくまでモールであり、BtoCおよびCtoCの取引が可能なECとなります。つまりまったくの別物なのです。

また、既にレッドオーシャンとなっているEC業界ですが、差別化としては「(LINEの関係サービスらしく)スマートフォンならではの操作性を活かしつつ、誰でも、いつでも、どこでも売買ができるような、コミュニケーションに重点を置きカジュアルさを持ったECにしたいと考えている」と森川社長のコメントがありました。

また、「LINE STORE」では支払い方法における特徴があります。

そもそもこのサービスが展開されるきっかけとして、LINEに関する有料コンテンツ(スタンプなど)を利用するためにはアプリ内決済が必要であり、それが不便である国や層があるという現状が挙げられます。

そこでLINEは電子マネーやPayPalなどさまざまな決済方法の導入、専用プリペイドカードの販売などを開始することを発表しました。

日本では9月30日より順次全国の主要コンビニエンスストアにて、プリペイドカードの販売が開始される予定となっています。

EC事業参入による個人情報の取り扱いや未成年者対応に関して

今回のEC事業参入により新たなユーザー情報を獲得することとなるLINEですが、それら情報を活用した新たなターゲティングによる広告等事業展開に関しては「これまでLINEの文化として合わないと判断したため断ってきたため、そのような事業展開はおこなわない」とのこと(舛田氏)。

また、コンテンツに関する決済ハードルが下がるということで、国内において未成年者に制限を設けるかという点については「課金に関してはこれまで大きな問題が起きているわけではないため、決済方法の追加をおこなっても開始時点では特に制限や対策はおこなわない。今後様子を見て、都度対応する方針としている」とのことでした。

さらに最近LINEグループを使用するユーザー間コミュニケーションにおける誹謗中傷によって発生している犯罪性などに関してのコメントもありました。

LINEグループ自体の利便性を優先し、機能制限などはおこなわないとのこと。その代わり、教育機関や地域と連携をしサービスの健全な利用方法を共有する勉強会をおこなっているそうです。幅広い地域での実施を強化することにより、制限をおこなうよりもユーザーと共に健全な利用を守るように取り組んでいくとのことでした。

おまけ

今回取材での参加でしたがお祭り気分で楽しい会場でしたので、読者の皆さまにもその様子を写真でお届けします。

【関連URL】
LINE、ビジネスカンファレンス「Hello, Friends in Tokyo 2013」を開催
http://linecorp.com/press/2013/0821593

蛇足:もうちょっとだけ言わせて!
LINEが今回発表したいくつかのサービスや機能はゲートウェイ戦略の通過点に過ぎませんが、その中でも今回のEC事業参入や決済手段の追加はかなり大きなポイントと言えるでしょう。今後展開していくサービスおよび機能に影響を与える部分ですし、課金に関する制限などは今のところ考えていないというコメントがありましたがそこは少々不安なところ。しかしながら今回初めてLINEカンファレンスに参加して、ムービーのかわいらしさやビジュアル面での配慮、そしてショップや装飾の充実によるイベント性の高さに、わくわくさせられ、とても楽しむことができました。
著者プロフィール:ライター/デザイナー鈴木 梢(あこ)

千葉県生まれ、千葉県育ち、千葉県在住の24歳。新卒で入社したモバイル系制作会社にてスマートフォンアプリやソーシャルメディアを活用したキャンペーンのディレクションを担当し、その後はトレンダーズ株式会社にてソーシャルメディアを活用した女性向けウェブサービスの運用を担当。現在は桑沢デザイン研究所にて学生をしながら、主にフリーのライターとして活動中。
主にウェブに関するイベントレポートなどが得意です。お気軽にご連絡ください。

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