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昨日の記事で、日本全国におけるポケモンGO波及効果についてお伝えした(「ポケモンGOで日本に何がおこったか?「PokemonGO 解析マップ」 powered by ナイトレイより 【@maskin】」)。首都圏のみならず各地でもポケモンGOハンターが熱狂している様子や、大都市では大規模に人が移動している様子、平日になっても収束せず推移する様子が確認できた。少ない時間帯でも全国でおそらく数百万人超の人々が外で動いていると考えると、その側面だけも大きなインパクトがある。
しかしながら、そのポケモンGOハンター達は、地域の店舗などにプラスの影響を与えているのだろうか?
そこで、今回は、リアル店舗の顧客傾向分析サービス「ウォークインサイト(WALK INSIGHT)」を提供するモバイルAブリッジ社の協力で、その実態をお伝えしたい。
「ウォークインサイト(WALK INSIGHTS)」は、スマートフォンのWi-Fi電波をキャッチする専用デバイス(写真下)を利用し、通行している人々の行動傾向を分析できるサービス。
このデバイスを、全国の路面店26か所に配置して調査したところ、ポケモンGOリリース前(3日間)と、リリース後(3日間)では通行量に明白な変化があった。
今回のモバイルAブリッジが行った調査ではさらにブレークダウンし、東京23区内で店舗がポケストップになっているショップAを対象に、ポケモンGOのリリース後、店舗前の通行量および入店者に与えた影響を可視化している。データは、ポケモンGOリリースの2016年7月22日を含む、6月1日から7月24日までの期間を対象としている。
リリース後、店舗前を通ったことのない通行者が70%増加
ウォークインサイトでは「ベイズ構造時系列モデル」を用いて、ポケモンGO未リリースの期間の予測とリリース後の予測の数値変化を比較する方法で分析を行った。以下は7月1日から7月24日までの期間における、店舗前を通ったことのない通行者の予測値の推移のグラフ。ポケモンGOリリースの7月22日以降に極端な変化が確認できる。
このグラフから読み取れる結果は以下のようになる。
< ポケモンGOによるショップAの通行者(新規)への影響 >
未リリース時の予測: 1,646人
リリース後の実測: 2,800人
ポケモンGOの影響: +1,154人
増加率:+70%
なんと新規でショップA前の通行した人は70%増加しているという。
これをリピーターだけに絞ってみると以下のようになる。
< ポケモンGOによるショップAの通行者(リピーター)への影響>
未リリース時の予測: 319人
リリース後の実測: 382人
ポケモンGOの影響: +63人
増加率: +20%
それでも20%の増加。これが消費活動に結びつくのであれば十分な数字になるだろう。
ポケモンGOによる入店者数への影響は限定的
ところが実際は、店舗への入店効果は認められなかった。以下は、入店予測のグラフ。リリース日(7月22日)をみてもプラスになるどころか落ち込みすら見られる。
結果を整理するとこのように、微小ながらマイナスという形になった。
< ポケモンGOによるショップAの入店者への影響 >
未リリース時の予測: 310人
リリース後の実測: 303人
ポケモンGOの影響: -7人
増加率: -2.2%
ショップAは、ポケモンGOに関連するマーケティング施策を行っていないのだから仕方ないという見方もある。しかしながら、リリース直後に全国多数の事業者がた取り急ぎ実施した「ポケモンGO関連企画」は、筆者が確認する限り大きなプラスになっていないことを考えると、的確なストーリーで企画しない限りポケモンGOからの消費導線は成立しない可能性が高そうだ。
【関連URL】
・ウォークインサイト | 株式会社モバイルAブリッジ
https://walkinsights.jp