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元アップルの梶原氏が狙う“IoT越え”の新サービス「まごチャンネル」 【@maskin】

アップルの日本法人でデバイスやセグメントマーケットを長年担当した梶原健司 氏が2014年に設立した株式会社チカクが2015年9月14日、初めての製品をお披露目する。その名も「まごチャンネル」。拍子抜けするようなゆるいサービス名だが、入念な調査の末、梶原氏の理念が結実したものといっても過言ではない。

クラウドファンディングMakuakeで同日11時からスタートしたプロジェクトは、目標100万円のところ開始20分程度で8割近くを達成。(追記 その後1時間程度で目標額を達成)大きな注目を集めそうだ。

テレビにつなぐだけ、ネット接続も込み

「まごチャンネル」は、スマホで撮影した写真や動画を、手間なくテレビで表示できるようにできるデバイス連携のクラウドサービスだ。新しい写真や動画が到着すると、以下のように家型デバイスの窓が光る仕組み。

デバイスには電源とテレビ接続用のケーブルしかない。本体には無線で接続できるインターネット環境が搭載されているため、それぞれを接続するだけで準備完了。スマホから撮影した写真や動画は、自動でクラウドに転送され、テレビに接続されたデバイスから再生される。テレビのリモコンで操作することが可能で、あとは難しいことは一切ない。

「私の実家など、スマホは充分に使えないばかりかネット環境もない環境に、離れた場所から孫の姿をリアルタイムに伝えたい。そう思うご家族は一杯いると思うんです。しかし、いろいろな条件があって、うまくできない人が多いのが現実です。今後、拡大する高齢化社会の中で、より多くの人の役に立てるプロダクトを、ということで長い時間をかけて実地調査を繰り返してきました」(チカク 共同創業者兼代表取締役 梶原健司 氏)

端末の通常価格は、1万9800円(税抜)で、クラウドサービスの利用料金は月額で980円。サービス利用料には、ストレージや通信利用料が含まれている。

仕様

専用アプリ

・ iOS/Android
・ App Store/Google Play ストアから無料ダウンロード

まごチャン受信ボックス
・ サイズ : 140x140x40mm
・ 重量 : 約350g

一般販売価格

・ まごチャン受信ボックス:19,800円(税抜)
・ サービス利用料金:980円/月(税抜)

まごチャンネル開発チーム


(写真左から、桑田氏、梶原氏、佐藤氏)

梶原健司: 共同創業者兼代表取締役
アップルにて、iPodなどコンシューマへのセールス・マーケティング主要部門を担当後、独立。2014年にチカクを創業。

佐藤未知: 共同創業者(ハードウェア開発責任者)
HCI、触覚、VRの元研究者。第12回文化庁メディア芸術祭審査員推薦賞(チーム受賞)、パリ第6大学に研究留学、日本学術振興会特別研究員、シンガポールのベンチャーを経て、2014年末に博士学位取得。

桑田健太: 共同創業者(ソフトウェア開発責任者)
新卒入社の株式会社アクセスでは携帯電話のOS開発に従事。組み込み系からアプリレイヤーまで幅広い開発を得意とする。名刺管理アプリ「Eight」のAndroidアプリで、起ち上げから現在に至るまで担当。

石井聖己: プロダクトデザイナー(外部メンバー)
MUJI AWARD 04、JamesDysonAward2012、第一回ほぼ日作品大賞など、国内外でのデザインアワードを複数受賞。
Lahti University of Applied Sciences / Industrial design (Finland)
Stanford Univercity / ME310 Project (USA)
京都工芸繊維大学 大学院 デザイン科学専攻 修了



【関連URL】
・「まごチャンネル」 株式会社チカク
https://mago-ch.com/
・スマホで撮って実家のテレビへすぐに届く!IoTサービス「まごチャンネル」
https://www.makuake.com/project/mago-channel/

蛇足:僕はこう思ったッス
 プロダクトの形が整う前、このサービスについて、そして梶原氏の「プロダクト観」について何時間も話を伺った。彼のやりたいことは、スタートアップとかクラウドとかIoT等というトレンドに乗ろうとしているわけでなく「今、誰のために、何ができるか」を追求した先にある、一般の人で構成された市場に対しての価値提供である。スペック値とは関係ない、金銭価値以上の対価について考えさせられるプロダクトだと思う。
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