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車両が走行できない荒れ地などにおいて、物資を運搬できる四本足のロボット「ビッグドック」の開発で世界的に注目を浴びたボストン・ダイナミクス。同社が最近、車輪を持つこと二足歩行のロボット「Handle」をお披露目して注目を浴びています。
ビッグドックのように150kgの荷物を時速6.4kmで運ぶことはできませんが、時速14.48kmで走行し120cm以上の高さまでジャンプすることができるという驚きの機動力を誇ります。
ビッグドックは、35度以上の傾斜がある不安定な地形でも走破できる性能があります。大人の人間が蹴り倒そうにも倒れない(YouTube)、そんな高い性能を持っていたことから、軍事用に採用されました(元々DARPAの支援で開発された技術でもあります)。
一方の「Handle」は二足歩行とはいえホンダのASIMOのように人間を真似た歩行をするわけではありません。脚についた車輪をモーターで回転させて移動します。直進はもちろん、回転や、不安定な路面の走破など、そのバランス制御性能には目をみはるものがあります。
ボストン・ダイナミクスは、2013年12月に米Googleに買収されています。そして2016年3月頃から度々、他社に売却されるという噂が流れています。その売却先に日本のトヨタの名前が上がっています(link)。
軍事産業からモビリティ産業への転向は可能か?
機動性に優れたロボットの開発が表面化する度、軍事産業からのアピールがあるという噂が度々流されたという歴史があります。最近では武器としてのロボット使用を懸念する世界的な流れがあり、「Stop Killer Robot」などの動きも活発化している状況です。
その反旗なのか、例えばホンダ「ASIMO」は、本田技術研究所が1986年から進めてきたロボット開発の派生として生まれましたが、あくまで人間との共生、もしくは人間をサポートをする製品群「ホンダ・ロボティクス」としてまとめられています。
ボストン・ダイナミクスの売却先として噂にあがったトヨタも人間共生型のロボットをリリースしており、方向性は同じといえます。
対してGoogleに買収された日本のロボットベンチャー「SCHAFT」」(Google、日本のロボット開発会社を買収【@itmsc】)ももともとDARPAの災害救助用ロボット協議コンテスト「DARPAロボティクスチャレンジ予選」で入賞していました(日本のロボットベンチャー「SCHAFT」、NASAやMITを退け「世界一」を証明【@itmsc】)。
ロボットの技術そのものはビジョンに縛られていないと言えると考えられますが、果たして「Handle」のような機動性能は私達の社会の中でどのように浸透していくのでしょうか。
【関連URL】
・Boston Dynamics: Dedicated to the Science and Art of How Things Move.
http://www.bostondynamics.com