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女性の時代といわれますが、まだまだ海外で活躍する日本人女性は他国に比べると多くありません。そんな中、世界中から多くの優秀な人が集まるシリコンバレーという地で新たなキャリアを築き始めた日本人女性がいます。英語を一から猛勉強し、1年でTOEIC900点をマーク。現在はシリコンバレー楽天オフィスの新規事業であるシェアオフィスRakuNestを担当されています。今回はそんな菊地友佳子さんのこれまでに至るキャリアパスについて伺いました。
きっかけは“我が道を行く”タイプの彼との結婚
― シリコンバレーにくるきっかけは何だったのですか?
「夫の転勤です。その前も彼はずっとシンガポールで勤務していたので、結婚してから数年は遠距離結婚でした。いつになったら一緒に住めるのかと色々悩んでいた時期に、彼のアメリカオフィスでの採用が決定して。さすがにアメリカは遠いなぁと。」
― 遠距離結婚だったんですね。シンガポールへはなぜ一緒に行かなかったのですか?
「私は行っても良かったんですよ。でも、シンガポールに来るならTOEIC800点以上取ってきてと彼に言われて(笑)さすがに彼もアメリカは遠いと思ったのか、一緒に渡米することになったのですが、1年でTOEIC900点取ってと。彼が現地採用ということもあり日本に帰る目処は無いので英語圏で暮らすのに苦労しない英語力を私にもつけてもらいたかったみたいです。初めて受けたTOEICが500点台の私にとっては遠い道のりに感じました。」
― 旦那さん厳しい!それで英語を勉強されたんですか?
「はい。アメリカには、移民に対して英語を学ぶ機会があるのですが、私もそのコミュニティスクールで英語を勉強しました。朝9時から夕方3時までのクラスで、その後は夜まで宿題をこなすというハードなスケジュールでした。」
TOEIC900点クリア。でも実際ネイティブと仕事をするという新たな課題
― 無事に旦那さんから課題もクリアしたその後は何をされたんですか?
「元々は日本で薬剤師をしていたので、せっかくなので活かしたいなと思い、コミュニティスクールと並行してこちらの薬剤師アシスタント試験の勉強もしました。資格取得後はCVS(アメリカの薬局)で調剤師として働いていました。TOEIC900点と言えども、実際にネイティブの人と仕事をするのは大変で、電話が取れなくて怒られたりしました。(笑)」
ー メンタル強いですね!薬剤師から楽天という全く違ったフィールドにいらっしゃいますが、なぜ今まで積み上げたキャリアを変えようと思ったのですか?
「せっかくならそこでしか出来ないことをやってみようかなと思ったのが大きかったと思います。彼の後を追って移住し働かないという選択肢もありましたが、アメリカに来て学生生活をしている時に私はやっぱり仕事をして社会と繋がっていたいなと強く思いました。そしてせっかくシリコンバレーにいるのだから、ここでしか体験できない仕事をしてみたいと思っている頃に楽天に出会いました。」
東京の薬剤師から楽天の海外新規事業担当へ
ー ザ・シリコンバレーという雰囲気の素敵なオフィスですね!実際シリコンバレーで働くというのはどうですか?
「CVSでも楽天でも感じたことですが、シリコンバレーにはアメリカ人だけでなくインド系、中国系など移民の方も多く働いています。英語が第二外国語の社員が頑張っているのは私も刺激になります。あとは働き方ですね。日本は残業や先輩から誘われたら飲みに行くのが当たり前という風習がありますがシリコンバレーは違います。皆時間やコストに対する意識が強いので仕事にスピード感があり、18時には家に帰って家族と過ごす人がほとんどです。私もシリコンバレーに来て夫と過ごす時間が増えました。」
― RakuNestは8月にオープンしたばかりだそうですね。インキュベーションやシェアオフィスは、シリコンバレーにも現地の有力企業が存在しますが、そんな中でRakuNestの良さは何ですか?
「確かに、有名なインキュベーションやシェアオフィスがシリコンバレーにはたくさんあります。でも、短期で入居できなかったり、高額だったりと気軽に利用できないものも多くあります。そんな課題を解決できるのがRakuNestかなと思っています。3ヶ月からの短期契約も可能ですし、朝昼食付き、フィットネスジム付きで金額も月1200ドル〜と気軽に利用できる価格設定になっています。場所もサンフランシスコ国際空港から車で15分ほどの好立地。北のサンフランシスコ、南のサンノゼどちらにもアクセスしやすいです。またメンタリングシステムがあるのでシリコンバレーに知見や人脈の無い方達のサポート体制も万全です。日本語が話せるスタッフもいるので、語学に不安がある方も安心して利用できるのもメリットです。」
ー 最後にこれから菊地さんの様なチャレンジをしてみたいと思っている人へメッセージをお願いします。
「薬剤師になった時はまさか10年後にIT企業しかもアメリカで働いているなんて想像もしていませんでした。Facebookの女性COOシェリル・サンドバーグは著書 LEAN INの中で”キャリアはハシゴではなくジャングルジムのようなもの”と言っています。私はこの言葉が好きです。人生100年の時代。自分の道を決めすぎず、やってみたいと思えることやチャンスが来たら横に後ろに動いていいと思います。変化には不安が伴いますし、うまくコミュニケーションが取れない時は自分の英語力に落ち込むこともあります。でも諦めないこと、インプットをやめないことが大事です。新しい環境に飛び込んだからこそ得られた出会いや考え方があって、それは自分のキャリアだけでなく人生も豊かにしてくれると思います。」
RakuNest 住所: 900 Concar Dr Suite 400, San Mateo, California 94402
USA ホームページ: https://www.rakunest.com/
連絡先: us-rakunest@mail.rakuten.com
【関連URL】
・[公式] Rakunest
蛇足: インタビュアーあとがき
実は元々は菊地さんの旦那様を取材する予定でした。奥様のお話を伺ったところ、とても素敵な方でぜひ日本の方に紹介したいと思い今回の取材に至りました。旦那様の厳しい課題、現地に移住してからの苦難。色々大変だったと思うのですが、取材中終始楽しそうに話してくださった菊地さん。その姿にグローバルで活躍できるのは英語力だけではなく、ポジティブなチャレンジ精神だなぁと感じました。東京で薬剤師をしていた頃は、あまり海外旅行も行ったことがないそうです。そんな彼女が1年でTOEIC900点突破しシリコンバレーで新規事業を担当しているのは素晴らしいことと思います。今、英語ができないけれど世界でチャレンジしてみたいと思っている人がいたらぜひチャレンジしてほしいと思いました。旦那様も世界有力のソーシャルメディアのシリコンバレー本社でマネージャー(管理職)として現地採用されている数少ない日本人。素敵な日本人が世界で活躍しているのは、同じ日本人として嬉しく、またとても良いエネルギーをもらいました。皆さん、次回シリコンバレーに行く際はぜひRakuNestへ!困った時は薬剤師が助けてくれるという特典付きの素晴らしいオフィスです!